そのうちこの曲を歌いながらみんな泣くんじゃないかな(笑)
──いろんな解釈がありますね。「我ら令和のかえるちゃん!」は、まふまふさんの作詞作曲編曲ですが、カエルの目線をどう解釈しましたか?
鹿目 : もしかしたら、まふまふさんの中でかえるちゃんはちょっと引きこもりがちなイメージがあるのかなって私は勝手に解釈してて。でんぱ組.incのオタク的なイメージとリンクしたのかなって、勝手な解釈で思ってます。
空野 : これを「ギャルゲーみたいな曲だね」って解釈する人も出て、いろんなキャラクターが出てくるっていう解釈もあって。
天沢 : ひとつの人間の中にあるいろんな感情の話、っていう解釈の仕方もあって、
高咲 : 私も、ひとりの女の子のイメージがあります。
空野 : 新体制のでんぱはこういう恋愛ソングって歌ってこなかったから、ちょっと甘えちゃうみたいな。
鹿目 : でも、そもそも恋愛ソングだと思ってないっていう解釈がまたあって。
天沢 : 恋とか好きとかじゃなくて、自己肯定感が低い人の話なのかなって。それが「もっと自分には可能性があるのかな」って自信を持って始める曲かなって。
空野 : 恋で変わるんだよ、人は!
──この議論の過程、そのままインタビューに載せますね。FICEの「接吻~らぶらぶ🖤ちゅ~」はどう歌いましたか?
鹿目 : 先輩とかは懐かしい曲のリメイクっていう気持ちがあると思うんですけど、私はその時代を知らないので、ルーズソックスとか90年代のものがまた流行って新鮮に感じるみたいな感覚で。
天沢 : どんな場面で聴いても、とにかく元気が出るなって思って。すごい元気に歌えたので、これを聴くとみんな楽しくなっちゃうだろうなって思います。ちょっと昔のレトロチックな音なので嬉しいなと思いました。
鹿目 : 「ラムのラブソング」みたいな。
高咲 : 「聴いたことないけど懐かしい」って感じました。
──「オーギュメンテッドおじいちゃん」は、IOSYSのARMさんとMOSAIC.WAVが共同制作による楽曲ですが、今の人は「オマエモナー( ´∀`)」とか知っているんですか?
高咲 : 私、歌詞のその他は知ってたのに、これだけわかんなくって。
天沢 : 知らないことだらけですね。
鹿目 : 見たことあるようなないような……?
空野 : モナコインのほうで知ってました、仮想通貨(笑)。今のひとは、あんまりわからないんじゃないかな?
──空野さんも今のひとですよ!
鹿目 : タイミング的に、応援してくれてた自分のおじいちゃんが亡くなっちゃって、おじいちゃんの姿を思い出して、レコーディング前に練習しながら泣いてて。おじいちゃんが、老人ホームで布教してくれてたんです。だから天国に行っても、みんなに私とでんぱのことを布教してね、って。あんまり会えてなかったおじいちゃんが、私のことをスマホの待ち受けにしてくれてて。
空野 : オタクの人達も、おじいちゃんになってもオタクである心を忘れずに語り継いでいってね、みたいな感じがあって、そのうちこの曲を歌いながらみんな泣くんじゃないかな(笑)。
天沢 : 自分がおじいちゃんになってダンスしてるところを想像して振り付けをしてみました。年齢でいろいろ線を引くけど、それを取っ払って、どこまででも好きなことをやれる未来を創造できるのはすごいいいことだし、この曲はレッドブルみたいな曲なんです。
鹿目 : フリーでかっこよく踊るパートがあるんですけど、私はかっこよく踊れる自信がなくて、ひとりだけ璃人くんに振りいれしてもらいました(笑)。
みんな違う形でいろんな人たちになっていきたい
──先日終了した〈でんぱ組.inc全国ツアー2022 『電電電電電電電電電!!!!!!!!!』〉や、古川未鈴さんの復帰、愛川こずえさんの卒業決定などもありつつ、12月16日の〈でんぱ組.inc スペシャルワンマンライブ『でんぱぁかしっくれこーど』〉はどんなライブにしたいでしょうか?
高咲 : うえーっ!?
