2023/07/28 12:00

ドラマー、鈴木りゅうじが歌う理由とは?──ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」で手に入れた無限の可能性

鈴木りゅうじ

ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」が今年3月に開催した〈17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM 楽曲収録権争奪戦!!〉。このオーディションを勝ち抜いたライバー10組のオリジナル曲を収録したコンピレーションアルバムがリリースされた。前作に続き今作の楽曲収録権も勝ち取った鈴木りゅうじは、ドラマーとして活躍するほか、ラップユニット、S.Dragon-Erではヴォーカルを担当、さらにソロアーティストとしても楽曲をリリースするなど幅広く活動している。ドラム一筋だった彼は、なぜシンガーの道も選んだのか? さまざまな表情をもつ、鈴木りゅうじの多彩なアーティスト性を探る。

「17LIVE」公認ライバー10組によるコンピレーション第2弾!


ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」とは?

"人と人のつながりを豊かにすること。"をミッションに掲げる「17LIVE(イチナナ)」は、世界で5,000万以上のユーザーを有する日本最大級のライブ配信プラットフォーム(2023年2月時点)。ひとつの空のもと、七つの大陸を舞台に、ライバー(配信者)とリスナー(視聴者)が「今この瞬間」を共有し、リアルタイムで喜びや感動を分かち合える世界を目指している。

INTERVIEW : 鈴木りゅうじ

鈴木りゅうじ

日本最大級のライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」によるコンピレーション・アルバム第2弾、『17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM』が6月21日にリリースされた。今年3月に行われたアプリ内イベント〈17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM 楽曲収録権争奪戦!!〉に勝ち抜いたライバー(ライブ配信者)10名のオリジナル楽曲が1曲ずつ収録されており、それぞれの個性が光るバラエティに富んだ1枚となった。

本稿ではアルバムのリリースを記念して、参加アーティストのひとりである鈴木りゅうじにインタビュー。17LIVEとの出会いをきっかけに、ひとつひとつ夢を叶え続けている彼はいま、なにを考えているのだろうか。10歳からドラムをはじめ、現在ではシンガーとしても活動するようになった鈴木りゅうじの本音に迫る。

取材・文 : 坂井彩花
撮影 : 作永裕範

当時はスマホに向かってしゃべるなんて「無理かな」と思っていた

──そもそも音楽のルーツは、どなたですか。

最初に買ったCDはRIP SLYMEさんの「JOINT」で、小学5年生のときでした。そこからORANGE RANGEを聴くようになり、バンド活動がはじまった中学生からはBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATION、L’Arc〜en〜Cielをひたすらコピーしてたなぁ。ダンスをはじめてからは、よくわからない洋楽を聴くようになって。大学生になると、クラブミュージックを聴くようになりました。音楽の入り口はJ-POPやJ-ROCKなんですけど、ルーツがどこにあるのかは不明です(笑)。

──ドラムをはじめられたのは、いつ頃ですか。

父の影響で、10歳のときにはじめました。叩きたい曲があったというより、とにかくドラムを叩くことが好きだった感じなので、ずっと基礎練習をしていましたね。音楽に合わせて演奏するようになったのは、はじめてから3年後くらいでした。

──音楽の道を志したのは?

大学を卒業する頃には「音楽をやりたい」と思っていましたね。就活のキャリアセミナーの人に「バンドマンします」と話して、青ざめた顔をされたことも(笑)。「この道で食べていきたい」というよりは「これをやっていきたい」というマインドだったので、こういう形になっているのは、ありがたいです。

──どういった経緯でライバーをスタートさせたんですか。

お世話になっている音楽事務所に、まだ黎明期だった「17LIVE」から「ライバーを募集している」と声がかかったんです。それが2017年かな。当時はスマホに向かってしゃべるなんて変でしたし、「無理かな」と思っていました。まるで悪いことでもしているみたいに、こっそり活動していましたね。

──どこかで「これはやっていけるぞ」と思えたターニングポイントがあったんですか。

3ヶ月目になると、アルバイトと同じくらいの収入を配信で得られるようになり、ライバーとしてやっていけそうな兆しが見えてきたんです。そこで「アルバイトも配信もやりきって、この1ヶ月で絶対に収入を逆転させよう。自分のやりたいことで生活ができるようになろう」と決めて。30万くらい借金をしてドラムセットを買い、思い切って配信セットを作っちゃいました。環境を整えたうえで、昼はラーメン屋、夜は配信、深夜はコールセンターというサイクルの1ヶ月間を経て、ライバーに転身しました。

──その頃は、配信時間が夜だったんですね。

朝7時からの配信をはじめたのは、2021年くらい。それまでは本当に時間にだらしない配信者でした。「何時から配信する」って告知をしたことはないし、「これからやります」って言っておきながら、3時間後にスタートするとかも珍しくなくて。不定期で超ルーズだったので、あの時期を支えてくれていたみんなには、どんなに謝っても謝り足りないですね。

──時間を決めて配信するようになって、なにか変わったことはありましたか。

繋がりの強さはもちろん、規模感や集まり具合もぜんぜん違いました。不定期でやっていた頃って、真剣に応援してくれている人が、すごく少なかったんですよ。たまたまフラッと来た人が「おもしろいな、コイツ」みたいなノリで、ギフトを投げてくれる感じ。でもいまは、真剣に向き合ってくれていたり、日課にしてくれていたりする感覚があります。ちゃんと時間を決めて守ることが大事なんだと改めて知りました。


