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2021/07/04 23:06

 

【行かなきゃ ASP-ライヴレポート-】燃え広がる一体感!!!!──〈ASP’s on FiRE TOUR〉at 下北沢SHELTER

 

2021年7月4日(日)
〈ASP’s on FiRE TOUR〉@下北沢SHELTER

この公演のチケットは、TOWER RECORDS渋谷店で6月27(日)~7月4(日)にASPのデビューアルバム『ANAL SEX PENiS』を購入し、福引抽選会に参加するための抽選券を手に入れ、ライヴ当日に行われる豪華景品の当たる福引抽選会に参加し、見事入場チケットがあたった人だけが入場できるというもの。もちろん新型コロナウイルス感染症対策のために、ただでさえ多くないSHELTERのキャパは60人くらいまでに絞られていたので、その倍率たるや... そんなめんどくさい工程と激戦の倍率を経てチケットを手に入れた人たちは、筆者が90年代に愛したデジタル・ハードコアの始祖Atari Teenage RiotのロゴをモチーフにしたASP T-shirtsを着込み、すでに気合十分である。このロゴへの想いもあり、こちらも自然に力が入ってしまう。

渡辺淳之介より
「原始的な運に任せるくじ引きは、これでラストにします。俺は好きなんだけどね。でも今夜は自慢できるようなライヴにするから楽しんでください。」
との前説があり、〈ASP’s on FiRE TOUR〉のファイナルが開演した。

1曲目“拝啓 ロックスター様”、 2曲目“A Song of Punk”と代表曲が続く。前回筆者がライヴを見た場所は、映画館でのパブリックビューイングだったので、やっぱり体感の迫力が全く違う。バキバキのベースや重いドラムのバスドラなど、ASPが表現したい音の細部がよく聴こえメンバー、一人一人の表情もよく読み取れた。そして彼女たちの表情がとても豊かなことに驚いた。特にナ前ナ以の表情はとても豊かで、歌ってない部分であっても、顔を歪ませながら叫んでいるのがとても印象的だ。

“BE MY FRiEND”、“被害者ぶるな”では、まだ都内ではほとんどライヴをやっていないにも関わらず、ならず者(ファンの総称)のみなさんのふりが完璧で驚いた。そのならず者の心を強く捉えている要因の一つに、ユメカ・ナウカナ?(今日はチンコ・ナウカナ?)の歌のうまさがあるだろう。他のメンバーと比べても、より声が抜けて聴こえ、ピッチが安定しているために、ユメカがサビを歌うと、楽曲の勢いは何倍にも増す。BiSHのアイナ・ジ・エンド、BiSのネオ・トゥリーズなどと肩を並べる天性のヴォーカリストだ。

前半戦一気に加速を見せたのは、“WAiT and WASTE”。サビの真っ直ぐな8ビートにのせて全員が目をひん剥いて歌う。そして「生きていけー!」と叫ぶ。会場の空気が一気にASPに引き込まれていき、曲後は一際大きな拍手に包まれた。

そして“NOW or NEVER”、“DiVE”、“GO STRAiGHT”とアルバム『ANAL SEX PENiS』の曲順で進んでいく。映画館でみた時と大きく違うことの一つに、モグ・ライアンの印象がある。他のメンバーに比べて派手さは少ないのだが、それでもとても気になる存在だ。作詞を多く担当していることもあり、曲をまっすぐ突きつけるだけで無く、丁寧に伝えようとする姿は、ASPにとってとても大事な存在に思う。唯一のスロービートの曲“The Emperor's New Clothes”では、そのことが特に際立っていた。

後半戦、“WARRiES”、“TRUST MYSELF”と続き、MVが先日リリースされ大きな話題となった“SAKEBE”。そのMVでのナ前ナ以の表現力にぶったまげたが、今日はメンバー全員の表現力が素晴らしく、サビでのユメカとナアユ、そしてナ前ナ以とモグ・ライアンの交互の叫びは、ならず者も全員拳を突き上げてマスクの中で歌った。

そして、なんと新曲が披露された。モグ・ライアンとユメカ、ナ前ナ以とナアユのコンビで、涙を拭けと叫ぶ“WASTED TEARS”(間違っていたらすいません...)は、 ASPらしいショートチューンのパンクソング! そしてここからなんと“拝啓 ロックスター様”が5回連続(笑)! 今日ほど生で聴けて良かったって思った時はなかった。メンバーも会場もならず者も、曲が繰り返されるごとに体温が上がっていく。初めてリリースされた“拝啓 ロックスター様”の渡辺がヴォーカルを取るバージョンの時にも思ったが、この曲のポテンシャルは非常に高く、正直5回聴いても飽きることはなかった。Atari Teenage RiotやMassive Attackなどのロゴをリスペクトも込めてモチーフにするそのスタンスと、この曲の「時代外れのロックスター 代わりに言いたいことを言えるようにしておくよ」とASPが当時の彼らのアティチュードを引き継いだことを宣言するその歌詞は、ロック・ファン(オルタナより)の筆者としては、とても腹落ちがよく、こんな苦難の時代だからこそASPが高らかに宣言してくれるのはとても嬉しい。

大熱狂で、本編は終了。本編はほぼMCはなしだったが、アンコールでそれぞれのMCが披露されたので記載する。

モグ・ライアン
「人と関わることが苦手で避けてきたけど、福引会やライヴでこんなにたくさんの誰かと笑い合うのが楽しいって初めて知りました。このツアーで、初めての感情がたくさんあって、大切なメンバーとならず者の皆さんとライヴを作り上げることができて幸せだなと思いました。このままの気持ちで上りつめたいです。今のASPはなんだってできる気がします!」

