OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.142
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
音と色が繋がるとき
コロナ禍になって、趣味が増えました。なかでも、いちばん好きになったのが絵を描くこと。表現の世界には、決まりごとがなくていいなといつも思います。高校生が美大を目指す漫画『ブルーピリオド』の「あなたが青く見えるならりんごもうさぎの体も青くていいんだよ」という言葉の通り、自分次第でどんな景色もみることができるってとても素敵ですよね。
これは音楽にも通じることであると思うし、だからこそ曲を聴きながら絵を描くことは楽しいのだと最近気がつきました。楽器と筆が一緒に踊っている感覚というか、非現実的な空間へ連れて行ってくれる感じがします。ただ描きながら選曲をするのはちょっと手間なので、いつも事前にプレイリストを用意しています。クラシックもあれば、ロックやボーカロイドもあったりで、選曲にも決まりごとは特にありません。
ただこれだけは毎回と言ってもいいくらいなのですが、ヨルシカの「ノーチラス」を最初に聴くことがダントツで多いです。コンポーザーを務めるn-bunaさんは芸術至上主義であり、「納得できるものが作れたなら、自分の中で完結していてもいい」ということをインタヴューで話されていたのですが、この考え方をとても尊敬しています。いつも最初に選曲する理由は、聴くたびにその考え方が頭によぎって「自由に描くぞ」という気分になるからかもしれません。
それと大ヒット映画『君の名は。』の挿入歌であるRADWIMPS「三葉のテーマ」や映画『ライオンキング』より「愛を感じて」のピアノ版など、映画の挿入歌を流すことも多々。映画繋がりだと、サスペンスを描く漫画家 VS その漫画を模倣する殺人鬼という構図がとてもおもしろかった映画『キャラクター』の主題歌「Character」もよく聴いています。
また古川本舗の「枯れる陽に燃える夜は」や澤田空海理「可笑しい」など、SSWもいつも無意識にセレクトしている気が...といった感じで挙げるとキリがないので、今回は「無意識にいつも選曲しているな〜」という曲を選びました。
きっとその音を聴いたからこそ選んだ色があると思うし、この曲があったから描けた絵があると思います。絵を描きはじめてから「音楽」と「絵」というふたつの表現が繋がる瞬間ってすごくいいものだと何度も感じました。ただの素人意見ですが、ぜひなにかを作るときに聴いてもらえたらとても嬉しいです。

