【BiSH】Episode67 ハシヤスメ・アツコ「いい意味で強くなりすぎちゃった自分が嫌です(笑)」

2018年3月発売のメジャー3rdシングル『PAiNT it BLACK』がオリコン・ウィークリーチャート1位を獲得、日本レコード大賞新人賞を受賞し、幕張メッセ9・10・11ホールにて1.7万人を動員した単独ワンマン公演〈BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL “THE NUDE”〉を成功させた"楽器を持たないパンクバンド”BiSH。2019年7月3日、メジャー3rdアルバム『CARROTS and STiCKS』をリリースするBiSHに10周目となる個別インタヴューを敢行。第4回は、ハシヤスメ・アツコの声をお届けする。
BiSH、待望のメジャー3rdアルバムをハイレゾ配信
INTERVIEW : ハシヤスメ・アツコ

「LiFE is COMEDY TOUR」にてハシヤスメ・アツコは、強烈な彼女しかなしえないポジションを手に入れてしまった! 「喋り」と「ボケ」を一手に引き受けた彼女が目指しているのは、初期から変わらずにちゃんと自分が目立つことや役者にトライすること…… なはずなのに、何かが違う気がするのが、彼女の最高なところだ。彼女のおかげで、BiSHはさらに唯一無二の存在になった。大阪城ホール楽しみだー!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 井上沙織
写真 : 外林健太
ひとりだけ衣装違うし、完全に座長でしたね
──〈LiFE is COMEDY TOUR〉は楽しかったですか?
ハシヤスメ : 大変でしたね。3ヶ月間、毎日コントを考えてました。
──今回のツアーではコントがピックアップされてましたもんね。
ハシヤスメ :もともとBiSHでコントを始めた理由として、間や空気感をコントで学んでいこうというのがあって。今回のツアーではそのベースを残しつつ、もうひとつ成長するために構成を考えるようになりました。

──アドリブじゃなくて?
ハシヤスメ : 基本的にはアドリブなんですけど、アドリブだけだと対応しきれない部分も多いので、ツアー中盤からはある程度基本的な流れを考えるようにして。あと、もっとメンバーと話し合って捏ねたほうが面白くなると思ったので、リハーサルの30分くらい前に集まって話し合うようにしました。私はでかいボケを3つ考えて持っていって。
──ボケを3つ!
ハシヤスメ : そこからメンバーと話し合ってちょっと変えてみたり、時事ネタを入れてみたり。日によってはボケが思いつかないときもあって、そういうときはメンバーに相談して一緒に作っていきましたね。
──〈LiFE is COMEDY TOUR〉を経てどんな変化がありましたか。
ハシヤスメ : BiSHとしてのコミュニケーションはよくなったと思います。今回のツアーで自分をさらけ出したし、メンバーに踏み込むようにもなって。この3ヵ月で、メンバーのいいところやキャラクターもファンの人に伝えられたのかなって思いますね。コントでもちゃんとキャラ設定をしていて。チッチ、アユニのツッコミペア。アイナ、リンリンの何をするか分からなくて引いてるペア。私とモモちゃんのペア。6人それぞれに役割があるので、なるべくそこを崩さないように作っていましたね。
──コントはハシヤスメが仕切ってたんですね。
ハシヤスメ :ひとりだけ衣装違うし、完全に座長でしたね。やっぱりプロのお笑い芸人さんはすごいんだなって思い知らされました。人によって笑いのツボは違うから、私はAで行きたくても、他の人はB、もう1人は新しい案を出してきたりして、結局何を信じていいのか分からなくなることもあって。リハーサル時間を過ぎてもコントが決まらなくて、ギリギリまで揉めたりしたこともありました。
ついにジャスティンビーバーに見つかるなって
──思い出深いツアーになったんじゃないですか。
ハシヤスメ : そうですね。「ア・ラ・モード」を聴くたびに思い出します。
──初のソロ曲、ツアーファイナルではマッチョまで登場してきました(笑)。
ハシヤスメ : マッチョは人を笑顔にさせるから素晴らしいなと思いました。マッチョ29さんのテーマが「筋肉で笑顔にさせる」で、みんな笑顔になっていてまさにその通りだなって。去年の秋頃に「BiSHで次にこういう曲をやったら面白いんじゃないですか? もしBiSHでできなかったら私ひとりではどうですか?」って提案したんですよ。
──えっ、ハシヤスメからの提案だったんですか!?
ハシヤスメ : 夜中に音楽を漁ってたら「恋のマイアヒ」みたいなノリでギャルのお姉さんとかがたくさん出てる海外のMVを見つけたんです。私ギャル好きだし、ここにマッチョを登場させたらめちゃめちゃ面白いんじゃないのかなと思って、まだソロの話もなかったけど、渡辺さんに伝えて。気づいたら決まっていましたね。できてよかったです。

──完成した曲を聴いたときの第一印象はどうでしたか。
ハシヤスメ : スルメ曲だと思いました。聴けば聴くほど、これはやばいって思えてくる。「PPAP」になっちゃうなと。ついにジャスティンビーバーに見つかるなっていうワクワク感が出てきましたね。
──ジャスティンビーバーにはまだ見つかっていないですよね?
ハシヤスメ : そうですね。リプを今から送ろうかなと思ってます。
壊れたラジオから流れてくるような歌い方にしてみたり
──『CARROTS and STiCKS』はどんなアルバムになりましたか。
ハシヤスメ : 今のBiSHを全て出せた、すごくいいものができたなって思います。昔からのファンの方も、最近ファンになった方も、キレイめな曲を好きな人も、ロックテイストで強い曲が好きな人も、両方満足できるプレート? 定食? みたいなアルバム。BiSHにしかできない振り切り方だと思いますね。
──アルバムで印象的な曲や好きな曲は?
ハシヤスメ : 「アイデンティティ」と「GRUNGE WORLD」が印象的でした。BiSHってこのエモい感じが似合うなって。あと個人的には「遂に死」がすごく好きです。デモの段階でも、レコーディングしてても、「久々にこういうタイプの曲がきた! やった!」って思ってましたね。歌い方も壊れたラジオから流れてくるような歌い方にしてみたり。
──これ、リスナーからすると誰が誰の声か分からないですよ。
ハシヤスメ : 正直、最初の方は分からなかったです。今はもちろん分かりますけど、振り付けの段階で「これどっちだろう? これモモコ? いやチッチじゃない?」ってメンバーでも分からなかったときもあって。
──ライヴでの「遂に死」や「FREEZE DRY THE PASTS」は迫力がありますよね。

