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2020/11/13 20:09

 

音楽を巡るモノづくりの物語~ドキュメンタリー映画『エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット』―試写会レポ

 

デザイナー・菅谷晋一の一風変わったレコードジャケット制作過程を追ったドキュメンタリー映画『エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット』。

2021年1月8日(金)より新宿シネマカリテほかにて劇場公開される同作品の試写会が行われたので、ひと足お先に鑑賞させてもらった。

菅谷晋一氏は、ザ・クロマニヨンズ、OKAMOTO'Sなどのジャケットを手がけるデザイナー。専門学校を出てデザイン事務所を経て独立……といった多くのデザイナーが歩むであろう道を進んできたわけではなく、大学では建築を学び、卒業後は家業である町工場で働いていたのだという。しかし、やはりデザインがしたくて独学で学び、どこにも所属せずに人脈ゼロの状態から仕事を手にして、20年もの間たった1人でモノ
づくりをしながら現在に至るという人物だ。

映画は、菅谷氏がアトリエでレコードジャケットを制作する姿を中心に進んでいく。線や絵を描いたり色を塗ったり、なにやら粘土のようなものをこねていたりと、その様子は我々が想像するのとはちょっと違う。真剣勝負で制作に臨んでいながらも、まるで図工に夢中になっているかのような姿は、菅谷氏の穏やかそうな人柄も相まってとてもほっこりさせられる。

そんな制作過程の間に、ザ・クロマニヨンズ、OKAMOTO'Sのメンバーらによって菅谷氏の作品にまつわるエピソードや人物が語られていくのだが、レコードジャケットへの思いと共に、それぞれの音楽観が伺えるのが興味深かった。特に、甲本ヒロトが語っている場面は、非常に彼らしい単純明快なもので改めて深く納得してしまった。

こうした人々からの厚い信頼を受ける菅谷氏自身が語るモノづくりへの情熱と信念は、非常にわかりやすく明確。その姿勢には大いに感銘を受けた。音楽ファンはもちろん、モノづくりに携わる人、目標にしている人たちにも観てもらいたい映画となっているので、是非劇場に足を運んでもらいたいと思う。(岡本)

『エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット』
出演:菅谷晋一、ザ・クロマニヨンズ<甲本ヒロト、真島昌利、小林勝、桐田勝治>、OKAMOTO'S<オカモトショウ、オカモトコウキ、ハマ・オカモト、オカモトレイジ>、青柳拓次、VLADO DZIHAN、DJツネ、佐藤有紀、石川明宏、森内淳、信藤三雄、佐々木進
プロデューサー・監督・編集:南部充俊|撮影:千葉真一(J.S.C)|音楽:青柳拓次|エンディング曲 青柳拓次 featuring 真島昌利|協力プロデューサー:汐田海平、戸山剛| 制作プロダクション:エイゾーラボ 【2020年|日本|カラー|ステレオ|16:9|DCP|96分】
配給:SPACE SHOWER FILMS|©2020「エポックのアトリエ」製作委員会

菅谷晋一(すがや・しんいち)プロフィール
1974年3月30日生、東京都出身。絵を描き、オブジェを作り、版画を刷り、
写真を撮り、コラージュをし、映像のディレクションまで、ビジュアルをあ
らゆる手段で表現する。エポックのアトリエでは、音楽関係、装丁、ファッ
ション、コーポレート・アイデンティティ、ビジュアル・アイデンティティ
などジャンルを問わず、日々ひとりで作り出している。

・オフィシャル・ウェブサイト
https://epok-film.com


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