ELEKIBASS――15年の、その先へ。5年ぶりの新作は聴く人すべてをハッピーにする珠玉のミニ・アルバム!

ELEKIBASSから5年ぶりのミニ・アルバムが到着! 昨年、結成15周年を迎えた彼ら。サイケデリック・ポップ、カントリー、ソフト・ロックなどさまざまなジャンルを取り入れた音楽性で、数回に渡るアメリカ・ツアーなど洋楽に根差した精力的な活動を続けています。今作は、フロント・マンのSakamotoが“自分に正直な音楽が創れた”とインタヴューでも語る、珠玉の7曲入り。OTOTOYでは24bit / 48kHzの高音質で配信開始、さらに「Garden Party」をフリーでお届け! ELEKIBASSの魅力が遺憾なく詰め込まれたこの一枚。煌めくサウンドを、是非とも高音質でお楽しみください。
>>Garden Partyのフリー・ダウンロードはこちらから
5年ぶりとなるミニ・アルバムをハイレゾ音源でリリース!
ELEKIBASS / Home Party Garden Party
【価格】
mp3、HQD(24bit / 48kHzのWAV)ともに 単曲 200円 / まとめ購入 1000円
【収録曲】
1. 星降る夜にきらめいて(STARLIGHT)
2. Vegetable
3. Garden Party
4. Petit Ami
5. Headliner
6. Things We Like To Do
7. Good Time Music
星降る夜にきらめいて星降る夜にきらめいて
アナログ・シングル、Sakamotoのソロ名義によるスプリット・シングル配信中!
ELEKIBASS / Garden Party EP
【価格】
mp3、WAVともに 単曲 200円 / まとめ購入 600円
【収録曲】
1. Garden Party
2. Garden Party(HIEROPHANT GREEN Remix)
3. 星降る夜にきらめいて(STARLIGHT)
4. Weekday
OkaneMonster Like This Parade / Where will you be tomorrow in case I should have to see you
【価格】
mp3、WAVともに 単曲 200円 / まとめ購入 600円
【収録曲】
1. Happy birthday and hello my song (OkaneMonster)
2. WLS (OkaneMonster)
3. Where will you be tomorrow Pt.1 (Like This Parade)
4. Where will you be tomorrow Pt.2 (Like This Parade)
>>“ELEKIBASS、15年を振り返る”インタヴューはこちら
INTERVIEW : Youichi Sakamoto

ELEKIBASSが15年を迎えた。体系を変えながら、途中で止まったりしながらも、それでもやり続ける坂本陽一の音楽を探究する力の強さに感服する。そう、バンドを長く続けるために大事なことは、音楽を楽しむことと探究し続けることだったな! 彼にインタヴューしながら、ずっとそう思っていた。
インタヴュー & 文 : 飯田仁一郎(Limited Express (has gone?))
アイデンティティってなんだろうなって考えたときに、作り続けなきゃそんなもの出ないんじゃないかなと思ったんです
――5年ぶりの新作ですね! 「星降る夜にきらめいて」を聴いて、以前よりも、ぐっと日本語詞がはまるように感じました。
初めて日本語の詞を書いたのが10年以上前かな? それまでずっと英語の曲を書いていたんですけど、試しに日本語の曲を作ってみたらメンバーに不評で(笑)。まあ、そらそうだよねって。
――なぜ?
だってほら、英語と日本語だともう響きが変わっちゃいますから。しかも、僕らは英語といってもデタラメな英語で「伝えたいこともありません」みたいな感じだったので、それが普通に日本語になっちゃったら、好きな人と嫌いな人が出るだろうなとは思います。でも、僕自身は日本語に対して憧れを持ちはじめていたし、真面目に音楽をやっている外国人の音楽に触れて、ちゃんと歌わなきゃって思うようになったんです。
――それは盟友でもあるオブ・モントリオールとか?
