INTERVIEW : プー・ルイ(PIGGS)

過去を超える。売れたい。そんな言葉からは、彼女のPIGGSへの手応えと、現状への焦りが滲み出ている。先日発表された『プー・ルイの1ヶ月活動休止! そして残った4人で活動継続!』は、PIGGSをこの業界で生き続けさせるためのプー・ルイが仕込んだ荒療治のようにさえ感じる。
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
荒削りでも頑張っている姿に人気が出る時代ではないのかなと
──先日1月29日に、日比谷野外大音楽堂で〈全身全霊!燃える豚魂ツアー〉のファイナル公演が開催されました。振り返ってみて、いかがでしたか?
プー・ルイ : できることは全部やりました。でも自分的に出し切れたかと言われれば、そうではなかったなというのが正直なところです。〈BATTLE OF PIGGS〉が終わってから野音に向けて、気持ちの切り替えに時間がかかってしまった気がします。でも終わった後は、すぐに次のことを考えていました。できなかったことを悔やむより「こうしたい、ああしたい」という気持ちがすごく出てきたんですよね。次は「やり切った」と「もっとこうしよう」が同時に出るようにしたいなと思います。
──これからPIGGSはどういうところを目指していくのですか?
プー・ルイ : K-POPのグループを見ていて思うんですけど、技術を磨くことってすごく大事なんですよね。もう2010年代に流行っていたような、荒削りでも頑張っている姿に人気が出る時代ではないのかなと。PIGGSはコロナ禍に活動がスタートしたから「お客さんは声を出さない分、冷静にパフォーマンスを見るから、ダンスのレベルを上げないとね」って(カミヤ)サキちゃんとも話していたんです。実際どんどん要求されるダンスのレベルは上がっているんですけど、そこに私も含めてメンバーが追いついていないのが現状ですね。

──今までのエモさやがむしゃらな姿だけでは足りないということですね。
プー・ルイ : そうですね。これまでPIGGSが大事にしてきたがむしゃらな部分は残しつつ、ちゃんとすごいパフォーマンスができるんだって思わせないと、どんどんダメになっていくのかなと思います。
──PIGGSは最近、YouTubeを自主的にやるようになりましたよね。はじめてから変化はありましたか?
プー・ルイ : YouTubeのいいところはメンバーが自主性を持てるところだと思っているんです。いまのPIGGSには、自分に対する自信が足りないと思います。もっと自信が滲み出てくるようになると、いろんな部分でかっこよくなると思います。あとYouTube企画をスタートして、メンバーと喋る機会が格段に増えました。結果的に、PIGGSについて考える時間も増えたので、全体的によくなったと思います。
──野音以降、ライヴの考え方に変化はありましたか。
プー・ルイ : 実はここ1年くらい、MCを多めに入れていたんです。でもどうやらPIGGSにおいては、それは最適解ではないのかなと思うようになりました。野音も終えていろいろ振り返ったときに、昨年1月にEX THEATER ROPPONGIで開催した〈DEAR HUNTER TOUR〉でのライヴの前後が、モチベーションも含め1番よかった印象があるんです。これからはライヴの作り方を、そこに1回戻そうかなと思いました。ノンストップで、曲で緩急をつけるイメージです。試しに代官山UNITでのMETAMUSE μ、MAPAとの対バンイベント〈HOLES〉のときにやってみたんです。
──感触はどうでしたか?
プー・ルイ : 久しぶりに40分のノンMC、ノン休憩でやったんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです。そこからは曲を変えつつ、同じ流れでやっています。まあ、これからどうなるかやってみないとわからないですけど、いろいろ模索していこうかなと。
