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2016/03/03 12:37

 

AL、Polarisとのツーマンで1stアルバムの世界観を披露―OTOTOYライヴレポ

 

2016年3月2日(水)東京・リキッドルームにて〈AL×Polaris LIVE〉が行われ、ALが4月13日に発売される1stアルバムの世界観を披露した。

異色の組み合わせとなったこの日、チケットはすでにソールドアウト。開場後すぐにフロアはパンパンに満員になっていた。

まずはPolarisが登場すると、ステージに向かって左からオオヤユウスケ(Vo.Gt)、柏原譲(Ba)が並び右端にサポート・ドラマーのあらきゆうこが陣取る。今日は3人体制でのライヴとなるようだ。「こんばんは、Polarisです! 楽しんでいって下さい!」オオヤの第一声からライヴがスタート。ディレイのかかったギターのアルペジオを、あらきのバスドラが追いかけると、そこに柏原のベースが加わり「天気図」が始まった。ゆっくりと確実に会場の温度が上昇して行くのがわかる。浮遊感のあるヴォーカルが聴けた「ねじまわし」では後半、ギターのカッティングが激しくなるのに合わせてリズム隊も白熱する。

「はじめまして、という方もいらっしゃると思います。Polarisはいつもはだいたい4人編成なんですが、今日は3人編成です」とオオヤがメンバー紹介を行い、「今日はお客さんが若くていいですね」とつぶやいて笑わせる柏原。穏やかな空気感のMCから代表曲「深呼吸」へ。清涼感のあるポップなメロディとダブ・サウンドが融合したPolarisの真骨頂だ。鍵盤がない分、オオヤのギターが刻むカッティングが強調されていた。「いつもは4人とか5人とかの編成でやることが多かったので、3人でやるというのは、すごくいいね(笑)」とオオヤ。ALの小山田壮平とは、「彼が大学生の頃から友だち」ということで、昔からつながっている感覚だという。そして、小山田が好きだと言ってくれたという曲「光と影」へ。リズム隊の淡々としたビートと、反復されるギター・フレーズが心地よく、幻想的なムードで酔わせてくれた。ラストは、3人のプレイが火花を散らす、オルタナティブな「瞬間」で終了。エンディングは迫力のダブ・サウンドの余韻を置いてステージを降りた。初期曲が多く、3人編成で再構築を試みているようなライヴと「今年は“新しいPolaris”を探していこうかなと思っていて、ライヴもたくさんやろうと思っています」とのオオヤのMCから、2016年は精力的なライヴ活動に期待が持てそうだ。

転換の間、BGMにはオアシスやボブ・ディランなどが流れていた。会場が暗転するとALの4人が大歓声に迎えられてステージに姿を現した。小山田壮平(Vo./Gt)と長澤知之(Vo./Gt)がそれぞれ「ようこそ!」とフロアに向かって挨拶。「ALです!」の言葉を合図に、バンドのアルバム・デビューを自ら祝うように「HAPPY BIRTHDAY」からライヴが始まった。小山田と長澤が交互に言葉をぶつけ合うように「ハッピーバースデー!」と歌い、藤原寛(Ba)と後藤大樹(Dr)が曲を疾走させる。曲が終わると間髪入れず小山田がイントロのギター・リフを弾き「風のない明日」へ。長澤が歌い出して小山田が加わる。「シャッター」では長澤がアルペジオを弾きながら小山田がハモる。どちらかが歌う、というよりもどちらかが中心になりつつも2人の声が重なり合うことでALの曲になっている印象だ。サビでは、まばゆい星空のようにライトが点滅。“永遠なんて永遠ない”という歌詞が耳に残った。

