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2021/08/24 23:16

 

【行かなきゃ ASP-ライヴレポート-】さぁ次は、伝説を生む〈恵比寿LIQUIDROOM〉だ!──〈TOUR STARFUCKERS〉at 渋谷WWW

 

WACKのグループたちが必ず立つライヴハウス〈渋谷WWW〉。元映画館である、すり鉢状のこの場所は、低音がバキバキに鳴るとても音の良い箱ではあるが、所謂ライヴハウス的な音とは違うため、ロックやパンク、ハードコアには少し不向きなイメージもある箱だ。

そんな場所でASP3度目の東京ワンマン〈TOUR STARFUCKERS〉のファイナル公演が行われた。

前半のセットリストは、以下。

M1.BE MY FRiEND
M2.A Song of Punk
M3.DiVE
M4.拝啓 ロックスター様
M5.いつでもファッキュー ♡
M6.被害者ぶるな
M7.NOW or NEVER
M8.WAIT or WASTE
M9.新曲
M10.WARRiES
M11.WASTED TEARS
M12.SAKEBE

ナ前ナ以は、パキパキのスパイキーヘアで超いけてて、それで目を見開いて歌うんだから、すごい迫力だ。最初から飛ばすASP。あれ? やはり〈渋谷WWW〉は低音が強く〈中野Heavy Sick Zero〉や〈下北沢SHELTER〉とは違う音の鳴りで、違和感が拭えない。メンバーの歌もダンスもとても安定しているのだが、それが7都市ものツアーを経験したからか、少しこなれているように感じてしまった。〈渋谷WWW〉の雰囲気に呑まれているのだろうか…… それとも疲れが溜まっているのだろうか……もっとぶちかまして欲しい! そんなことを考えていると、ひとりだけ、めちゃくちゃに輝いていた。コロナの影響でお休みをしていたナアユだ。休んでいた時間を取り返すように必死に歌い、楽しそうに踊る。インタヴューでは、とにかく悔しかったけど、その時期にいろいろ考えて、「私は変わることができた」と言っていた。なんか、そのことを証明してて、前半戦は、彼女にとにかく目がいってしまった。

また前半戦では新曲が2曲披露された。5曲目には「なんでもなんでもやろう。何回も何回もやろう。エニタイムファッキュー!」と、ほぼそんなことばかり叫び続けるショートチューンの“いつでもファッキュー ♡”。「この時代、とにかくファックな世の中なんだから、何でもやってやるぜ」っていうASPやWACKの強いアティチュードを感じた。9曲目には、4つ打ちの早いBPMの曲だが、サビのメロディが立ちまくっている“タイトル未定”のロックチューン。まだこなれている感じもなく、それでもツアーでやり続けた勢いがあり、超絶にハマっている。ダンスは、ゾンビ? 間奏では、メンバーが拍手を煽り、それに応えるようにならず者が拍手で返すと、メンバーが嬉しそうに、少しほっとしたように笑った。「こっからさ、こっからなんだよ」と歌う歌詞がとても印象的だった。

前半戦ラストは、衝撃的なMVだった“SAKEBE”。ならず者のノリも格段に良く、どんどん会場がヒートアップしていく。やっぱりこの曲でメンバーが目を見開いて歌うサビの部分は格別だ。この大名曲を会場にいる全員で盛り上げ、後半に繋げた。

後半のセットリストは、以下。

M13.マジ無いです。
M14.TRUST MYSELF
M15.GO STRAiGHT
M16.The Emperor's New Clothes
M17.拝啓 ロックスター様
M18.拝啓 ロックスター様
M19.拝啓 ロックスター様
EN1.the MAN CALLiNG
EN2.レリゴ

MCの最後にナアユが、「好きです!」と言い放ち、後半戦は、いきなり新曲の“マジ無いです。”。こちらも爆速のショートチューンのハードコアソング。「ほんとのとこどうなの?」「もう言うことないです」「最後に言うことがあるとすればバイバイ」(と聞こえたので間違っていたらすいません)とかなりの突き放しソングだ。ASPの歌詞は、コロナ禍で生まれたグループというのもあり、歌詞と自分の思いがリンクすることがとても多い。この曲の歌詞をちゃんと読めるのが楽しみ。

後半戦、新曲をやり終えたからだろうか、メンバーの振りはどんどん大きくなり、顔の表情も豊かになってきた。圧巻は、代表曲“拝啓 ロックスター様“の3連発(本ライヴでは4回プレイw)。一発ごとに、どんどんぐちゃぐちゃになっていく。一発目は、「緊張がほぐれたロックスター」だと思った。二発目は、「乱れたパンクロックスター」だと思った。三発目は、モグ・ライアンの必死に歌う落ちサビが最高すぎて、そんなことどうでも良くなった。

今年の〈FUJI ROCK FESTIVAL’21〉のGEZANのステージで、18歳の新ベーシスト・ヤクモアが初ライヴの〈FUJI ROCK〉のステージで「ロックスターになるためにやってきました!」って叫んだMCがめちゃくちゃに輝いてて最高で、実は今年の〈FUJI ROCK〉で一番印象に残っている。この“拝啓 ロックスター様”も、「時代遅れのロックスター」という歌詞をメンバーが歌うたびに、めちゃくちゃに最高な気分になる。ASPには、ずっとこの曲を最高なロックスターの気持ちで歌い続けて欲しい。

