クリエイトしている時間だけは本当にただ楽しい
──なるほど。"WH3Nwh3re"の歌詞はどんなことを歌っているの?
Ryosei:生きていて「世の中クソだ」ってすごく思ってて、そこから逃げ出したいなと思う気持ちも心の底からあって。しんどいことがあると、僕は紙に書くんですけど、それがリリックになった感覚ですね。そんな歌をメンバーが気に入ってくれたので報われたなって思います。
──怒っている曲なんだ。
Ryosei:だいぶ怒っていますね。"far"もそうですけど、基本的に僕はずっと怒っているんです。やりたいことがあるのに金がないから時間もない、とか。そういうバランスを取るのって難しいけど、クリエイトしている時間だけは本当にただただ楽しくて。
──"far"は、構成もおもしろいですよね。
Ryosei:これもセッションで作っていきましたけど、僕らはハーフにするのがめちゃくちゃ好きなんです。それがthe Mcfaddinの醍醐味だと思ってるくらい。どうハーフにする、どうダブルにするっていうのを常に考える癖があるので、"far"はthe Mcfaddin節がいちばん強い曲です。あと"irk"も僕らのカラーが濃いですね。
──"irk"は、どのように制作していきました?
Ryosei:まず最初にKeishoがギターのリフだけ持ってきて。それがシンプルでめっちゃよかったし、僕のハマっているコードともすごくマッチしたんです。そこから「慣れないように」からのフレーズと歌だけを僕が持っていって、あとはスタジオで各々肉付けしていきました。最後の倍速になる展開も、みんなで演奏して楽しかったものを採用していて。ギターっていいなって改めて思わせてくれた曲ですね。
──この曲の歌詞はどういった心境で?
Ryosei:すごくいい1日を過ごした日があって、その時の心境をただ綴っています。
──へえ。どんな1日だったの?
Ryosei:先輩から草野球に何度も誘われていたんですけど、朝早いからずっと断っていたんです。でもある日、「キャッチボールでもいいから」って言ってくれたので、軽い気持ちで行ったんですね。そうしたら、その日試合やって... でも5打数3安打でした(笑)。この日のおかげで久々に朝を感じたし、すごく気持ちよくて。この感動を自分のなかに閉じ込めるために、その日のうちにリリックにしたんです。
──レコーディングは?
Ryosei:ドラムも自分たちで録りました。生ドラムをハイクオリティで録るということは、やっぱり半端なく難しいんだと実感して。機材は、指向性をチャンネルで切り替えれるElectro-Voiceのマイクを使っているんですけど、それでキックも録ったりしていて。このマイクは歌声も綺麗に録れるもので、ヴォーカルもほぼこのマイクです。あとは毛布で包んだコンデンサーをバスドラのなかに入れて割れた音を録ったりとか。とにかく音作りに対して色々試しました。
──自分たちでドラムも録ってるんだ! ミックスはメンバーで、エンジニアはギターのTaitoくんがやっているんだよね。
Ryosei:今後、他のエンジニアさんに頼むときも要望を具体的に伝えられた方がいいじゃないですか。そのためには自分たちが勉強して、まず理解しないと求めている音は作れないと思うんです。