キスエクやっててよかったって思ったくらい好きな曲
──5月12日には、5人体制での初のアルバム「Le carnaval des animaux〜動物学的大幻想曲」がリリースされます。
大嶋尚之(XOXO EXTREME プロデューサー):タイトルはフランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の原題ですね。ピンク・フロイドの『Animals』という動物をテーマにしたアルバムがあって、そこをひとつモチーフにしています。
──楽曲は全部動物にちなんだものになっているんですよね。
一色:ジャケットにも今回の楽曲に登場した動物たちが隠れているので、ぜひ注目して欲しいですね。
──すごい!これおもしろいですね!
小嶋:アハ体験みたいな(笑)。
──曲について細かく訊いてみたいと思いますが、1曲目“Altair(孤高の荒鷲)”は元Fear, and Loathing in Las Vegasのsxunさんが手掛けられています。いきなり英語詩からはじまりますが、実際に歌ってみてどうですか。
真城:全編英語ということでここは頑張んなきゃと思いましたね。英語だけど、フレーズは耳に残る感じ。英語を知らなくても乗れるし、すごく楽しみやすいのでライブでも盛り上がる、1曲目にふさわしい楽曲です。
一色:3分半という当社比でいうとかなり短い楽曲なんですけど、鷲が飛んでるみたいな解放感や大きく広がっていく感じがすごくある曲ですね。
──2曲目は“Hungry like The Wolf”。この曲はラップも入ってますね。
星野:私のお披露目の時にやった曲なんですけど、歌うところがあまりなかったんですよ。でもいちばん頑張った曲だったので、印象に残っています。
小嶋:この曲はメガホンを使ってライヴでやるんです。ここまで激しい曲って少なかったので、インパクトのある曲になってるんじゃないかなって思います。
──3曲目は“Do rats desert a sinking ship? 組曲「ねずみは沈む船を見捨てるか?」”ですね。10分以上ある大ボリュームの曲ですが、最初に聴いたときの印象はどうでしたか。
一色:実はキスエクにはもう1曲10分超えの“悪魔の子守歌”という楽曲がありまして、それがキスエクはじめてのオリジナル曲だったんですよ。「キスエクといえば長い曲!」って思ってもらってた部分もあったので、長い曲やりたいなってずっと思ってたんです。だから、曲を頂いた時は、やっときた!と思って嬉しかったですね。
──体がプログレに染まっていますね(笑)。
小嶋:この曲は6部構成に分かれていて、物語性がすごくわかりやすくなっているんですよね。こういう物語チックなミュージカルみたいな感じの曲ってキスエクにはなかったので、直感的にすごく好きだなって思いました。キスエクやっててよかったって思ったくらい好きな曲ですね。
浅水:ちゃんと展開が分かれてるから「なるほど、ここではじまってこうなって終わるんだ」みたいな整理が出来ました。「ここはこういうシーンなんだな」みたいな感じで、苦労せずに受け入れられてしまいましたね。
真城:最初に10分超えてるって聞かされた時はびっくりしたんですけど、この曲に関しては長い1曲というより、短い演劇みたいなイメージですね。展開がどんどん変わっていくのも、全然退屈させない感じがありますし。こんなことできるのはキスエクならではだと思うので、洗礼を受けつつも、そこまで抵抗はなかったですね。
一色:これが、キスエクの素質です(笑)。
一同:(笑)。