そうですね。かっこいい人たちやかっこいい音楽に出会うと、なにを歌っているのかが気になるようになって。歌詞カードを読んだり、言葉の意味を調べたりしてました。それからはもうちょっと僕もポリシーを持って歌詞を書こうと思うようになりましたね。あともう少し自分のルーツに寄せると、僕はNRBQがオブ・モントリオールの次に大好きで、音楽だけでいうと本当に感服してて。彼らはカヴァーが多いんですけど、聴いててオリジナルだとかカヴァーとか全然関係ないんです。「これカヴァーだよ」って言われてもなにも気にならないし、逆に、ジョン・セバスチャン with NRBQって、ジョン・セバスチャンが自分の曲を歌っているバックでNRBQが演奏したこともあったりするけど、歌ってる人が変わってるだけでやっぱりNRBQの音楽になる。あの人たち、ルーツ的にはジャズやR&B経由の音楽ですけど、歌謡曲もあるし、すごいアンビエントなアルバムもあるし、キーボードのテリー・アダムスのソロも40分ずっとノイズを出してるようなアルバムだったりするんですよ。その幅広さに、ああ、なにをやってもいいんだなと思って。
オブ・モントリオール : アメリカ合衆国のロックバンド。1996年、ジョージア州アセンズでフロントマン/ソングライターの、ケヴィン・バーンズを中心に結成された。ビートルズやビーチ・ボーイズから影響を受けたサイケデリック・ポップを基盤としつつもデヴィッド・ボウイやプリンスからの影響も大きく、エレクトロニカ、アフロビート、グラム・ロック、R&B、ファンクなど多彩なジャンルの要素が混在している。
NRBQ : 60年代後半に結成されて以来、アメリカを何周したかわからないほどツアーを繰り返している“史上最強のライヴ・バンド”。ロカビリー/50'sポップス/バーズ風のフォーク・ロック/ビーチ・ボーイズ風のハーモニー・ワークといった米国ロックのショウ・ケース的なサウンド。芸人気質あふれる楽しい仕掛けが詰まったショウでは、演奏以外に詩の朗読や、なんとカラオケまで披露する。
――それはELEKIBASSの活動の仕方にも通じるものがありますね。
そうですね。だから、さっきの日本語か英語かを考えていたときに、迷ってるのが馬鹿らしくなってきて。どんどん作りゃいいのにと。「駄作」「あのアルバムは無かったことにしたい」「この曲は今一歩」とかいろいろありますけど、それも全部出せばいい。こういう盤もあっていいじゃん! と考えるようになりました。
――全部ひっくるめて、それがELEKIBASSだと。
かっこつけて言うわけじゃないですけど、僕らは心の拠り所というか、わかりやすいアイデンティティが無いんですよね。すげー歌がうまいとか、曲があからさまにめちゃくちゃいいとか、ギターが飛び抜けてうまいとかじゃないし、すごいイケメンだとかそういうことでもない。アイデンティティってなんだろうなって考えたときに、作り続けなきゃそんなもの出ないんじゃないかなと思ったんです。だから、ELEKIBASSっていうジャンルを作るためにも、思い付いたら出すつもりでやってます。…まあ5年空けといてなにっていう話ですけど(笑)。
――今作は、作詞で徳永憲、作詞作曲でロバート・シュナイダー()、ジェイソン・ネスミス(Casper & The Cookies)が参加していますが、彼らと一緒にやろうと思ったきっかけは?
徳永憲もロバートも、知り合う前から憧れだったんです。単純に彼らの曲が好きで、影響受けてきていますから、折角だし曲を書いてほしいなって。ロバートには、ツアーで家に泊めてもらったときに「1曲かいてくれない?」って話をして。ジェイソンは、こんな素敵なミュージシャン・シップにあふれた奴がいるのか、すごいなと思って参加してもらいました。
――そのミュージシャン・シップについて、具体的に聞かせてもらっていいですか。
例えば、音楽を本当に好きでちゃんと聴いているかとか。これは目安の量とかは別にないですけど、少なくともこの人は好きなんだなって感じさせる位いろんな音楽に興味があって幅広く知ってる。で、楽器に興味がある。だから、ドラムとかベースとかコーラスとかアレンジとかに対する、彼自身のアイデンティティがしっかりある。楽器がうまけりゃいいってわけじゃないけど、やっぱり興味を持っているから、理解があるんですよね。それはレコーディングとか、音楽を続けるために生活をすることとかに対してもそうで。結局オブ・モントリオールと一緒なんですけど、尊敬できるミュージシャンだったんですよね。ロバートと徳永憲は知り合う前から知ってたんですけど、ジェイソンに関しては、一緒にツアーを回ったりするようになってとても素敵なミュージシャンだなって思ったので、彼の曲を僕が歌ったらどうなるのか、化学反応を期待してお願いしました。
いまは正直に自分の音楽が創れていると思います
――今回、すごく骨太になったと思うんですよね。ちゃんとサビがあって、グルーヴがあって、いい曲が揃ったなと思って。
そういう意味では、多分昔より音楽をやってきているんですよ。やっぱ最初は系統でくくるじゃないですか。○○っぽいバンドとか。僕らはUSインディー・フォロワーだったので「洋楽嗜好にありがちな感じ」とか言われたりして。そういうのからは早く脱却したいなと思っていたし。

――それはいつごろから?
