さらさ 『Inner Ocean』
2021年に “ネイルの島”(歌詞の発想が面白い)でデビューした湘南育ちのシンガー・ソングライターの1stアルバム。宇多田ヒカルとiriを足したような太さと華奢さを兼ね備えた声も、言葉を音素まで還元して組み立て直したような歌唱もとても個性的。浮遊感のあるメロディ、ストーリーよりも情景描写にフォーカスした歌詞は常にうっすらと孤独感をまとい、「ブルージーに生きろ」という旗印にも納得。比較的ポップな “火をつけて” や “Amber” や “太陽が昇るまで” も、ネオ・ソウル的な “退屈” や “午後の光” もサウダージに満ち、打ち込みでもバンドでも簡素なアレンジでも等しく冴えている。今後も注目していきたい人だ。
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おかもとえみ『wwavess』
フレンズを結成するより前に何度かソロ・ライヴを見て、楽曲はもちろんマルチタスクなたたずまいにも魅了された者にはうれしい、3年ぶりのソロ・リリース。DJ HASEBE、ESME MORI、Joint Beauty、Kota Matsukawa(w.a.u.)とトラックを外部に委ね、思いに任せぬ恋に身を焦がしたり、遠くカリフォルニアに思いを馳せたり、新しいアイスやTVドラマに小さな楽しみを見出したりと、ポップで快活でハッピーな「みんなのえみそん」のちょっぴりブルーなBサイドをしっとりと綴っていく。“ILY IMY”(I love youとI miss youの頭文字)の「心ないハグも 愛のないキスも だいすきだよ だいすきだよ」という切なさが愛おしい。
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CBS 『Classic Brown Sounds 2』
神奈川の録音チームPistachio Studioの中心的存在であるCBSは、kyon、takaya、bashoの3 MCからなるラップ・グループ。ポピュラーというよりコミュニティ・ミュージック感のある彼らの音はここ10年愛聴してきたが、『Classic Brown Sounds』以来5年ぶりのオリジナル・アルバムとなる本作でも、ryo takahashiをはじめSUPPLE、ESME MORI、TOSHIKI HAYASHI (%C)、Terrapin AudioらによるPistachio Studio完全内製。 “Stay Up All Night” のポップさから “break down” のボヤきや “MCDs” のメモワールまで、彼ら独特の空気は健在だ。仲間内で交わす会話のノリまで伝わってくるのが楽しい。
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