いままで見た花火のなかで、いちばん幻想的でした
──“どん君”のカップリングは、アイナさん作詞の“ハッピーエンドじゃなくても”ですね。
アユニ : この曲は、いまのBiSHという存在に対するアイナちゃんの想いだと解釈しました。ステージの上ではキラキラしているのに、家でひとりきりで壁を見ながらご飯を食べていたり、暗い部屋でお風呂に入っていたりすると、「自分はちっぽけな人間に変わりないんだな」と思うことが私もあるんですよ。でも、だからこそ清掃員やメンバー、関わってくださってるたくさんの人と巡り合えていることが幸せなんだと思っています。いまの自分の心境と重なりますね。素敵な曲だと思います。
──メンバーが歌詞を書くと歌いやすいですよね。
アユニ : そうですね。いまは、本当に家族よりもずっと一緒にいて、同じような時間を過ごしているので、メンバーが作詞した曲は、苦しいときも楽しいときも生々しいです。ずっと近くで見ているので、作詞をしたメンバーについても、「この子はこう思ってたんだ」って感じます。BiSHというひとつ屋根の下で、もっとメンバー6人寄り添って、日々を過ごしたいと思います。
──そういうエモーショナルな感じは、メンバーの心境とも合っていたのかもしれないですね。
アユニ : そうですね。いまの自分たちは、なにを言っても意味を求められる環境だと思うんですよ。以前、チッチが言っていた「日々考えていたい」「考えることを放棄するのが嫌いだ」という言葉に私は感銘を受けているんです。自分もそうでありたいし、ちゃんと考えて時間を過ごしたいですね。
──7月にリリースされたのは“SEE YOU”ですね。
アユニ : この曲はMV撮影のとき、熱海の海や富士急の駐車場に行ったんですよ。カフェでイチャイチャしたり、BiSHのハートフルな部分がとても出ている映像に仕上がりました。
──MVでは、花火が上がるのが印象的ですね。
アユニ : 山中湖で見たんですけど、花火も月も富士山も見えたんですよ。いままで見た花火のなかで、いちばん幻想的でした。
──歌詞で好きなポイントはありますか?
アユニ : サビ終わりの「星が瞬く夜に」の部分ですね。自分たちが最初に歌ってた“BiSH-星が瞬く夜に-”という楽曲のタイトルでもあるんですけど、これまで歩んできたからこそ歌える曲だなと思います。
──振り付けはどうですか?
アユニ : この12ヶ月連続リリースでは、アイナちゃんがBiSHメンバーをひとりずつ主人公に見立てた振り付けを作ってくれているんです。“SEE YOU”はチッチを軸にした振り付けになっています。チッチがいろんな感情に揺さぶられて、切磋琢磨してるのを表現しているんですけど、それぞれソロの部分の振り付けで、チッチと寄り添っているんですよ。私はチッチに触る振りがあるんですけど、昔だったらいまみたいに遠慮なく触れなかったなと思うんです。いまだからこそ、暖かい気持ちで踊れる振り付けにもなってると思います。いまの自分たちじゃなきゃ、この曲はできないだろうなって思います。
──カップリングの“USO”はどうですか?
アユニ : BiSHではこれまでやってこなかったR&Bっぽい曲ですね。12ヶ月連続リリースの表題曲の方は、テーマをしっかり決めているんですけど、カップリングは、いままでなかったものをやってみたりしています。“USO”は、ブレスを多めにして、ちょっとエロティックにしたり、みんながいままでしたことない歌い方だから、新鮮に聴こえると思います。