AFRA × 滞空時間 × KEN ISHIIが交わる祝祭——声、ガムラン、電子音が渦巻くトランス空間を"最高音質"で!!

サウンド & レコーディング・マガジン主催のDSD一発録り企画「Premium Studio Live」、その第8弾となる『sukuh-psy 祝祭』が配信開始。ガムランをはじめ様々な楽器を操るユニット滞空時間、そして日本を代表するヒューマン・ビートボクサーのAFRA、さらにはスペシャル・ゲストとして"テクノ・ゴッド"ことKEN ISHIIが参加し、タイトル通りの祝祭空間を作り上げた。西洋と東洋、伝統と革新、アコースティックとエレクトロニックを自由に行き来する異色のトランス空間を、DSD & ハイレゾでリアルに追体験してほしい。飯田仁一郎(OTOTOY編集長)のコメント、そして作品のレヴューとともに、プリミティヴで生命力に満ちたこの祝祭に身を投じよ!!
ガムラン meets ヒューマン・ビートボックス & "テクノ・ゴッド"
生命力に満ちた異色のトランス空間を"最高音質"で
AFRA+滞空時間 with KEN ISHII / sukuh-psy 祝祭
【配信形態】
[左] DSD(1bit/5.6MHz) + mp3
[右] ALAC / FLAC / WAV / AAC (24bit/48kHz)
※DSDの聴き方
※ハイレゾとは?
【価格】
2,000円(税込)(まとめ購入のみ)
【収録曲】
01. BENAYA BENAYA
02. WECHIKEPE
03. 夜這唄
04. WALAK ELELE
05. AWE
06. APPA ULEH ULEH
Planning & PA 金森祥之(OASIS)
Recording Engineer 昆布佳久(OASIS)
Recorded by TASCAM DA-3000(×6)
Recorded at Spiral Hall
現場に立ち会ったOTOTOY編集長、飯田仁一郎のコメント
『sukuh-psy 祝祭』のDSDヴァージョン(5.6MHz)を聴いた。誤解を恐れずに言うと、音源の方が良い(笑)。Spiral Hallで行われたこの日のセッション、もちろんAFRA、滞空時間、KEN ISHIIという凄腕ミュージシャンが集ったのだから、LIVE的な臨場感が素晴らしいのは言うまでもないが、半円に囲むような形で客席が創られていたため、"音"という意味では、筆者の場所はちょっと残念だった。実際、KEN ISHIIが何をしているかは、会場ではよくわからなかった。けれども、この音源...。全員がリズムを刻み、全員が各々の楽器で暴れ歌う! そんな混沌とした祝祭空間=祝祭のグルーヴが見事に表現されているのは、何よりも音がクリアだからだ。ここまで良い音で各楽器が録れているのは、プランニングを担当した金森祥之、レコーディング・エンジニアの昆布佳久、TASCAM DA-3000、そして各ミュージシャンの実力の賜物なのだろう。そして、この音をイメージしていたSound & Recording Magazineのプロデューサー、國崎晋はただものではない。(text by 飯田仁一郎)

人類の音への探求心とその歴史を繋ぎ合わせるかのように鳴らされる音
どこかで聴いたことがあるようで、一度も聴いたことのない音楽。時間軸や国境、伝統を飛び越えて奏でられた、AFRAと滞空時間、そしてKEN ISHIIによる特別な一夜をパッケージングしたこの音源。滞空時間の奏でるガムラン音楽、すなわち民族音楽やワールド・ミュージック的な要素だけを想像していると、それはあっという間に覆されるだろう。

1曲目の「BENEYA BENAYA」の冒頭こそガムランの音から始まるが、しばらくするとぶっといベース・ラインと、AFRAの性急なビートボックスが聴こえてくる。そこに滞空時間のヴォーカル陣が歌う何語とも分からぬ歌声が加わると、いつの間にかグルーヴの沼へ。2曲目の「WECHIKEPE」は、1曲目で生まれた勢いとグルーヴを更に上へと押し上げていくガムランの連打が印象的。3曲目の「夜這唄」はテンポを落とし、静かに世界観を作り上げていくが、7分を過ぎたあたりからにAFRAのビートボックスとヴォーカル陣のヴォイス・セッションへと発展していく様がとてもスリリングだ。

4曲目「WALAK ELELE」を挟み、いよいよここからKEN ISHIIの登場。12分近くにも及ぶ大曲「AWE」は、不穏なシンセ・ベースの音にじわじわとガムランの音が絡み付き、そこにAFRAのビートボックスが乗っていく。大爆発こそないものの、この淡々と進む音が何とも言えないトリップ感を醸し出す。そしてラスト「APPA ULEH ULEH」。前の曲ではお休みしていたヴォーカル陣も加わり大団円へ。最も原始的な楽器である"声"と、古来から用いられてきたガムラン、そして電子楽器と人類の音への探求心とその歴史を繋ぎ合わせるかのように鳴らされる音は、"祝祭"の結末にふさわしい。