──ここは飲み屋かっていうような声ですね。
高咲 : 実は未鈴さんとは、このツアー前はそこまで会えてなかったから、このツアーを通して一気に距離が縮まったような気がして。ファンの人と距離が物理的にも近いし、それによって心の距離も近づいている気がして。この勢いのまま気持ちが続いていけたらなって思ってます。今年の1月にMCは楽屋のハイテンションのノリのままできたらいいよねっていう話しをしていて、それがすっごいツアーで発揮されたと思ってて。でんぱ組.incは今になっても発見があって、この先も限りなくそういう可能性があって。現時点では最高の出来だったとしても、また課題が見つかって、それで今後も成長してってやったら、もうでんぱ組.incはすごいことになるんじゃないかなって思います。
天沢 : 今回のツアーは陽菜ちゃんが言ってたように、お客さんのリアクションが見えるぐらい近くて、ワキャワキャしてる楽屋の雰囲気をそのまま届けられているような気がしてて。この全国ツアーを経てステップアップできた暁には、もう怖いものはないんじゃないかなって思えるぐらいのあたたかくて強い自信を、このツアーで今すごいもらえてるので、今でんぱ組.incを肌とか耳とか全部で感じてもらって、次につなげられるように走っていきたいなってめっちゃ思います。12月16日はいろいろやってきたことが発揮できる場になるんだろうなってすごい思ってワクワク感もあるんです。この1年やってきたことは、この12月16日できっとみんな余りなく出せるから、すごい特別な日になるんだろうなって思っています。
空野 : でんぱ組.incのライブは今まで精密さを大事にしてきてたんですけど、今回のツアーは自分たちの楽しさを届けることにも重きを置くツアーだなっていう感覚になっていて。それを自分たちも楽しめて、パフォーマンスのなかで成長してる気がしますね。よき! 12月16日は、おこず(愛川こずえ)が一緒にライブできるのが、おそらく最後になると思うんで、9人体制でライブができる最後のスペシャルなライブだと思うし、これからのでんぱ組.incがどういう形になっていくのか、勢いを見せられたらいいなって思います。おこずと一緒に笑ってライブをできると嬉しいなって思います。
鹿目 : ブログを毎日書き始めたり、いろんなことで初めて気づけたことがたくさんあって。ステージに立ってて、ファンのみんなひとりひとりを見て、立派な大人の人がこんな楽しそうな顔してるけど、アイドルしてなかったら見れてなかったんだなって、急に我に返ることもあって。いろんなことを乗り越えてきて、12月16日のライブも、新しく開拓できた部分を出せるんじゃないかなって。アイドルといえば成長を見せていくことがいちばんの仕事だと思ってるから。いろんなタイプの子たちがいるから、陽菜ちゃんやあおにゃんや璃人くんに勇気をもらえる子も、私に勇気をもらえる子もいるだろうし。それぞれが違うから、みんな違う形でいろんな人たちになっていきたいね、って思います。
編集 : 田尻菜穂子
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でんぱ組.inc DISCOGRAPHY
他全楽曲は こちら
LIVE INFORMATION
スペシャルワンマンライブ『でんぱぁかしっくれこーど』
2022年12月16日(金) @新宿BLAZE
PROFILE
2007年にオープンしたライブ&バー「秋葉原ディアステージ」で働く、アニメ・漫画・ゲームなど、自分の趣味に特化したコアなオタクのメンバーを中心に結成。「萌えキュンソングを世界にお届け」のキャッチフレーズで、秋葉原を中心に2010年頃より活動を本格始動。数々のメンバーチェンジを経て現在は古川未鈴、相沢梨紗、藤咲彩音、鹿目凛、愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜の9人組ユニット。
アイドルとしては異例の東京コレクションでMIKIOSAKABEとのコラボレーション・ライブ出演や、ロシアでの村上隆個展でのオープニングアクト、蜷川美花作品へのモデル出演をはじめとして、様々なクリエイターとのコラボレーションを活発に展開し、国内のみならず海外からも注目を集め、台北やジャカルタでのファッションイベントにも参加。2013年にはJAPAN EXPOに日本代表として出演。2014年度は東アジア文化都市2014横浜親善大使を務めた。2015年はワールドツアーも敢行。MTV「ワールド・ワイド・アクト賞」の日本部門「ベスト・ジャパン・アクト」のウィナーに。今までに日本武道館や代々木第一体育館、幕張メッセなどアリーナクラスのライブも長年に渡って行なってきた。 2020年にはコロナ禍の中、SNS上での呼びかけに応じたクリエイターがたった8日間で作詞・作曲・編曲・演奏・MV制作までを行った「なんと!世界公認 引きこもり」を発表し、前向きなメッセージをファンに届けた。2021年11月16日には、でんぱ組.incの代表曲「Future Diver」リリース10周年をむかえた。