2021/01/22 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.100

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


2018年のインディーロックを振り返る

一昨年2月から始まったOTOTOY EDITOR'S CHOICEの第100回目。そんな記念すべき回を新入社員である私が筆をとっていいのか……と思いつつ、2018年ごろに聴いていたインディー・ロックについて書こうかなと。

当時は個人ブログなんぞを立ち上げひっそり好きなバンドを語るほど、どっぷり邦ロックに魅了されていた。ちょっと遅れてやってきた青春みたいな1年で、聴いた音楽が最も血肉になりやすい時間だったと、振り返りながら思う。

そんなわけで思い出深いインディー邦ロックを10曲セレクトした。トップ・ソングとして収録している孤独な音楽好きの日々が綴られたハンブレッダーズ“DAY DREAM BEAT”はやはり別格で、厚いシンパシーを抱いていた。「ヘッドフォンの中は宇宙」という歌詞が出てくるが、“宇宙”にいる時間がどれほど自分の救いになったか。

2017年に結成されたネクライトーキーは、ロックと複合した巧みな電子音や“ハム太郎ヴォイス“と親しまれるほど個性的な歌声が革新的で、ボカロP石風呂としても活躍するアサヒ(Gt)の富んだ知識と発想力に数多の嫉妬やら羨望やらが向けられていた。バンドが歩む速度も抜きん出ていて、彼女たちは昨年メジャー進出している。またTikTokの影響もあり、昨年のチャートに長居したオレンジスパイニクラブ「キンモクセイ 」は2018年にリリースだし、ハンブレッダーズもトイズファクトリーに移籍した。2年の間に、好きなバンドがどんどん前進している。

そういえば、当時は「好きなインディーズバンドが売れたら嬉しいか?」みたいな、利他vs.利己の戦いがよく繰り広げられていた気がする。必要以上にあちこちで炎上している最近と比べると、なんとも平和な論争だったのかもしれない。

余談だが、どんな偶然なのか、OTOTOYオフィスの近くには、寝不足になりながらブログを運営していたときに住んでいたアパートがある。2018年に聴いた音楽や経験は、いまに繋がっていたんだろうなぁ。

この記事の筆者
梶野 有希

1998年生まれ。誕生日は徳川家康と一緒です。カルチャーメディア『DIGLE MAGAZINE』でライター・編集を担当し、2021年1月よりOTOTOYに入社しました。インディーからメジャーまで邦ロックばかり聴いています。

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