どうやったらファンが増えるんですかね?
──Zeppのワンマンの後、体調を崩されてしまったんですよね。相当気を張っていたんだなと。
戦慄 : ワンマン直前に文春砲があったじゃないですか。それ自体はどうでもよくてノーダメージなんですけど、いろいろとムカつきすぎて、もうライヴに出たくなくなったんですよ。
──えー!
戦慄 : その前日もリハーサルを7時間くらい取ってたのに、最後の30分しか行けなくて。
──そうだったんですか。
戦慄 : 「もう終わった、ワンマン絶対うまくいかない」という感じでした。身内からのリークだと判明して、その一連の流れがしんどくて熱が出ました。知らない間に妬まれたりしてたんですかね。
──それにしても、あの写真は目立ってるなと思いました。
戦慄 : そこはまぁ(笑)。別に隠れる気もないので。
──でも、私生活を詮索されるのは想像を絶するストレスだろうなとは思います。
戦慄 : 記事が出たりすると、さらにゲスい人が拡散したりして、もう元がどういう情報なのかもわかなくなっていくじゃないですか。みんな見出ししか読まないから、全然違う方向になったりもして。
──しかし、そんな中でよくあのライヴをやり遂げましたよね
戦慄 : 極限状態ですよ。前日までビービー泣いててさ、リハも十分にできてなくて不安だし、ライヴに対して100%の気持ちで臨めてない自分にもイライラするし。本番前は誰とも喋らず精神統一してました。最後泣いちゃったんですけど、あれは頑張ってきた達成感じゃなくて安堵感です(笑)。ホッとできてよかったけど、ライヴの記憶がないんですよね。
──あそこまでしっかり演出が入っていると、単純に歌って踊ればいいわけではないですもんね。
戦慄 : 前日のリハも時間がなくなってしまったので、踊らずに全体のチェックだけしてました。どうでしたか?
──大勢のダンサーを引き連れたステージングも壮観でしたし、映像と照明もバチバチに作り込んでいて、これはもうZeppの規模ではないと思いました。もっと大きいところでやるやつでしょと。
戦慄 : ありがとうございます! ライヴをいちばん見に来てほしいのでそうやって作るんですけど、どうやったらファンが増えるんですかね? 認知度が増えてもライヴに来るファンが増えてる感じがしなくて。私はバンバン上がっていきたいのに、難しいです。もっとやりたいことがあるのに、こういうクローズなところでやってていいのかなと。
──Zeppクラスが「クローズなところ」となると、戦慄さんはどんなにステージが大きくなっても常にキャパや予算を越えたゴージャスなものをやりたがるような気もします(笑)。でもたしかに、やっていることや作ってるものがもっと広く届いていいはず、とも思っていて。今回のアルバムも日本でトップクラスで尖ってるじゃないですか。
戦慄 : え、それは嬉しい。でも、わりとわかりやすい曲をいっぱい作ったなと思うけどな。
──もちろんめちゃポップですが、尖ってはいるでしょう(笑)。例えば、Perfumeはすごく斬新だけど同時に耳馴染みがいい音楽で一般層にも届いたわけじゃないですか。だからそのふたつは矛盾せず成立すると思うんですよね。
戦慄 : そういうものを作りたくてやってても、なかなか伝わらないんですよね。