
宇宙から降ってきたサイレント・イヤーズ
去年のアナサロとの出会いは、個人的に最も興奮した出来事の一つ。7人編成の大所帯の彼らは、楽器を取っ替え引っ替えしながら、スキルと美メロは当然、なによりも彼らにしか考えつかないポップ・ソングを奏でていた。シガー・ロス? ブロークン・ソーシャル・シーン? いえいえ、もっと野蛮でアメリカのガレージの匂いがむんむん... 今は、200人くらいしか会場に集められないけれど、きっと前述のバンドみたいに有名になるだろう。
彼らの国内盤リリースまでこぎつけたのは、いち早くコンタクトをとっていた仙台&山形のレーベルMOOR WORKSだ。国内フェスティバル最右翼"DO IT"の主催、SHIFT船山裕紀もそのレーベル首謀者のひとり。日本盤をほとんど出さないアンチコンと契約しただけでも びっくりなのに、なんと国内ツアーまで敢行した金銭度外視の気合いの入れように「こういうレーベルが音楽シーンを作るんだよね」って思ったもの。
アルバムTHE GLOBEの2曲目「ON OUR WAY HOME」もう絶対聴いて!!!
フレーミング・リップスの「Race For The Prize」か! はたまた、ブロンド・レッドヘッドの「23」か! いや、フリート・フォクシーズの「White Winter Hymnal」とか、最近のラインで語るべきなのかも。とにかく、ジョシュ・エプスタインの唄の力は相当なものだし、アレンジもしっかりとねり込まれている。楽曲に祝祭の空気感を散りばめる同時代性もしっかり持ってる。個人的には、アニマル・コレクティブとディスチャーミング・マンをコカ・コーラで割ったようなバンドという高い(?)評価だ。
フレーミング・リップスを聴いて音楽を始めて、デヴェンドラ・バンハートの洗礼を受けて「俺等がやりてぇことは、UKで大流行りのダンス・ロックやビートルズの焼き直しみたいなことじゃねえんだよ」って絶対言っている、そんなUS 歌ものオルタナティヴ勢をMOOR WORKSは輸入する。つまり今最も面白い所を。信頼出来るレーベルだよなぁ。(text by JJ)

MOOR WORKS RELEASE
Anathallo
2001年、アメリカはミシガン州にて結成。7人組という大所帯、そして何よりその雑多的で創造性に溢れる音楽性がすぐさま話題を呼んだ。今作はレコーディング・エンジニアにIron & Wineなどを手掛けたNeil Strauchを、ミックス・エンジニアにはDEERFOOH、WHY?、xbxrxなどを手掛けたEliCrewsとTony Espinozaの名コンビを、マスタリング・エンジニアには同じくWHY?の最新作を手掛けたMike Wellsを起用し、演劇のようにダイナミズムの大きなサウンドを見事に表現しきった名盤。
RAHIM
プロデューサーにJ Robbins、マスタリングエンジニアにChad Clarkを迎えた意欲作。BLONDE REDHEAD、FUGAZIやSONIC YOUT的なシンプルなリズムラインに、哀愁漂うメロディー&コーラス・ワーク。セカンド・アルバム時のQ and Not Uを彷彿させる、J節全開の唄〜メロ炸裂。ポスト・コア好き必聴盤!!
Takka Takka
CYHSYのメンバーのショーンが全面プロデュース! CYHSYメンバーやThe Nationalsのゲスト参加、近年盛り上がるブルックリン・ミュージック・シーンの集大成的アルバムに仕上がっている。
Crime In Choir
アメリカは、サンフランシスコにて活動する元AT THE DRIVE INの創設メンバー(キーボードを担当するKenny Hooper! )も含む究極のインスト・バンド。"YES"や"KING CRIMSON"などの古くからの渋いプログレッシブ要素が存分に散りばめられていて、好きな人は、ドップリつかってしまう事間違いなし。しかし、シンセが入っていることで非常に聴きやすく、古さを感じさせないアプローチが素晴らしい。
SHIFT
ミックスにJAY PELLICCI (31KNOTS)を迎えた、渾身のファースト・アルバム。躍動するD.I.Y精神継承型アヴァンギャルド・ダンサンブル・オーケストラ!

LINK
The Silent Years website :
The Silent Years myspace:
http://www.myspace.com/thesilentyears
The Silent Years last fm :
http://www.lastfm.jp/music/The+Silent+Years

The Silent Years

Josh Epstein - Voice.Guitar.Driving
Mike Majewski - Bass Guitar.Jokes
Cassandra Verras - Piano.Strings.Driving
Ryan Clancy - Drums.Drips
Fabian Halabou - Guitar.Eyes & Lashes.Diplomacy
2004年結成、アメリカはミシガン州デトロイトで活動中の、5人組男女混合インディー・ロック・バンド。アート・ワークやウェブ・サイト、「Someone To Keep Us Warm」のビデオ・クリップに至るまで、自身に関わりのあるものはほぼ全て手作りするなど、DIY精神の元に活動を続けている。
