【第三期BiS 連載vol.15】足りないならば、足せばいい──燃ゆるチャントモンキーの胸の内

第三期BiSを追跡する連載『BiS 3度目の正直は、本当にあり得るのか!?』メンバー個別インタヴュー4周目の第1回にチャントモンキーが登場。全国12都市を巡る全国ツアー〈HEART-SHAPED BiS TOUR 1st season〉開催の延期を受けながらも、ライヴ開催が叶うその日のため、BiSの未来のため1日1日を着実に踏み締める彼女の思いとは。自らの弱さや高い壁を目の前に、いま正に奮闘中の彼女の胸の内はいかなる状況でも声援を贈る研究員たちへの感謝に燃えている。
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STUPiD (NEW TYPE Ver.) / BiS 新生アイドル研究会 [OFFiCiAL ViDEO]STUPiD (NEW TYPE Ver.) / BiS 新生アイドル研究会 [OFFiCiAL ViDEO]
INTERVIEW : チャントモンキー (BiS)

BiS個人インタヴュー4周目。新型コロナ・ウイルスにより、BiSも予定していたライヴやツアーが延期になるなか、皆さんにメンバーの声を届けたいと思い個人インタヴューを行いました。メンバーがこの期間、何をして、どんなことを考えていたのか? ライヴが待ち遠しいですが、もう少しの辛抱。それまではこちらを読んで、楽しみに待ちましょう。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 水上健汰
写真 : 大橋祐希
自分たちに足りないものはやっぱり無限にあるな
──自粛期間中、チャントは「おうち時間」的なことを何かしましたか?
チャント:そうですね。忘れらんねえよさんを聞きながら筋トレをしたり、映画やアニメを見て過ごしたりしていました。
──映画は何を観たんですか?
チャント:『言の葉の庭』で凄く泣きました。
──『天気の子』や『君の名は。』の新海誠監督の作品ですね。
チャント:靴職人を目指している高校生が主人公で、その主人公は雨の日は決まって一限目の授業をさぼって新宿御苑に行き、そこで昼間から新宿御苑でビールを飲むナゾの女性と出会うというお話なんですけど、とにかく映像が本当に綺麗で…。
※『言の葉の庭』
新海誠監督の劇場アニメーション5作目にあたる作品。舞台となる新宿御苑が精密に描かれ、作中には万葉集を引用している。登場人物の輪郭線を緑などの色で描くことによって、雨や水たまりに反射した光をハイライト的に表現し、「雨」という描写をより美麗に表現した作品。
──確かにあの映像は綺麗ですよね。
チャント:あとは、新海誠監督繋がりで『秒速5センチメートル』も観ました。その作品でも泣いたんですけど、私が泣いたのはクライマックスを勘違いしていたからなんですよね(笑)。これから見る人のために、詳しくは言えないんですけど。
※秒速5センチメートル』
新海誠監督の劇場アニメーション3作目にあたる作品。『秒速5センチメートル』は桜の花びらが落ちる速度とされており、主人公とヒロインたちの”心の距離間”が印象的な作品。

──でも、新海誠の作品は切ないものが多いので、泣きたくなる気持ちもわかります。
チャント:あとは、やっぱり「スラムダンク」にすごく感動しましたね。
──Twitterにも書いていましたね。
チャント:正直、いまこうしてライヴもできていないし、この期間に周りの人はどんなことをしているんだろうとか、周りに対して自分は「今日は全然なにもできなかったな」とか、そういう気持ちになって、すごく落ち込む日もあったんですよね。でも、そんなときにスラムダンクを見てすごく刺さりました。
──名言もたくさんありますもんね。
チャント:そうなんですよ。それで頑張らなくちゃって思って、いままでは気が向いたときにしかしなかった筋トレも、影響されてお風呂に入る前にするというのを決めて続けています。やっぱり、〈WACK合同オーディション2020〉を外で見ていて悔しかったっていうのもあります。
「“この曲と言えば”っていう振り付けを」

──今年の〈WACK合同オーディション2020〉は、当初チャントがBiSを代表して合宿に参加する予定でしたね。
チャント:渡辺さん曰く「トギーが参加したほうがおもしろそうだったから」ということだったんですけど、実際トギーが参加しているのを見て、自分だったらここまでできていなかったかもなって思いました。あとは、自分が多くのBiSの振り付けを作っているということは、BiSの振り付け自体も、結局自分が踊れる範囲の表現になってしまうんですよね。なので私が上達して、どんどんBiSの振り付けに新しいものを取り入れることができるようにならなくちゃって思います。
──そうして、BiSのパフォーマンスがどんどんすごくなっていくのをきっとお客さんや研究員も望んでいると思います。

