ASPは、いつもここから
──セカンド・アルバム『PLACEBO』は、どのようなアルバムになりましたか?
ユメカ : ASPの、型にはまらない「自分の意思で行くぞ」っていう歌詞と、ガツンとくる曲はもちろんありつつ。ファースト・アルバムは「これがASPです!」みたいなイメージだったんですけど、セカンド・アルバムは「これがASPだけど、どう?」みたいなイメージになりました。
──堂々としたアルバムになったと。
ユメカ : そうですね。私が渡辺さんからASP始動の話をいただいたのが、ちょうど1年前でした。それからナアユちゃんが脱退したり、ツインズが入ったりで1年経ったいま、胸を張って「これがASPだぜ!」って言えるアルバムになったと思います。とにかく、私のなかで大切が詰まっていますね。
──1曲目の“HATRED of LOVE”は、ユメカさんのなかでどのような曲になりましたか?
ユメカ : 私、「愛という憎悪」という歌詞がTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの“スモーキン・ビリー”の曲に書かれているということ知らなくて、その言葉の意味がわからなかったから調べましたね。「愛という憎悪」は、愛してやまな過ぎて殺しちゃうぐらいの気持ちで歌っています。
──“NO REASON”もゴリっとした曲ですけど、歌ってみてどうですか?
ユメカ : “NO REASON”は、私のシャウトが入っていまして、初の試みなんですけどライヴで歌うのが楽しいですね。
──ナ前ナ以さん作詞の“GAZE”は、どう捉えていますか?
ユメカ : 「削られても 睨んでいく」っていう歌詞がかっこいいなと思いました。あと、人と比べてしまって嫌だなって思うときが私にもあるので、特にサビは歌っていて沁みますね。
──まさに“比べる”という意味では、12月に〈WACK総選挙〉がありましたが。
ユメカ : 前日の夜から家でずっとソワソワしていて、「大丈夫だから、あんた落ち着いて」ってお母さんにも言われたんですけど、全然落ち着けなくて。結果としては、15位だったから悔しかったです。渡辺さんに「ミス中途半端」って言われちゃいました。
──アルバムの話に戻りますが、“ITSUMO KOKOKARA”は?
ユメカ : この曲は、私がもともと落ちサビを歌わせていただいていたんです。ラストのサビでナアユちゃんが入ってきて魂かけて繋いでいたので、これからもバトンを渡すように繋いでいきたいなと思う曲です。そして、ナアユちゃんから積み重ねてきたものを殺さずに、「こっからなんだよ」(“ITSUMO KOKOKARA”の歌詞より)というのをこれからも届けていきたいなと思います。ASPは、いつもここからです。
──“マジ無いです。”は、すごい歌詞ですね。
ユメカ : 作詞された、悲しみジュニーさん最高ですね。「何歳になったの? 教えてえ」、「寂しい人なんですね 飴あげようか?」(“マジ無いです。”の歌詞より)が、煽りすぎだろって思います。ライヴでも煽りまくっています。
──“日々是虚無也”の聴きどころを教えてください。
ユメカ : サビの歌詞が重いような気がするんですけど、後ろのリズムによってその重さを感じないところが超いいなと思う曲です。この曲を歌うとき、「ぼーっと生きて、このまま死んでいくんだったらなんで生きているんだろうな」ということを自分のなかで詰めた結果、「このまま死んでいくだけじゃ」って半音ずつ下がっていくところを儚さが出るように自分で練習して歌っているので、そこがポイントです。
──“WASTED TEARS”はファースト・シングルにも入っていますが、この曲はどのように歌っていますか?
ユメカ : 私は、なんでも取ろうとして両方取れないところがあったり、悔しかったら泣くし、嬉しくても泣いちゃったりするんです。だから、「どっちもとろうとしても無駄です ねぇ慎重にね」という冒頭の歌詞と、サビの「無駄涙流すな 嫌らしい気持ちが 続く続くから」(“WASTED TEARS”の歌詞より)という歌詞が自分に当てはまっていて、この曲はいつも自分に向けて歌っています。
──“Let 's go as a weirdo”も、ナ前ナ以さんが作詞されていますね。
ユメカ : これまた、ナイナイは作詞家ですねー。
──いまのところ、ユメカさんの歌詞がないですが……。
ユメカ : ちょーっと、ちょっとちょっとー。やっちまいましたよ。やっぱり歌詞は難しいですね。私、頭がおバカさんなのでハッピーだったらハッピーしか思い出せなくて、本当に良い脳ミソであり悪い脳ミソなんですよね。
──絶対ハッピーが必要なときがきますよ。
ユメカ : “BE MY FRiEND”みたいな曲が、きてくれたらいいですね。でも、渡辺さんから「お前は本を読んでも良くならないから、歌詞を盗め」と言われて。けど、私はナイナイみたいな作詞家さんになりたいです。
──つまり、この曲の感想は私も作詞家になりたいということですか?
ユメカ : そうです。「私も作詞家になりたいよ」という感じです。
──“Just Do it”はどうですか?
ユメカ : 私、この曲大好きです。いつも、「細かいことなんか みてないんだから」(“Just Do it”の歌詞より)と思って生きているので。それと、「縛んな 正義 正義 正義なんかわかんないんだ 自分に 正直 正直」という歌詞の、“自分の意思で社会なんか蹴り飛ばして、突き進んでいくんだぜ”っていう感じがASPっぽいなと思います。