ハシヤスメ : 「FREEZE DRY THE PASTS」はライヴで完成したなって思います。椅子に座る人がリンリンでよかったですね。リンリンは元々己があったけど、さらに最近存在感が出てきて。あとアイナって全員をちゃんと前に出してくれてるじゃないですか。「FREEZE DRY THE PASTS」はリンリン、「CHOP」だったらモモコさんが前に出るような振り付けになってる。ちゃんとアルバムの中で1人ひとりをピックアップしてくれてるのが好きですね。
──ハシヤスメが前に出る振り付けはあるの?
ハシヤスメ : 今のところないですね。私は勝手に「O・S」かな? って思ってるんですけど。アルバムの中でどれが私の主役曲になるんだろうってワクワクしてます。
──ハシヤスメさんはそういうの気にしますもんね。歌割りとかも。
ハシヤスメ : 気にしますね。私は目立ちたいので、やっぱり1秒でも長く歌っていたいし、前にいたい。
──僕はハシヤスメさんのそういうところが大好きですよ(笑)。
ハシヤスメ : ありがとうございます(笑)。
もっとひとりで仕事ができるように頑張りたい

──〈LiFE is COMEDY TOUR〉のコントでひとつ役割は果たしたと思うんですけど、次はどんなことがやりたいですか。
ハシヤスメ : BiSHの目標は東京ドームっていうのはもちろんあって、個人としてはもっとひとりで仕事ができるように頑張りたい。1人ひとりしっかり独立すれば、BiSHはもっと良くなると思っているので、もっと勉強してそういう人にならないといけないなってずっと思ってますね。最近はテレビを見て「なるほど、○○さんはこういう感じでやるのか」とか思いながら発言をメモったりしてます。番組にたくさん出たいし、舞台も好きだから舞台系の仕事もやりたいっていう目標もありますね。
──次のツアーでもコントの見せ場はあるんでしょうか? あの時間は本当に最高なので是非見たいです。
ハシヤスメ : まだわからないですね。ライヴレポで「15分間、笑いが一切なし」って書かれてましたけど(笑)。
──それに耐えられるのがすごいんですよ!
ハシヤスメ : バカリズムさんにその話をしたら「そんな状況になったら僕は舌を噛み切って死にます」って言われましたね。いい意味で強くなりすぎちゃった自分が嫌です(笑)。
──ははは(笑)。大阪城ホール・ワンマン、どんなライヴにしたいですか。
ハシヤスメ : もしコントがあるならすべりたくない(笑)。関東以外で初のアリーナ公演なので客席を埋めたいし、いいものを見せたいですね。アルバムの初披露の曲ができたらいいな。絶対成功させたいです。

前回の記事はこちら
LIVE INFORMATION
And yet BiSH moves.
2019年9月23日(月・祝)@大阪城ホール
時間 : Open 17:00 / Start 18:00
チケット料金 : SOLD OUT
S席 : 15,000円(税込)
A席 : 7,000円(税込)
B席 : 3,500円(税込)
一般発売日 8月17日(土)AM10:00~
NEW HATEFUL KiND TOUR
2019年10月5日(土)@埼玉 サンシティ越谷
2019年10月13日(日)@熊本 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
2019年10月14日(月・祝)@福岡 福岡サンパレスホテル&ホール
2019年10月18日(金)@京都 ロームシアター京都
2019年10月22日(火・祝)@静岡 沼津市民文化センター
2019年10月27日(日)@香川 レクザムホール
2019年11月3日(日)@愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2019年11月4日(月・祝)@愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2019年11月9日(土)@愛媛 松山市民会館
2019年11月14日(木)@東京 オリンパスホール八王子
2019年11月16日(土)@山口 周南市文化会館Z
2019年11月17日(日)@広島 上野学園ホール
2019年11月23日(土)@石川 本多の森ホール
2019年11月24日(日)@長野 ホクト文化ホール・大ホール
2019年11月29日(金)@神奈川 相模女子大学グリーンホール
2019年12月4日(水)@東京 東京国際フォーラム
2019年12月7日(土)@北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2019年12月13日(金)@宮城 仙台サンプラザホール
2019年12月14日(土)@岩手 盛岡市民文化ホール(大ホール)
2020年1月10日(金)@兵庫 神戸国際会館こくさいホール
2020年1月11日(土)@大阪 オリックス劇場
2020年1月18日(土)@栃木 宇都宮市文化会館
2020年1月22日(水)@東京 NHKホール
2020年1月23日(木)@東京 NHKホール
※ダイブ・リフト・サーフ禁止
チケット料金(税込)
通常チケット :
S席 7,000円(税込)
A席 3,500円(税込)
年齢制限/ 未就学児童入場不可
受付URL
PROFILE
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなる楽器を持たないパンク・バンド。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。ツアーは全公演即日完売。1stシングルはオリコン・ウィークリーチャートで10位を獲得するなど異例の快進撃を続けている。