2022/10/31 12:00

Mitski 「Glide(cover)」

映画内の架空ユニットながら現実世界においても大きな影響を与えたLily Chou-Chouの名曲”グライド”を、映画『アフター・ヤン』のためにアメリカの日系SSWのMitskiがカヴァー。原曲へのリスペクトを感じる忠実な再現でありながら、Mitskiらしいオルタナ感満載のアレンジで、ダウナー感が和らぐとともにより開放的で壮大な楽曲に仕上がっている。そして作中と同じように若者に神格化され、心の拠り所となっている彼女が歌っているということも熱い。最新作『Laurel Hell』の日本盤ボートラとして収録済ではあるが、映画が公開されたいま聴くことで、楽曲の魅力を再体験するとともに今ならではの新しい意味を見つけることができそう。

PVA 『BLUSH』

2019年のデビュー・シングルから完成度の高い楽曲をリリースし続けてきたサウスロンドン3人組がついに本作でデビュー。アシッド・ハウスやポストパンク、インダストリアルらを多彩な要素を内包するソリッドで前衛的な11曲には、米〈SXSW〉や英〈The Great Escape〉への出演やグラミー賞へのノミネート経験などの実績を積んできた彼らの確かな実力と自信がありありと焼き付いているかのよう。ツアーを共に巡ったDry CleaningやGoat Girlとも親和性が高く、それでいてパッショナブルで革命的。エレクトロファンだけでなく幅広い層から支持を集めるだろうし、このままスター街道まっしぐらとなりそうな予感。

Pixies 『Doggerel』

来日ツアーを目前に控えたUSオルタナ / グランジの雄による3年ぶりの完全新作。40曲ものデモからセッションを経て完成された本作は、ダウナーなフォーク・チューンから大胆でアグレッシヴなロック・チューンまで縦横無尽に駆け回る“不揃い”さが魅力的。いかなる曲も2分以上でブレイクがあろうとも、ブラック・フランシスの楽曲ならではのエネルギッシュさや剥き出し感、繊細な感情への移ろい、そしてストレートなビートに無機質なコーラスまで、どれを取っても“らしい”の一言。特に"You’re Such a Sadducee"は、名曲"Debaser"同様文句なしのかっこ良さでピクシーズでしか完成しない一曲といえる。

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