星空のような照明のまま「ランタナ」へ。今度は小山田がメインで歌うミディアム・バラードだ。流星を思わせる長澤のギター・ソロがノスタルジックな気分を掻き立てる。メンバー紹介を挟み、長澤がアコギに持ち替えて軽やかに跳ねたアルペジオから「あのウミネコ」、小山田がギターを置いて後藤のバスドラ、藤原のベース・ライン、長澤のギターに合わせて歌うワルツ「リンリンリン」と続く。そして後藤がカホンを叩きアコースティックな曲「北極大陸」へ。この曲は1stアルバムのオープニングを飾る曲だ。カントリー調の演奏と早口で畳みかけるように歌う2人に喝采が沸き起こり、さらに続くアイリッシュパンク調「Mt.ABURA BLUES」の性急な演奏も破壊的で面白い。そんな初期衝動的なサウンドから落ち着きを取り戻し(?)、小山田がメイン・ヴォーカルを務める、ひときわメロディアスな「さよならジージョ」へ。メロディを活かした優しくシンプルな演奏と2人のハーモニーが珠玉の出来だった。

「夢日記をつけてると毎日夢を見れるようになる。みなさんも夢日記つけてみて下さい(笑)」との小山田が明晰夢について語るMCから、ハープを吹いて始まった長澤ヴォーカルの弾き語り「15の夏」で観客を惹きつけてライヴは後半へ。今度は小山田がアコギを持ち、全員のアカペラ・コーラスから「メアリージェーン」が始まった。耳に残るマイナーなメロディ・ラインと、緊張感のあるサウンドによるドラマティックな展開が素晴らしく、間違いなくこの日のハイライトとなっていた。アルバム・タイトル曲「心の中の色紙」を演奏すると「ありがとうございます、最後の曲です!」と「会いにいくよ」でステージを降りた。

アンコールを求める手拍子に応えてステージに戻った4人。小山田が「Polarisのオオヤさんとは10年来の友だちなので、今日は嬉しかった! FISHMANSも大好きなバンドなので、譲さんとも話せたから嬉しいです」と喜びを表すと、長澤も「今日は良い日だね!」と嬉しそう。「そして、みんなが観に来てくれたので。ありがとうございます!」と感謝。アンコール曲はフォーク・ソング調に小山田が歌い出し、前半は後藤が鍵盤を弾く「ハートの破り方」。前半と後半でまったく違う表情を見せ、エンディングに向かって徐々に上り詰めていくような大作だ。ラストは2人のデュエットによる穏やかなアコースティック曲、「花束」で観客に向けて感謝を伝え、ライヴを締めくくった。時間にして1時間30分あまりのライヴだったが、親しみやすいメロディと豊富なアレンジのアイデアと確かな演奏、小山田・長澤それぞれの歌声、2人の声が重なったときのハーモニーなどを楽しんでいるうちにあっという間に終わってしまった。アルバム・リリース後のツアーではいったいどんなライヴを観せてくれるのか、今後のALの活動が楽しみだ。(岡本貴之)

〈AL×Polaris LIVE〉
2016年3月2日(水)LIQUIDROOM
出演:Polaris / AL

●Polaris セットリスト
1. 天気図
2. ねじまわし
3. 深呼吸
4. 月の恋人
5. 光と影
6. 瞬間

●AL セットリスト
1. HAPPY BIRTHDAY
2. 風のない明日
3. シャッター
4. ランタナ
5. あのウミネコ
6. リンリンリン
7. 北極大陸
8. Mt.ABURA BLUES
9. さよならジージョ
10. ワレモノ
11. 15の夏
12. メアリージェーン
13. 心の中の色紙
14. 会いにいくよ
アンコール
15. ハートの破り方
16. 花束

●読者プレゼント
OTOTOYのライヴ・レポートをご覧いただいた皆様のなかから抽選で3名様に「AL ノベルティステッカー(非売品)」をプレゼントいたします。詳しい応募方法は下記をご覧ください。

応募方法 :
ご希望の方は以下を記載の上、〈info@ototoy.jp〉にメールをお送りください。
件名 : ALライヴレポート読者プレゼント
本文 : 1. お名前 / 2. メールアドレス / 3. ご住所 / 4. お電話番号
応募期間 : 2015年3月3日(木)〜3月17日(木)
当選は発送をもって代えさせていただきます。発送は3月下旬の予定です。

PHOTO:Makoto Sugita


[ニュース] AL, Polaris

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