まだまだ続きそうなところでフッと終わってしまうあたりが、実際の祭りの幕切れのようである。でもこの祭りはいつでも再現できる祭りだ。どこでもないような、でもどこかにあるようなそんなところに行きたくなったとき、これを再生してほしい。(text by 高木理太)
All Photos by Yukitaka Amemiya
RECOMMEND
バリ島の伝統的な青銅打楽器、ガムラン。滞空時間は、この楽器を中心にさまざまな音楽のエッセンスを取り込み、単なる伝統音楽の再演に留まらず、それ以上のモダンな響きのポップ・ミュージックを作り出している音楽集団だ。そんな彼らが東南アジア・ツアーを経て完成させた2ndアルバムをOTOTOY独占配信中!!
OOIOO / GAMEL
これまでにOOIOOが培ってきた独自の強烈な「訛り」を100%継承しつつ、新たに古の伝統楽器「ガムラン」を全面にフィーチャーした、前作までとは一線を画す新たな次元の音楽。いわゆるロック・バンド的なアンサンブルでは決して生み出すことができない複雑なテクスチャーと、ガムランの豊かな倍音成分がもたらす不思議な浮遊感を堪能あれ。滞空時間の川村亘平斎も参加。
音楽で世界を旅しつづけるKEN ISHIIが綴る、ときに詩情的で自由なマインドが散りばめられたエレクトロニックなサウンド・スケッチ。その自由なマインドが惜しげもなく発揮されたこのアルバムは、彼ならではのイマジネーションが至るところに散りばめられている。
Sound & Recording Label
PROFILE
AFRA
2004年、FUJI XEROX CMで一躍お茶の間の話題になったヒューマン・ビートボクサー。日本にヒューマン・ビートボックスを広めたパイオニア的存在。1996年にNY、セントラルパークで見たThe RootsのビートボクサーRahzelのパフォーマンスに衝撃を受け独学でビートボックスを始める。高校卒業後NYへ単身渡米、映画「Scratch」出演や、唯一の日本人として出演したビートボックス・ドキュメンタリー・フィルム「Breath Control」などを通して日本のコアなファンにも強烈に存在をアピール。2003年、日本人初のヒューマン・ビートボックス・アルバムとなる1st Album「Always Fresh Rhythm Attack」をリリース。2004年、プロデューサーにPrefuse 73を迎え2nd Album「Digital Breath」をリリース。2005年以降、啓、K-MOONとのヒューマン・ビートボックス・バンド「AFRA & INCREDIBLE BEATBOX BAND」として活動開始。1st Album「I.B.B.」、2nd Album「World Class」、数多くの海外ライヴを収録した映像作品「World Tour」をリリース。2009年10月、楽器を使わず身体から出る音のみで作られた3rd Album「Heart Beat」をリリース。2012年、曽我部恵一とのコンビで名曲群をカヴァーした「listen 2 my heart beat」をリリース。スペイン「SONAR 2005、2006」、オーストラリア「BIG DAY OUT 2006」、ノルウェー「numusic2006」ほか世界各地の音楽フェスティバルに出演し、FUJI XEROXのテレビCMやadidas Originals 09SSの全世界キャンペーンCMなどにも出演している。
>>AFRA Official HP
滞空時間
インドネシアの青銅打楽器【ガムラン】と【影絵】を駆使して、唯一無二のパフォーマンスを繰り広げる芸術家・川村亘平斎のソロ・ユニット。都市と土着が融合した新たなお祭り空間は、日本のみならず世界中から熱い支持を受けている。2012年インドネシア / マレーシア2カ国ツアーを成功させ、2013年に2nd album『RAINICHI 来日』を発表。「架空の南の島で行われたお祭りの一夜」をコンセプトに作られた今作は、小山田圭吾(cornelius)、木津茂理(民謡歌手)など豪華ゲストが参加、音楽シーンに強烈なインパクトを与える。また、鎌倉宮薪能では細野晴臣らと共演し絶賛される。ライヴ・ゲストに、小山田圭吾(cornelius)、オオルタイチ、木津茂理、AFRAを呼ぶなど、常に変化し続ける彼らのお祭り騒ぎから、ますます目が離せない。西はアフリカ東は日本、広がる海のシルクロード、移ろい繋がる音と影。AYO!!!!SELAMAT JALAN!!!!!
>>滞空時間 Official HP
KEN ISHII
’93年、ベルギーのテクノ・レーベル「R & S Records」からデビュー。イギリス音楽誌「NME」のテクノ・チャートでNo.1を獲得、その名を世界に知らしめる。’95年、アルバム『Jelly Tones』(R&S/SONY)をリリースし、大ヒットを記録。’96年には、『Jelly Tones』からのシングル「Extra」のビデオクリップ(映画「AKIRA」の作画監督 / 森本晃司監督作品)が、イギリスの“MTV Dance Video Of The Year”を受賞。日本人として世界に通用する音作りができるパイオニア的存在として、ワールドワイドで高い評価を得ている。’98年、長野オリンピック・オフィシャル・テーマのインターナショナル版を作曲、世界70カ国以上で常時オンエア。2000年には、アメリカのニュース週刊誌「Newsweek」で表紙&巻頭インタヴューを飾る。同年、織田裕二主演の映画「WHITEOUT」の音楽を制作。アーティスト、DJ、プロデューサー、リミキサーとして幅広く活動し、最近は1年の2/3もの時間をヨーロッパ、アジア、北/南アメリカ、オセアニア等、海外でのDJで過ごし、まさにインターナショナルなアーティストとして活躍している。’04年スペイン・イビサ島で行われているダンス・ミュージック界最高峰の「DJ Awards」で“Best Techno DJ”を受賞、名実共に世界一を獲得。また、愛・地球博で日本政府が主催する瀬戸日本館の音楽を担当。今や彼の才能は全世界に知れ渡り、留まることを知らない。’06年11月にはアルバム『SUNRISER』をリリース。ダンス・フロアで機能することを追求した別プロジェクト、FLRでのリリース(REEL MUSIQ)も重ねている。
>>KEN ISHII Official HP