最初はお互い心の扉を開いていなかった
──そして2016年8月にアユニさんが加入します。いままでの話をきいてみて、どうですか?
アユニ・D(以下、アユニ):私も加入する前はただの清掃員だったので、こういう話を聞けるのは嬉しいですよ。ワクワクしますね。
──アユニさんが加入した頃はどうでした?
アユニ:全員怖かったです。知らん小娘が入るのはみんな気に入らなかっただろうし、私もコミュニケーションが下手だったので、最初はお互い心の扉を開いていなかったと思います。でも東京の街を案内してくれたり、チッチは家にきてご飯を作ってくれたりしました。
チッチ:アユニが近所に引っ越してきたんですよ。最初の日はヤバかったよね。練習でダンススタジオに集まったんですよ。スタジオに行ったら、アユニが端にいて、4人が逆側に固まっていて、私が間で通訳するみたいな。
アユニ:当時は「女豹の檻に入れられた」みたいに思っていました。
チッチ : 女豹って(笑)。
アユニ:初日は全国ツアー中で、みんな疲弊していたんだと思います。まあ優しかったですけどね。
──最初に優しくしてくれたのはチッチさん?
アユニ:そうですね。「好きな食べ物は何?」とか聞いてくれましたし。その当時は、渡辺さんがチッチを頼っている感じだったらしいんですよ。
チッチ:そうですね。頼られるのはプレッシャーでもあったんですけど、妹みたいで楽しかったです。今思えば大役でした。
──当時は移動も夜行バスでの移動だったんですよね。
アイナ:そうですね。2015~16年くらいはそうでした。
チッチ:夜行バスで移動しているとき、近くに清掃員が座っていることもあったんですよ。同じ人が来ていたので、友達みたいな感覚でした。「ちょっと席下げるね」みたいな。
アイナ:みんなでサービスエリアのトイレに並んでいたら、清掃員に挟まれたりもした(笑)。
チッチ:初期はハイエースでの車移動も多かったんだけど、アユニは後ろで転がって寝ていたもんね。ゴキブリみたいな寝方していたと思う(笑)。
リンリン:隣で寝ていると、真っ直ぐ寝られなかったな。
アユニ:ごめんごめん!
アイナ:当時はライヴ制作の高橋さんや、そってぃー(外林健太)さんがハイエースを運転してくれたんですけど、寝ないようにみんなで話し相手をしていました。「いつ結婚したんですか?」とか「鼻毛処理はどうしていますか?」とか(笑)。
チッチ:車で福岡まで行ったこともあったっけ?
ハシヤスメ:あったあった。丸一日かけて行ったね。あのときはさすがに絶望しましたけど。
チッチ:ハイエースでの移動時間すごく苦手だったなー。椅子と椅子の間の床で寝てた記憶がある。
アイナ:めちゃくちゃ邪魔だった(笑)!
ハシヤスメ:いろんなパターン試したよね(笑)。
チッチ:あっちゃんはどこでもすごい体勢で寝られるんです(笑)。人間が曲げられる角度じゃないくらい首を曲げていました(笑)。
ハシヤスメ:自分では無自覚なんですけど、起きたら首が痛くて…。自分の寝ている写真を見たら、90度のその先でした。頭が背中に入っていくんじゃないかというくらい上向いていましたね(笑)。
──なかなかすごい話が飛び出していますが、当時はどんな状況で生活していたんですか?
アイナ:最初の頃はリンリンの足が臭かった(笑)。
リンリン:靴下を洗わずに何日か同じものを履いていたんですよ。
──(笑)。今は改善されていますよね?
リンリン:もちろん大丈夫です(笑)。
──アユニさんもすごい生活をされていた気がするのですが…。
アユニ:そうですね。6畳1間に生ごみしかない状況でした。上京したてで、ゴミの捨て方がわからなくて…。あと私服を持っていなさすぎて、ファンの人がくれたTシャツをいつも着て過ごしていました。自分がアユニ・Dという自覚もなかったです。
チッチ:雑誌の撮影でも着てたよね(笑)。「DUST MAN」って書いてあるTシャツを着ていて、ヤバいと思いました(笑)。
アイナ:「DUST MAN」(笑)。
──他の方はそんなことないですか?
チッチ:でも前あっちゃんの家に行ったらベッドが折れていました(笑)。
ハシヤスメ:下に響くのが申し訳なくて、ベッドの上でダンスの練習をしていたんですよ。気づいたらベッドの腰の部分がV字になっちゃって。野音の頃は折れたベッドを使っていましたね。
モモコ:私も最初は家賃3~4万くらいのアパートに住んでいました。私も家で練習していたので、結構騒音だったと思います。