チャント:いま、改めてBiSがはじまった頃に渡辺さんに言われたことを思い返しています。
──なにを言われたんですか?
チャント:「”この曲と言えば”っていう振り付けを作ってほしい」って言われたんですけど、やっぱり話題になるにはとても大切なことだと改めて思うんですよね。
──難しい話ですよね。
チャント:そうなんです。はじめの頃はダンスのことも詳しくないし、基本のステップなんかもなにもわからない状態だったので、そんななか考えるのは「難しすぎる……」って思っていたんですけど、振り付けの数が増えていくなかで、ちょっとずつアイデアも出てくるようになったので、何か話題になるような振り付けを打ち出したいですね。エビ反りみたいな振りを作りたい。
※エビ反り
ももいろクローバー“行くぜ! 怪盗少女”やBiS“nerve”のサビでの反り返る振り付け
辛い思いをしているであろう研究員に全部返す

──エビ反りは本当に一時代を築きましたよね。チャントは振り付けを担当しているという面もありますが、4月に公開された“IT'S TOO LATE”では渡辺さんと共作で歌詞も書いていますよね。あの曲は、いまの世の中の感じと相まってすごく心に刺さる歌詞だなと思いましたよ。
チャント:正直な話、実は私の書いた部分って多くはないんですよね。
──どの部分を書いたんですか?
チャント:大きなところで言うとBメロの「死んだら終わり なんだそれ 世界死んでるじゃん」っていう部分ですね。あと、「IT'S TOO LATE」っていうフレーズですね。
──「IT'S TOO LATE」っていう言葉も考えたんですか? これってキャロル・キングの有名な曲と同名ですよ。
チャント:えっ。そうなんですか…? なにも考えずにつけちゃいました。仮歌が違う題名だったんですけど、いまの気持ちに合いそうな英語を探してみようと思って。なので今回の曲のテーマを考えようっていう時にまず思ったのが、今回の新型コロナ・ウイルスのことについてだったんです。でもそこに対しての感情とかを上手く歌詞に書けなかったんですよね。
──新型コロナ・ウイルスの件は誰が悪いって話とかではないですものね。
チャント:そうですよね。いろいろ考えて、見たりして、そうしているうちにすごく憂鬱な気分になってしまって……。だから、実は全然違う、ニュースで見かけたいじめ自殺についてのニュースに対する気持ちを書いたんです。
──なんと!
チャント:その歌詞を渡辺さんが上手く言い換えてくれて、今回のような歌詞になりました。でも、見たときに「こういうことが言いたかったんだ」って思いました。人の曲を聴いて、その歌詞を自分に投影させたときに感じるのと似た気持ちでしたね(笑)。

──出来上がった曲を聞いてみてどう?
チャント:この曲のサビの最後の1行「今しかないものを前身全霊で届けたいのに」というところが、まさにいまの自分たちの叫びだなって思います。
──なるほど。では最後に、やっぱりみんなに会えていない期間中、会えるのを楽しみにしているのは研究員の皆さんだと思うので、研究員に対してメッセージはありますか?
チャント:こうしてライヴがなくなって、改めてどれだけ自分たちがライヴに生かされていたのかということに気が付きました。無観客で行った〈"WACK FUCKiN' PARTY"〉でも、「いつもなら、ここでみんなが手を挙げてくれていたな」とか、そういうことを考えてしまって。ライヴは皆さんがレスポンスしてくれてはじめて完成するし、そういったライヴが私をBiSにしてくれているんだなって思いました。毎回、ライヴについて悩むし、つらいこともあったんですけど、今回のこの自粛期間を経験して、同じつらさを味わうなら、絶対にみんなと会えるほうを選ぶなって思います。こうして会えない期間でも、SNSや手紙などで「会えるのを楽しみにしているよ」って伝えてくださって、こんなにも多くの人が私たちのことを考えてくれているのかと思うと、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。私からは直接気持ちを伝えられていないにも関わらず、こうして気持ちを伝えてくれる皆さんって本当にすごいです。いまはもう、次に皆さんに会えたときにどれだけ楽しませるかということしか考えていません。そしていままでライヴで助けてもらっていた分、いま、つらい思いをしているであろう研究員に全部返すというか、ぶっ壊せるくらいのライヴをしたいって思っています!

編集 : 西田 健、綿引 佑太
(2020.06.04.20:00、チャントモンキー様の記事の修正前段階のものをアップロードしておりました。大変申し訳ありません。アップされた記事は、お名前に誤りがありファンの皆様に不快な思いをさせてしまいました。謹んでお詫び申し上げます。)
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