【ライヴレポート】ひとり残らず、パーティーの向こう側へ──BRADIO〈THE VOLCANOES Release tour 2022〉ファイナル公演

真行寺貴秋(Vo)、大山聡一(G)、酒井亮輔(B)からなるファンキーなバンド BRADIOが、2022年4月8日にZepp Divercity Tokyoにて新作EP『THE VOLCANOES - EP -』のリリースツアーのファイナル公演を開催! OTOTOYでは、その大熱狂のライヴの模様のレポートをお届けします。最高にグルーヴィーでファンキーなパーティーの熱気を、素敵なライヴフォトとともに、ぜひ感じてください!
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LIVE REPORT : BRADIO 〈THE VOLCANOES Release tour 2022〉ファイナル公演

取材&文 : 西田健
photo by ヤマダマサヒロ
まるで太陽のように暖かく、そして熱いライヴだった。会場全体に充満していた愛に満ち溢れたハッピーなヴァイブス。これは、BRADIOというバンドだからこそ、生み出すことのできる唯一無二のものだった。
結成から10年を超え着実に活動を続け、自分達の音楽を世の中に示してきた。今年2月にリリースされた最新EP『THE VOLCANOES』は、彼らがやりたいことを存分に詰め込んだ自由な作品に仕上がっていた。粒揃いの曲たちが、全国12箇所を回るこのツアーを経て、この千秋楽公演でどのように成長してきたのか。期待に胸が高まっていた。
SEが鳴り響き、トレードマークの揃いのスーツに身を包んだメンバーが現れる。ヴォーカルの真行寺貴秋の「会いたかったぜー!」というシャウトとともに、ライヴの幕が開いた。セットリストの1曲目は、彼らの代表曲のキラー・チューン、“Flyers”。開始早々に、ツアーのタイトル“THE VOLCANOES”の通り、火山が噴火するかの如く会場全体のボルテージを一気にぶち上げていく。一瞬でZepp Diver Cityを大きなダンスフロアへと変貌させることに成功した彼らは、「ひとり残らず パーティーの向こう側へ連れていくぜー!」と宣言し、最新のBRADIO式のファンク・チューン“Frisbee”へと繋げていく。酒井亮輔の生み出す縦横無尽なベース・ラインに、大山聡一の心地良いギターのカッティングが乗り、強靭なグルーヴを発生させる。こういったファンキーな楽曲は、現代の音楽シーンにおいても決して埋もれることのない、BRADIOというバンドの唯一無二の個性である。



つかみの2曲を披露し終え、完全にBRADIOの空気になったフロアから、自然発生的に拍手が鳴り響く。そして、なかなか止まない。それはなぜならば、真行寺が拍手を欲しがるから。彼の想いにフロア全体が応えているのだ。もちろんコロナ禍のため、コール&レスポンスはできない状態ではあるが、コールがなくたってレスポンスが返ってくるのがBRADIOのすごいところだ。MCのなかで「俺たちがBRADIO 俺たち“で”BRADIO」と真行寺は言っていたが、これはあながち間違いではない。BRADIOのライヴは、お客さん参加型のエンターテイメントなのである。客席全体が大きく手を振り、全身で彼らの生み出すグルーヴに呼応する。メンバーが踊れば、ファンもしっかり踊り出す。2階席からみた1階席の一体感には、とにかく驚かされた。
ライヴは“Time Files”、“瞬き羽ばたき、故に繋がり”、“Take Me Higher”を続け様にプレイ。真行寺のパワフルなヴォーカルを軸に、サポート・メンバーも含めた全員で、ファンクの世界へお客さんを誘っていく。そして、彼らがずっと大事にしてきた楽曲“Golden Lair”を終えると、大山の入魂のディストーションの効いたギター・ソロへ。最後は、メンバー3人仲良く同じ方向へダッシュしてジャンプ。ライヴができる楽しさが爆発していたのだろう。ちなみに真行寺曰く、いつもより飛んでいたとのことである。