ナアユ
「ASPの初めてのツアーも今日がファイナル。ライヴは頭を空っぽにして感情のままになれる特別な空間だってことに気づきました。そう思えたのは、目と目を合わせて気持ちをぶつけ合えるならず者のみんながいてくれたからです。これからもならず者と一緒にライヴを作っていきたいです。そしてASPはならず者の期待を超えていきます!」

ナ前ナ以
「自分を変えたい私にとって、ならず者の皆さんとツアーをし、今日を迎えれたのは、諦めが早くてすごく中途半端な自分にとって、すごく大きな変化になりました。だから今日のライヴは一生忘れないです。(...涙のため20秒ほど無音...) ならず者のみなさんが私を変えてくれたように、ASPの存在で、みなさんが ASPに出会う前よりも良い変化になってくれていたら嬉しいです!」

ユメカ・ナウカナ?
ナ前ナ以の涙のMCの雰囲気を一気に変える超ハイテンションで
「下北沢のならず者たち〜! 初めまして、チンコ・ナウカナ?です! チンコ・ナウカナ?という名前も今日をもってお別れです。社是にもなっているちんこという言葉が私の名前に加わったことにより、いつもより一層このツアーに挑むことができました。ASP’s on FiRE TOURというタイトルどおり、身も心も燃えて燃えてここまでツアーを回ってきましたが、この梅雨に負けてチンコ... 大変、失礼しました... 沈下してしまわないように、私たちは日々燃えて燃えて燃え続けたいと思っています。本当にASPが歩き始めたんだなと実感することができました。ASPで歩き続けたい、止まらないぞってわくわくしました。これからも皆さんにはASPと歩き続けてほしいし、皆さんが自慢できるようになりたいです!」
と言い、2つのお知らせをユメカの口から発表した。

お知らせ1
2021年9月22日に初のシングルを発売します。

お知らせ2
全国7箇所を回るツアー〈TOUR STAR FUCKERS〉を開催します。

そしてラスト・ソングは、メンバーがナアユを持ち上げ、彼女の持ち前の笑顔が炸裂するパフォーマンスが印象的な“レリゴ”。アルバムの中でももっともポップでキャッチーなサウンドを披露し、未来に向けてLet it GOすることを宣言して、90分にもみたないライヴが終了した。

ASPは、 BPMの早いショートソングが多く、ダンスはお客さんに向き合い、目をひん剥いて歌う曲ばかりだ。MCもほぼ無く、ライヴも短く潔い。その感じが、ちゃんとパンクというジャンルの中で表現されていて、とても心地よい。そしてなにより、4人の個性がかなり際立っている。抜群な歌唱力とひたすらに明るい性格でメンバーを引っ張るリーダー的存在のユメカ・ナウカナ?。WAggの経験もあり実力はとても高く、小さい体で目一杯表現するナアユ。勢いに頼らずに丁寧に楽曲を伝えようとする気になる存在のモグ・ライアン。目をひん剥いて歌い、抜群の表現力を持ち、その実力が計り知れないナ前ナ以。その4人の個性が、パンクという統一されたASPの楽曲、そして渡辺のプロデュースの元に、現在とても面白い化学反応を引き起こしている。今は、キャリアも長いユメカ・ナウカナ?が実力で頭ひとつリードしている。そこへ他のメンバーが追いついてくれば、ちょっとこのグループは計り知れないところまでいけるだろう。もちろん簡単な道のりではないし、ただ期待するのは無責任かもしれないが、それでも彼女たちが可能性の塊であることは間違いない。ついにASPの快進撃が始まるのだ。

文 : 飯田仁一郎
構成 : 東原春菜
photo by sotobayashi kenta

2021年7月4日(日)
〈ASP’s on FiRE TOUR〉@下北沢SHELTER

M1.拝啓 ロックスター様
M2.A Song of Punk
M3.BE MY FRiEND
M4.被害者ぶるな
M5.WAiT and WASTE
M6.NOW or NEVER
M7.DiVE
M8.GO STRAiGHT
M9.The Emperor's New Clothes
M10.WARRiES
M11.TRUST MYSELF
M12.SAKEBE
M13.新曲
M14.拝啓 ロックスター様
M15.拝啓 ロックスター様
M16.拝啓 ロックスター様
M17.拝啓 ロックスター様
M.18拝啓 ロックスター様
EN
EN1.レリゴ

■ライヴ情報
〈TOUR STAR FUCKERS〉
2021年8月6日(金) @大阪 阿倍野ROCKTOWN
OPEN 17:30 / START 18:00

2021年8月9日(月祝) @宮城 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年8月14日(土) @福岡 DRUM SON
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年8月15日(日) @広島 SECOND CRUTCH
OPEN 15:30 / START 16:00

2021年8月20日(金) @愛知 CLUB UPSET
OPEN 17:30 / START 18:00

2021年8月22日(日) @北海道 Bessie Hall
OPEN 15:30 /START 16:00

2021年8月24日(火) @東京 Shibuya WWW
OPEN 17:30 / START 18:00

詳しくはこちら→https://www.wack.jp/posts/19134771

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■ASP公式アカウント
ユメカ・ナウカナ? : https://twitter.com/asp_0001
ナ前ナ以 : https://twitter.com/ASP_0002
モグ・ライアン : https://twitter.com/ASP_0003
ナアユ : https://twitter.com/ASP_0004

ASP 公式twitterアカウント : https://twitter.com/ASP_idol
ASP 公式SoundCloud : https://soundcloud.com/asp_idolude

OTOTOYでの個別インタヴュー連載【行かなきゃ ASP】はこちらから!https://ototoy.jp/features/series/%E8%A1%8C%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%8D%E3%82%83+ASP

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