ここで変われないで終わってたらヤバい
──どんなことを自分でやり出したの?
SHELLME : まずはみんなとコミュニケーションをとるのを避けちゃってたから、メンバーとガッツリ喋るようにしました。すでに他のみんなは野音やその先のことについてちゃんと考えていたから、「あぁ~」「なるほど」って知らないことが入ってくる感じでしたね。でも、それがすごく良いことでした。自分にないものをみんなは持ってるから、そういう気持ちを聞くと頑張りたいって思うし、「そんなに考えてるんだ! 私もちゃんと考えないと!」という気持ちになって。
──他にもやったことはありますか?
SHELLME : あと、KINCHANをサウナに誘いました(笑)。もっと喋りたいなと思って。「行ったことない」って言ってたから、一緒にいろいろ整おうぜみたいな気持ちで。
──それは謝罪も込みで?
SHELLME : 「ごめんね」は言わなかったけど、どうでもいい話からPIGGSの話までいっぱいしましたね。
──それで状況は整いましたか?
SHELLME : 前よりは整ったから、これからは自分の歩く道を自分でちゃんと整えていくところですね。ガタガタってなっても、ちゃんと自分で戻ってこれるようにする。なにがいちばん大事かを考えて、言ってもらったことを忘れないようにしたいです。
──SHELLMEさんの場合はダンスが上手いので、その技をメンバーに教えるという使命がある気がしますよ。
SHELLME : ダンスを伝えるのって、めっちゃ難しいんですよ。教える相手のことを考えないといけないし、メンバーによって「めっちゃいいやん」というところも、「ここヤバいね」というところも見えてくるんです。その教えることをいい感じにできるようになったら、ダンスだけじゃなくて違うこともわかるような気がしています。
──なるほど。
SHELLME : でもこれはKINCHANとも話したんですけど、本当にダンスがすごい人からしたら、PIGGSの5人のレベルなんてほとんど一緒だと思うんです。私は5人のなかだと上手いかもって言われてるだけで、マジですごい人から見たらみんな一緒。そこで私が本当にすごい世界の人たちと戦えるようになるのって、上手いだけじゃなくて私がみんなになにかをあげられるようになってからだと思うんです。だから、もっと私はいろんなものを身につけて成長していかなくちゃならないと思っています。
──来年1月には最新シングル “負けんなBABY”がリリースされます。この曲はSHELLMEさんにとって、どんな曲になりましたか?
SHELLME : 正直な話、いまの私では“負けんなBABY”は全然似合っていないと思っています。曲自体はめっちゃ良いですし、 “まじ無理ゲー”とはまた違った良いところがあって超最強だと思います。でも自分がこれを歌うにあたって、いまの状況のままだとなにもかもダメにしてしまいます。しかも、私が歌っている歌詞が「いつも変われない」「ずっと変えれない」とかなんですよ。私にとってメジャー・シングルって超大事な曲だけど、「お前はもう二度とこんなふうになるなよ」って自分を戒める曲にもなっています。この曲は、外に向かって「頑張れ負けんな」って人を熱くさせる曲だけど、いま私にとってこの段階では自分に言われてるんです。しかもKINCHANの最後のところがすごく刺さって、毎回泣きそうになるんです。
──「負けんな」って人に言える立場じゃないじゃんって突き付けられている感じ?
SHELLME : そうですね。でも、すごく大事なメジャーデビュー・シングルで、これは絶対に大事にしないといけない曲だし、ここで変われないで終わってたらヤバいんですよ。「あきらめんな、わずかな望みを捨てるな」って言ってるので、ここから「スターだぜ!」って言ってあげられるようになります。これが結構素直な気持ちなんです。