作り続けるにつれてどんどん思うようになりましたね。僕自身も以前は音楽を媒体、シーンや国でくくっていたんですけど、もっと単純に音楽的な部分に興味が湧くようになって。自分が好きな音楽って、例えばドラムが四つ打ちが得意なバンドなのかそうじゃないのか、ギター・アンプを持ち込んでいる人たちが好きなのか、関係ねえよってJC-120(Roland製のギター・アンプ)に突っ込んでる人のほうが好きなのか、ヴォーカルがピッチを気にして楽屋で発声練習をしているようなうまい歌が好きなのか、酔っ払って関係ねえよって言いながら音外してるのが好きなのかとか、そういうところがおもしろくなってきたんです。そうなってくると、いままでのジャンルとかと別の音楽のおもしろさがあって、どちらもおもしろいよなって。
――なるほど。
作っていくなかで、どうやら僕は音程を外さない完璧なヴォーカルよりたまに音程外すぐらいのヴォーカルのほうが好きらしいとか、どうやらリズムがそこまでぴっちりオンでなくても好きで、バンドでいうグルーヴっていうのをまだ解明しているわけじゃないけど、そういうの嫌いじゃないらしいとか、少しずつ自分が明確になってくるんですよ。レコーディングも勢いじゃなくて、好きなテイストを選んでった末に完成するものだし。そうやって作っては選んでを繰り返しているうちに、僕がやりたいのってなんだっけ、サイケデリックって言われる音楽好きだけど、サイケデリックって言われる所以はどこだ? 服か? サウンドか? とか思ったりして。そうやって紐解いていくと、どうやらルーツとして自分にはブルースが少しあったりして、ヒップ・ホップのルーツにR&Bもあるんだけど、ヒップ・ホップの素養は全然自分のルーツにないらしいとか見えてくる。そういった部分で、いまは正直に自分の音楽が創れていると思います。
――この15年で自分の好みやルーツがはっきりしてきたってこと?
そうですね。ただ、10年前の作品のほうが好きって人もいますよね。好みは人それぞれなんだなっておもしろく思うんだけど、でも少なくとも10年前の僕に骨太の音楽は作れなかったんで、とても新鮮です。今回の「Things We Like To Do」はNRBQのカヴァー曲なんですけど、NRBQもチップマンクス(アルビンとチップマンクス)っていうアニメの曲をカヴァーしてるんですよね。しかもおもしろがって歌詞を変えちゃってるやつ。彼らも、もちろん少しメンバーが変わったりしてるけど、基本的にはベースと鍵盤がずっとレギュラーでいて、管楽器が入るときもあれば、セッション・バンドなのにセッションを全然してないこともあったり、いろいろ変わってていいバンドなんですよ。ああいう音楽を、僕、NRBQ以外に知らないんですね。だから僕らは日本のNRBQになりたいな。あとはやっぱり日本のオブ・モントリオールになりたい。
――やっぱり彼らへの憧れはあり続けるんですか?
あり続けます。基本、僕は憧れが原動力のタイプなんですね、きっと。
次はセルフ・タイトルで
――昨年15周年を迎えられましたが、最近のモードとしてはどんな感じですか?
楽しいですよ。スケジュールが合わなくてスタジオには4ヶ月に1回くらいしか入らないときもあるんですけど。
――4ヶ月に1回?! 曲はどうやって創っていくんですか。
僕とエンジニアさんとでパソコンでやりとりしてます。
――Junpei Kameda“JP”(ギター/その他)君ともパソコンで?
Junpei Kameda“JP”君はほとんどパソコン使えないです。ドラムは打ち込み。でも『Home Party Garden Party』に関しては、打ち込みの曲は「Garden Party」と「Tings We Like To Do」だけで、あとは生なんです。
――なるほど。じゃあもうベースもギターも全部基本Sakamotoさんなんですね?