次に披露されたのは、アコースティック・ギターで演奏される“Thanks”。ファンキーでハイなステージングが持ち味のBRADIOだが、真っ直ぐなメッセージを込めたバラードをエモーショナルに聴かせることができるのも、彼らの魅力のひとつである。メロディーに乗った歌詞の一音一音がはっきりと心に届いてくる。愚直なまでに音楽に向き合い続けた彼らだからこそ、伝わってくるものがあるのだ。
ライヴも後半戦にさしかかり、“Yours”、“夏のエンジェル”という、心を踊らせるラヴソングを披露すると、フロア全体を巻き込んだコーナーへ。客席を2つに分けて、クラップをしていくのだが、舞台袖のスタッフまでもが手を叩いている姿が印象的だった。コーナーの最後に真行寺がお笑い芸人Everybodyのネタ「クリティカルヒット!」で、ややウケをかっさらうと、BRADIOの中でもかなりテンションの高いお祭りチューン“Boom! Boom! ヘブン”へとなだれ込む。ライヴは、この日いちばんの盛り上がりを見せていた。


今日、BRADIOは「カッコイイぜ、お前ら!」「絶対に誰も置いて行かないぜ」と客席に向かって何度も言っていた。BRADIOのライヴを見ていると、とにかく元気が湧いてくるのだが、それは楽曲の持つ力だけではなく、こういったメンバーからのメッセージに励まされるからなのだと思う。そして、その根底にあるのは、やはり彼ら自身がライヴを通して、「力づくでも人を笑顔にしたい」という想いがあるからだ。マスク越しでも、その笑顔はきっと伝わると思う。
ライヴ終盤、ツアーのタイトルでもある“THE VOLCANOES”の直前に「辛くなったらしんどくなったらBRADIOのライヴに来い! 周りにそういうヤツがいればBRADIOのライヴに連れてこい! 俺たちがこころから笑わせてやる 俺たちがこころから生きているって感じさせてやる!」と熱いメッセージを伝える。その姿に、なにがあっても受け入れてやるぜという、彼らなりの「愛」を感じた。
アンコールの“トロフィー”、“スパイシーマドンナ”まで、最後の最後までフロアを熱くした彼ら。最後にギターの大山から、9月に祭りを行うことが発表された。祭りの内容は、なんと野音でのライヴ。野外でのBRADIOのライヴなんて、想像するだけでも最高のステージになるに違いない。晴れていても雨が降っていても、それはきっと変わらないだろう。なぜなら、BRADIOというバンドが太陽のように暖かく、そして熱い存在だからだ。彼らはそのアフロヘアーのフロントマンのビジュアルからは想像もつかないほど、すごく真面目なバンドである。音楽にも人間にも真摯に向き合い、人々の笑顔のためにメッセージを届けてきた彼ら。混沌として誰しもが不安を抱えて生きているこの社会に、BRADIOの音楽は本当に必要なのだと思う。ひとりひとりのハートに寄り添いながら、きっとこれからも彼らは音楽を続けていくのだ。

セットリスト
【THE VOLCANOES Release tour 2022】
4/8(Fri) @ Zepp Divercity Tokyo
1. Flyers
2.Frisbee
3.Time Flies
4.瞬き羽ばたき、故に繋がり
5.Take Me Higher
6.Golden Lair
7.Thanks
8.Overnight Superstar
9.Yours
10.夏のエンジェル
11.Boom! Boom! ヘブン
12.真っ赤なカーチェイス
13.Switch
14.幸せのシャナナ
15.THE VOLCANOES 16 Back To The Funk
EN
17.トロフィー
18.スパイシーマドンナ





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LIVE INFORMATION
BRADIO “FUN”TASTIC FESTIVAL 2022 〜野音 de OH!祭り~」
【公演日程】
●9月4日(日) 大阪|大阪城音楽堂
OPEN 16:00 / START 17:00
●9月10日(土) 東京|日比谷公園大音楽堂
OPEN 16:00 / START 17:00
詳細はこちら↓
https://bradio.jp/
BRADIO、ディスコグラフィー
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PROFILE:BRADIO

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