アンコールでは、秋ツアーが〈MARCH of ROGUES TOUR〉であること、東京は〈恵比寿LIQUIDROOM〉であること、シングル・タイトルは「the MAN CALLiNG」であることが発表された。このタイトルが、The Clashをモチーフにしているのかどうかなどは今後明かされていくのだろう。そしてそのままタイトル・ソングとして“the MAN CALLiNG”が演奏された。パワフルなパンクソングで「壊せ常識、そんなもの捨てちゃえ!」と歌うが、いつもの直球ではなくならず者を巻き込んだASPとしては珍しいダンスがとても印象的だった。今日演奏された新曲を聴く限りは、9月に出るミニ・アルバムは相当たのしみだし、ASPのよりパンクな側面を見せつけるものになるだろう。

そしてメンバーのMC。筆者が一番印象に残ったのは、モグ・ライアンのMCだったので以下に記載する。

「何度も何度も、全力でやります、死ぬ気でやりますって言ってきたけど、死ぬ気ってこんなもんじゃないなって。自分の限界がどこにあるかなんてわからないけど、ASPで自分の限界のその先を知りたい。この先、どんなことがあってもASPがいてくれて、そしてならず者がいてくれて、だから怖がってないで限界を超えていきたいです。そしてこの次のツアーでは、本当の意味での死ぬ気を見せたいと思う。もう何にだって負けたくないです」

筆者が前半戦に感じた違和感。後半戦、それを打ち破ってくれたASPメンバー。そして〈恵比寿LIQUIDROOM〉、それからもっと大きな場所を目指すASP。実際今回のユメカ・ナウカナ?のMCでは、ASPとならず者ででっかい夢を掴むと宣言していた。でもそこに到達するためには、やっぱりメンバーがもっともっと殻を破らなければいけないとも感じた。〈渋谷WWW〉という大きな箱は、普通のバンドなら何年もかかってワンマンができるようなライヴハウスだ。それを半年で到達できたのは、やはりWACKの他のグループや渡辺淳之介、松隈ケンタなどの存在が大きい。だからこそ、モグ・ライアンがいうように、死ぬ気で限界を破り続けないと、本当の意味での到達にはならないんだと思う。そんなとても大事な姿勢を、モグ・ライアンが発したことをとても嬉しく思う。

〈中野Heavy Sick Zero〉では、ナ前ナ以の可能性に度肝を抜かれた。〈下北沢SHELTER〉では、ユメカ・ナウカナ?のレベルの高さに度肝を抜かれた。今日は、ナアユの変化に度肝を抜かれた。〈恵比寿LIQUIDROOM〉では、モグ・ライアンの限界突破に、度肝を抜かれる気がしてならない。そんな可能性を大いに感じさせてくれたんだ。

ラストソングは“レリゴ”。曲終了後、拍手が鳴り止まなかった。この拍手は、〈TOUR STARFUCKERS〉お疲れ様の意味だけでなく、ならず者たちのASPの未来への強い期待がこもっていたことは間違いない。さぁ次は、伝説を生む〈恵比寿LIQUIDROOM〉だ! 行かなきゃ ASP!!!

文 : 飯田仁一郎
構成 : 東原春菜
photo by sotobayashi kenta

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■ライヴ情報
〈MARCH of ROGUES〉

2021年10月3日(日) @大阪 UMEDA Shangri-La
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月9日(土) @北海道 BESSIE HALL
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月10日(日) @北海道 CASINO DRIVE
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月16日(土) @香川 DIME
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月17日(日) @兵庫 VARIT.
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月22日(金) @宮城 SENDAI CLUB JUNK BOX
OPEN 17:30 / START 18:00

2021年10月23日(土) @岩手 CLUB CHANGE WAVE
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月24日(日) @岩手 KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月30日(土) @岐阜 Yanagase Ants
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年10月31日(日) @愛知 JAMMIN'
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月3日(水・祝) @栃木 HEAVEN'S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月6日(土) @福岡 DRUM Be-1
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月7日(日) @熊本 B.9 V2
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月13日(土) @広島 LIVE VANQUISH
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月14日(日) @山口 LIVE rise SHUNAN
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月20日(土) @埼玉 HEAVEN'S ROCK KUMAGAYA VJ-1
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月21日(日) @神奈川 F.A.D YOKOHAMA
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年11月24日(水) @東京 LIQUIDROOM
OPEN 17:30 / START 18:00

詳しくはこちら→https://www.wack.jp/posts/20557220

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■ASP公式アカウント
ユメカ・ナウカナ? : https://twitter.com/asp_0001
ナ前ナ以 : https://twitter.com/ASP_0002
モグ・ライアン : https://twitter.com/ASP_0003
ナアユ : https://twitter.com/ASP_0004

ASP 公式twitterアカウント : https://twitter.com/ASP_idol
ASP 公式SoundCloud : https://soundcloud.com/asp_idolude

OTOTOYでの個別インタヴュー連載【行かなきゃ ASP】はこちらから!https://ototoy.jp/features/series/%E8%A1%8C%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%8D%E3%82%83+ASP

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