いや、バラバラです。そのとき弾ける人で。もちろんレギュラーで弾いてもらっているミュージシャンが1番信頼をおけるので、弾けるものなら弾いてほしいんですけど、僕らは基本的にはポップ・ミュージックなので、ライヴの面白さと編集のおもしろさがあって、僕らはどのみち切り貼りするんですよ。だから、すごく上手いとかはそこまで必要なくて。
――でもライヴは、もっとやってますよね。
月イチくらいはやってますね。いま一緒にやってる人たちは本当にいいミュージシャンで、働いていたりするからリハーサルには来れなかったりするんですけど、本番ではきっちり合わせてくれる。そのミュージシャン・シップはとても楽しいです。
――リハなしで合わせられるのはすごいですね。
だからといってバリバリのジャム・バンドのつもりは全くなくて、僕らがやってるポップ・ミュージックは、ルーツ色もずっと残ってるので、いわゆるセッションがちゃんとできるんですよね。ここ2年ぐらい、忙しくなってバンドとして動きにくくなったとき、僕は結構ブルース・セッションに行ったりもして。そこでブルースのスタンダードを演奏するんじゃなくて、ELEKIBASSの曲を無理矢理やったりする。ちょっと入ってくださいよって言うと、意外にみんな合わせてくれるんですよね。コード4つ使ったりするのに(笑)。なんかね、そういうのが楽しくなっちゃいました。
――ブルース・セッションに行って練習しているんだ?
練習ってほどではないですが、演奏もせずに楽しむこともありますよ。セッションって、セッション・リーダーみたいな人が「じゃあ次ベース、サカモトさん、ドラム、○○さん、ギター、○○さんでお願いします」みたいな感じで指名していって、はじめましての人たちが「とりあえずあの曲わかります? じゃあそれで」「あっ俺知らないです」「じゃあ跳ねて打ってください」みたいな感じでやりとりするんですけど、それがおもしろいんですよ。
――めちゃくちゃ実力が試されるじゃないですか。
まあ、確かにある程度弾けないと駄目ですけど。僕より歳上の人が多くて、すごい楽しそうにやるし、僕がギター・ソロができなくて、単音をずっと弾いてたりするのも楽しんでくれるんです。
――Sakamoto君自身の充実度を感じました。今後はどんな活動を予定しているのでしょうか。
フル・アルバムを出したいと思っています。次はセルフ・タイトルでいきます!
――『ELEKIBASS』。遂に!
ずっと活動してきてて、常にあるんですよね。「もうこれで終わりじゃない?」「やめる? 田舎帰る?」っていうのが。だから自分のなかで、次が最後になってもいいようにセルフ・タイトルにしようと思う。とか言いつつ、また調子に乗っていっぱい作りたくなるんですけどね(笑)。
ELEKIBASSの過去作をチェック!
LIVE INFORMATION
ele-king presents『of Montreal Japan Tour 2014』
2014年1月28日(火)@渋谷O-WEST
OPEN 18:00 / START 19:00
w/of Montreal
前売 \5,000 / 当日 \5,500
・チケットぴあ [P:213-275]
・ローソンチケット [L:77039]
・e+ イープラス
livehouse nano 10周年月間STARTING PARTYmeets mogran’BAR 10th anniversary
2014年3月2日(土)@KYOTO MUSE
OPEN & START 15:00
w/シャムキャッツ、ザ・シックスブリッツ、Turntable Films
前売 \2,500 / 当日 \3,000
DJ : 田中宗一郎(club snoozer) / ヒサシ the KIDS(THE BEACHES) / 西村道男(Nur) / タイラダイスケ(FREE THROW) / 佐々木健治(新宿Rolling Stone) / mogran’BAR crew
VJ : 山本和世 / Tr3
PROFILE
ELEKIBASS
Sakamoto Youichi(Vo,Gt)、Kameda Junpei"JP"(Gt)
サウンドはハッピー。ライヴはパーティなバブルガム・バンド、ELEKIBASS。ゆるいサウンドとは裏腹にライヴ活動は骨太でオブ・モントリオールと数回のアメリカ・ツアーや2007年のアセンズのポップ・フェスではダニエル・ジョンストンとの競演や、ツアーで一緒になったブラックキッズ、キャスパー・アンド・ザ・クッキーズと交流。特にELEKIBASSがフェイバリットにあげるザ・アップル・イン・ステレオのロバート・シュナイダーがケンタッキーでのライヴを見て、感激しほれ込むなどアメリカのインディ・ロック・シーンでの活躍は目覚しい。国内ツアーはもちろん、台湾最大フェスへの参加や、数回にわたるアメリカ・ツアーで培われてきたエンターテイメントなライヴは必見。