やっぱり楽しい音楽をやってたほうがいいですよね
──m-floの「come again」のカヴァーもありますね。
安斉 : ドラマの「M」をやっていたときに、エイベックスのアップカミングなアーティストが集結して、90sのエイベックスサウンドをリバイバルした「avex revival trax」というアルバムを出すことなったんですよね。
──「M」は浜崎あゆみさんを描いていましたし、ご自身がエイベックスの女性シンガーの流れの中にいることとかは意識しますか?
安斉 : あんまり意識してないですね。「エイベックスだからこうしなきゃ」とかもないですね。「come again」も、m-floさんが好きだからですし。たしかに「M」をやっていたからそういう風に思われがちだけど。
──そういう自分のパブリック・イメージが、邪魔になったり「そうじゃないんだけどな」っていうこともありますか?
安斉 : あー、全然ありますね。
──でも、それは言わない、と?
安斉 : それがマイナスだとは思ってないんで。だから、病んでるとかもないし。別に「それもそれだし」みたいな。「それで自分のやりたい音楽ができればいいか」みたいな。
──腹をくくった姿勢ですごいですね。
安斉 : あはは。
──「てくてくカレンダー」は、ご自身のサックス演奏が収録されていますが、歌ではなくサックスのレコーディングをやってみていかがでしたか?
安斉 : 毎日練習できているわけでもなかったので、最初は「大丈夫かな」って感じだったんですけど、やっぱり演奏するって楽しいですね。
──「キミとボクの歌」ではピアノをご自身で演奏していますが、プレイヤーとしてもやっていきたい気持ちはありますか?
安斉 : もともとはサックスのインストラクターになりたかったんですよ。でも、入った高校の吹奏楽部員が8人しかいなくて、「8人だと大会に出れないんだよね」って言われて、「何のための吹奏楽部じゃ!」ってなって。そこからひとりで習おうかなとかも思ったんですけど、そのタイミングでたまたまエイベックスのアカデミーに行くことになったんです。それで声も楽器の一つだと思い、シフトチェンジした感じです。

──今回2枚のアルバムを作って、「安斉かれん」というミュージシャンを客観視するタイミングでもあったと思うんです。ご自身で「安斉かれん」とは、どんなミュージシャンだと思いますか?
安斉 : 今回、いろいろやってみるタイミングをもらって、これができたので、まだ道半ば、探してる感じですかね。
──今の時代だとTikTokでのバズを作りたがるアーティストが多いですけど、安斉さんはそういうのも狙いたいと思いますか?
安斉 : それも大事なのかなと思うんですけど、TikTokでバズらせようとして作る曲って楽しいのかなって思うんですよ。やっぱり楽しい音楽をやってたほうがいいですよね。
──安斉さんは、いろんな人とコラボレーションをするけど、やっぱり自分が作りたいものを作るというのが軸としてある方ですよね。そこは変わらない、と?
安斉 : でも、わかんないです。人間なんてすぐ変わるかもしれない。
──あはは。
安斉 : 次はめちゃくちゃTikTok向けの曲が来るかもしれない。いきなりダンスしてるかもしれない。
──でも、今回のアルバムは2枚とも、そういう気配がないですね。
安斉 : そうですね、やっぱりそれが一番「音楽してるな」って感じですね。今回多種多様なジャンルに挑戦できたので、その幅をもっと増やせていければなと思います。自分で作った曲も、積極的に今後もトライして行きたいし。こういうジャンルって、絞るのはではなく、欲張りなのか……、あらゆるジャンルに挑みたいです。
──いろいろ手探りで、ようやく「ちょっと見えてきたかな」ぐらいでしょうか?
安斉 : そうですね。本当にまだまだどうなるかわからないし。突然方向性を変えるかもしれないし、でも、結局は何も変えたくないのかもしれないです。今は、そういうほうが音楽してて楽しいなって思うんです。

編集 : 西田健
安斉かれん、ファースト・アルバムを2枚同時リリース
PROFILE:安斉かれん

世界的にも大きな潮流を生みつつあるリバイバル・サウンドをいち 早く取り入れ、J-POPのニュージェネレーションを謳う歌手として令和元日の5月1日にavexよりデビュー。
これまでに90年代リバイバルを意識した8cm シングルを4作FREEリリースするなど、新たな音楽の届け方を定義している。
5th「僕らは強くなれる。」は音楽関連ランキングにチャートイン。
Googleトレンド急上昇ワードで1位を1ヶ月の間に2度獲得。
2022年9月7日より、コスメブランド『M·A·C』から日本初のコラボリップ『リップスティック@カレン』を発売。
2023年3月29日、ファースト・アルバムを2枚同時リリース。こうあるべきカタチを壊す「ANTI HEROINE」と、
軌跡を更新するヒストリカル・アルバム「僕らはきっと偽りだらけの世界で強くなる。」、計26トラックを収録。
■安斉かれんオフィシャルSNS https://linktr.ee/kalenanzai_official