友達のおばあちゃんからいろんな曲を教えてもらった
――“Go the Distance”(ディズニーアニメーション『ヘラクレス』より)は、前半で“ギザギザハートの子守歌“を歌ったチェッカーズの藤井フミヤさんも歌った曲ですよね。そこは意識的な選曲だったんですか。
木村:そうですね、チェッカーズが好きっていうのはあるし、 “Go the Distance”も単純に僕が好きだったので選んだんです。その日本語バージョンの歌唱をしてるのが藤井フミヤさんだったということで。それは選曲する上であんまり繋がりはなかったんですけど、“Go the Distance”はディズニーの曲のなかで歌いたい曲の1つだったので、途中まで英語で歌うかとかいろんな構成も考えつつ、結局日本語で押し通しました。
――普段、音楽はどんなシチュエーションで聴くことが多いのでしょうか?
木村:今回の選曲したのは、いつも車のなかとかで聴くような曲だったんです。例えば作品に入ったりすると、車の中でその楽曲を練習しながら、現場に向かったりとかするからそれ以外の曲をなかなか聴けないですよ。でも去年はわりとミュージカル以外の作品に携わってることが多かったので、他の曲を聴く瞬間がたくさんあったんです。なので、今回歌った曲なんかを車のなかで聴きながら現場に向かったりしてる時期がありました。
――“ドライフラワー“(優里)は今回のセットリストでは1番最近の曲ですよね。昨年よく聴いていたんですか。
木村:これはEXITさんの番組で、「女性と別れ際にする最後の言葉」みたいな企画があって、マネキン相手にお芝居をしなきゃいけなかったんですよ。みんなエチュードでお芝居して終わるはずだったんですけど、僕はその日ミュージカルの現場終わりだったっていうのもあって喉パッキパキだったんで、「もしいつかどこか出会えたら、今日のこと笑ってくれるかな」みたいなことを言った後に、“ドライフラワー“を歌ったんです。それを見てくれていた方とかお客さんから「フルで歌ってほしい」っていうリクエストがあって歌ったんです。
――ご自分が好きな曲は、わりと時代と関係なく聴いたり歌っている感じですか?
木村:古い曲の方が多いですけど、自分のバリエーションのなかに、ボキャブラリーとして新しい曲も持っておかなきゃいけないなとは思ってます。例えば僕がいつもいっしょにいるメンバーとだったら、自分の好きな曲を歌えばいいと思うんですけど、はじめましての方ともし歌いに行く瞬間があったときに、若い子の曲を歌えないとちょっと(笑)。カラオケ行った瞬間に若いテイストの曲も歌えたらモテるんじゃないかなって。モテにいく曲です、モテ曲(笑)。
――2日目にゲストの柿澤勇人さんが『宇宙刑事ギャバン』(串田アキラ)の主題歌を歌ってましたけど……。
木村:男性のインタビュアーさんは、みんなそれ言いますね(笑)。世代ですか?
――すいません、ど真ん中の世代なので盛り上がっちゃいました(笑)。ゲストの柿澤さん、加藤和樹さん、MCを務めた川久保拓司さんと一緒にプライベートで歌うような機会ってこれまであったんですか。
木村:いや、ないですね。俳優同士で同じ作品に出てたときには、舞台上でいくらでも曲を聴いているから、スナックに行く必要がないというか。それにミュージカルやってるときって、あんまりスナックには行かないです。お酒を飲んで歌ったら喉を潰すんで。 彼らとは行ったことがないですね。
――スナックにかなり思い入れがありそうですけど、いつぐらいから通い出したんですか?
木村:確か20歳ぐらいかな?たまたま友達のおじいちゃん、おばあちゃんがやってるスナックがあって、そこで自分が知ってる中でいちばん古い曲を歌ったら、「じゃあこんなのいいんじゃない」って、その友達のおばあちゃんからいろんな曲を教えてもらったんです。そこからだんだん新しい歌を仕入れて、「じゃあ、今度はこれで盛り上げてあげようかな、聴かせてあげようかな」っていうのがきっかけで、どんどん古い曲に手を出していった感じです。
――それこそ、沢田研二さんの“勝手にしやがれ”とかスナックで歌えばすごく盛り上がりそうですもんね。
木村:そうですね。(コンサートでは)正直もう振り切って「知らない人は知らない」で盛り上がってくれればいいなって。そこらへんはもう割り切るしかなかったけど、ああいう曲に関しては 勢いも大切だと思うし。