──固定配信をしていると時間調整が大変かと思いますが、スケジューリングはどうしているんですか。

基本的には、やっぱり朝7時から10時の配信がベースです。出張などで家にいられない場合は、そのときにしか見られないスマホ配信ができるように工夫しています。僕も頑固なので、以前は出張先に新しいドラムセットを買って送ったこともありましたが、最近は「いつもカチッとした配信をしているし、たまにはスマホもありかな」と思えるようになりました。ちょっとだけ柔らかく考えられるようになったかな。

──出張先に新しいドラムセットを用意したことがあるんですね。

配信のお仕事で、北海道へ11日間出張しなければならないことがあって。「11日間も配信できないなんて無理!」と思い、自宅と同じセットを事前に全部購入して北海道に送り、現地のスタジオで組み立てたことがあります。200万円くらいかかりましたし、セットを組むだけで3日かかりました(笑)。

──そんなに時間がかかるんですか……。

そうなんです。実は3年ぶりにスタジオをアップデートしようと計画しているんですけど、それも同じくらい時間がかかる気がしていて。いまのセットを一旦全部解体するので、大丈夫かなっていう(笑)。

──あれだけ豪華なセットでも、まだアップデートの余地があるんですね。

クリアしたい課題を見つけたんですよ。「鈴木りゅうじってこれだよ」と、そのまま持っていっても大丈夫なセットにするというのが、今回のテーマ。生ドラムと同じ配置やインチの電子ドラムにバージョンアップして、電子ドラムで生ドラムを再現しようとしています。以前、西川貴教さんの現場へ入ったとき、生ドラムを用意していったんですけど、電子ドラムでの演奏を期待されていたみたいで。「僕のイメージは電子ドラムなんだな」と感じたので、ライブでも使用できる配信用セットを組みます。実現できたら、またひとつ上の世界が見える気がしているし、個人的にも楽しみです。

スタジオのドラムセット

この記事の編集者
梶野 有希

1998年生まれ。誕生日は徳川家康と一緒です。カルチャーメディア『DIGLE MAGAZINE』でライター・編集を担当し、2021年1月よりOTOTOYに入社しました。インディーからメジャーまで邦ロックばかり聴いています。

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ただ、承認されて自立していたい──励ましもせず、突き放しもしないステレオガールのアティテュード

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イズミカワソラ×ニラジ・カジャンチ ── 新作『Continue』の意外な制作過程を語る

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出発点である自分と向き合うきっかけに──ミクロを意識したJYOCHOの新作

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1万通りの1対1を大切にするpolly──つぶれかけていたロマンを再構築した新作

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理想郷は自分たちで作っていく──ひとつの“カルチャー”を目指すバンド、the McFaddinの新作EP

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これも、あれも、全部YAJICO GIRL──新作EPから聞こえる数々の好奇心

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音楽ライターがオススメする〈FRIENDSHIP.〉の注目作品(2021年10月〜12月)

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バンドサウンドの必然性を深く問う新作──étéが鳴らす、流行へのカウンター

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原動力は「なにかを壊したい」という気持ち── 光と影が交差する、イズミカワソラの歩み

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PEOPLE 1 『PEOPLE』クロスレビュー  ── 集団として闘い、大衆を救う決意

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余白を楽しみつつ、ストレートな表現へ──Helsinki Lambda Clubのリアルなモードに迫る

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The fin. 『Outer Ego』クロスレビュー  ── 主観と客観を行き来する、普遍的なポップ・ミュージック

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“あなた”がいるからこそ綴られた、足立佳奈の言葉

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初ミニ・アルバムのテーマは“脱出ゲーム”!? ── ポップで攻撃的な5人組、あるくとーーふの全貌

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ポップなPARIS on the City!が、泥臭いロック・サウンドに振り切るまでの歩み

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ギタリストではなく、ひとりのアーティストとしての表現──25曲で語るDURANの人間性と感受性

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BALLOND'ORの止まらぬ鼓動! ── 国内外から注目を集めるサウンドの生まれ方

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キュートだけじゃない! さとうもかの新作『WOOLLY』が描く、リアルでちょっとビターな共感

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京都から現れた、あえて言おう“すごいバンド“! WANG GUNG BAND!!!

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谷口貴洋はどのように育ったのか?ー自由で冷静な人間性の生まれ方

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ネクストモードなEmeraldが伝える制作の秘訣──10年間で培ったバンドサウンドの楽しみ方

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日米韓を跨ぐR&BシンガーソングライターVivaOla──シェイクスピアを参考にした初のフル・アルバムが描くストーリー

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謎多きアーティスト・マハラージャン──2つの新作から浮かび上がる人物像とは?

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Laura day romanceがたどり着いた新局面──対照的なふたつの新作から鳴る輝きと情緒

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ドレスコーズ志磨遼平がピアノで描く孤高と反抗──コンセプチュアルな新作『バイエル』に迫る

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自分のドキュメンタリーを音楽で表現する──新作『はためき』に込めたodolの祈り

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「音楽って宇宙みたいなもの」──大柴広己の真髄に触れた新作『光失えどその先へ』

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「人のためになれるような作品ができました」── 愛はズボーンが2つの新作で提示するアルバムの楽しみ方

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パワー・ポップを愛する者へ───Superfriendsのルーツと現在地が反映された新作ミニ・アルバム

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[インタヴュー] 鈴木龍二(fr. S.Dragon-Er), 鈴木龍二(fr.S.Dragon-Er)

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