INTERVIEW : KINCHAN(PIGGS)
メンバーもぶーちゃんズも認めるKINCHANの努力と魅力。間違いなく彼女は今輝いているし、PIGGSを引っ張る存在ってことは、下北沢SHELTERの「豚声大解放」で確認できた。その彼女の魅力に引っ張られることなく、各々のメンバーもどんどん覚醒し続け、五人での最高にエモーショナルなライブを観せてくれることを強く願っている。2023年はPIGGSの年だ!
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
「飛ばない」という選択肢はなかった
──KINCHANは以前からクリトリック・リス好きを公言していますが、きっかけはどういうところから?
KINCHAN : スギムさんとは以前、PIGGSと対バンしたときにお会いしたんですよ。私、音楽にそんなに馴染みがあんまりなくて、ライヴを観に行く機会はあっても、心が震えることがあまりなかったんです。でも、はじめてスギムさんのライヴを観た瞬間に涙が出ちゃって、「これだ!」と思ったんですよ。“1989”っていう曲がすごく好きですね。スギムさんみたいなアイドルになりたいって思っています。
──スギムさんみたいなアイドルはいないですよ。
KINCHAN : 私のなかでは、プーちゃんとスギムさんは結構似てるんです。自分をさらけ出して全力で歌ってる姿がかっこいいと思います。スギムさんとプーちゃんに通じるものを感じています。
──なるほど。PIGGSは先日までTikTokで『#まじ無理ゲーチャレンジ』に挑戦してましたが、メンバーそれぞれ個別アカウントを立ち上げてみていかがでしたか?
KINCHAN : 私はPIGGSの公式TikTokの方をずっと担当していたんですけど、いざ自分で考えて動画をアップするというときに、なにをやったらいいのか本当にわからなくなりました。メンバーを撮るのは得意なんですけど、私自身は目に見える特技が本当にないので、「普通」という壁にぶち当たってしまいました。アイドルとして、なにか引っかかるものがあったほうがいいとは思うんですけど、そこの部分が難しかったです。
──かなり悩んでいたんですね。
KINCHAN : 全然再生回数も伸びなかったので、正直悔しかったです。罰ゲームでバンジーを飛ぶことが嫌だというより、負けることがなにより悔しかったです。PIGGSってみんなキャラが立っていて、それぞれ特徴が大きい気がするんですけど、私はほかのメンバーに比べてそういうのがないんですよ。PIGGSには、歌が上手いとか、ダンスが上手いとか、いっぱい食べれるとか、東大とかパリピとか社長とかみんなあるんですけど、私にはそういうのがないのでとても悩みました。普通すぎる自分が嫌になっちゃった時期でした。
──その悩みは解決できましたか?
KINCHAN : 悩んでる最中は、普通じゃない人になろうと思ってもがいてたんですけど、プーちゃんと喋っていて、「取ってつけたような長所って、たぶんそんなに良くないよ」って言われたんですよ。それは確かにそうだなと思いました。私はPIGGSに入る前から「自分は普通だし、なにもない自分が嫌だな」と思っていて、だからアイドルになりたいと思っていたんです。でもメンバーとかと話すうちに、PIGGSはみんな個性的だから、私が普通でもそれも個性かなって考えるようになって、自分が普通であることに対して嫌だって思わなくなりました。それからは、「こんな普通な私でも輝けるんだよ」ということをどんどん伝えていこうと決意しました。
──『#まじ無理ゲーチャレンジ』では、罰ゲームでバンジージャンプをしていましたが、どうでしたか?
KINCHAN : いざ台の上に立ったらめちゃくちゃ怖くて、震えが止まらなかったです。でも、「飛ばない」という選択肢は自分にはなかったです。飛ばないほうが悔しいので、「怖いけど、絶対に飛んでやる」みたいな気持ちで挑みました 。
──飛んでみると気持ち良かったんじゃないんですか?
KINCHAN : 気持ち良くはなかったですね。怖かったです。びよーんってバウンドするやつが苦手でした。揺れがおさまったら紅葉が見えて、「ああ、綺麗だな」って思ったくらいです。ひとりでバンジーに挑んだBAN-BANは、「とんでもねぇな」って思いました。もうやりたくはないです。
──いま振り返ってみて、KINCHANにとって『#まじ無理ゲーチャレンジ』はどんな企画でしたか?
KINCHAN : 「自分にはなにがあるんだろう?」って悩んだ期間であったし、悔しい思いもいっぱいあったんです。でも普通な自分を「それでもいいじゃん」って思えるようになったのは、私にとって収穫だったと思います。バンジーは怖かったんですけど、「ここを踏み出す気概が自分にはあるんだ。もうなんでもやってみよう」って思えたのでトータルで良かったと思います。