地方に行ってなにかを残していく、その連続が楽しくて
──4月にリリースされた“BOLLOCKS”は、マチルダーさん的にどのような曲になりましたか?
マチルダー : “BOLLOCKS”は、ひたすら自分の心臓を叩きつけられているアメとムチみたいな感覚です。この曲は自分に当てはまる歌詞が多いし、いまのASPに訴えかけてくる曲だなと思います。
──カップリングの“SPiT OUT”は、妹のウォンカー(ウォンカー・ツインズ)さんが歌詞を書いていますが、どう思っていますか?
マチルダー : 天才だと思います。歌詞を見たときびっくりしましたね。私とウォンカーは思っていることが同じだったりするので、「吐き出していまを生きてる」、「素直じゃないと 生きれないから」とか、前向きな言葉がウォンカーの歌詞にあったのが嬉しいし、それを自分が歌えるのも嬉しいです。「素直に嘘ばかりついてきた」って、いい歌詞ですよね。
──マチルダーさんも、“SPiT OUT”の歌詞を書いたんですか?
マチルダー : 書きました。
──ウォンカーさんの歌詞が採用されたとき、悔しいと思いましたか?
マチルダー : 悔しいとは思いましたけど、みんなはどんな反応するんだろうと思いました。
──“BOLLOCKS”と“SPiT OUT”の推しポイントはありますか?
マチルダー : “BOLLOCKS”の推しポイントは、ウォンカーが「自分だけは特別で」って可愛い子ぶるんですけど、次に私が「今更ではあるけど」っていうパートで、ぶりっ子しているウォンカーを殴りに行く振り付けが楽しいです。“SPiT OUT”は、2番のサビ終わりに、みんなで手を繋いで円になって回る振り付けがあって、それがおもしろくて楽しいです。
──以前取材させてもらったとき、「録音した自分の声が嫌だ」とおっしゃっていましたが、2回目のレコーディングでは自分の声には慣れましたか?
マチルダー : 耳が慣れてきました。
──例えるなら、自分の声はどんな声ですか?
マチルダー : ドブガエル。ドブガエルからアマガエルのようなきれいな声になって、そこから人間になっていくというストーリー。
──なるほど。いまはどこなの?
マチルダー : ドブガエルとアマガエルのハーフ。
──段々、良くなってきているじゃないですか。新曲の“Hyper Cracker”をはじめて聴いたときはどう思いましたか?
マチルダー : 未知の領域だなって感じました。いままでにない曲調だったのでASPの新たな一面として捉えて楽しんでくれたら嬉しいなと思います。
──“Hyper Cracker”の聴きどころを教えてください。
マチルダー : 特に「カエル Be quiet!!!」からサビに入るところは聴いていて気持ちいいです。ギュッとひとつになって終わっていく感じもあるのでライヴでやるのが楽しみです。
──“Why donʼt you KiLL me??”は、どのような曲になりましたか?
マチルダー : “Hyper Cracker”で「私はラッパー」って暗示をかけて歌ったのに比べて、“Why donʼt you KiLL me??”は少し自然体で歌えていた気がします。
──“Why donʼt you KiLL me??”のおすすめのポイントはどこですか?
マチルダー : 皆軟体動物みたいにクネクネした歌い方をしています。でも、サビになると迫力が増して怪獣みたいになるのでおもしろいなと思います。
──〈ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR〉がはじまって約1カ月後に、ウォンカーさんがお休みに入ると聞いたときは、どういう気持ちになりましたか?
マチルダー : 悲しい気持ちもありつつ、常にふたりで行動していたからひとりで成長していけるチャンスだなって思いましたね。
──ウォンカーさんから「足の調子が悪い」と言われたとき、なんて声をかけましたか?
マチルダー : 私はそのとき痛みっていうのがわからなくて、「大丈夫? いま痛い?」っていうありきたりな言葉しかかけられなかったなって思っています。
──その数日後にマチルダーさんも足の怪我でお休みされていましたが、その期間中になにかやっていたことはありましたか?
マチルダー : お家で歌って、カルシウムが入ったサプリと牛乳を飲んで寝ていました。
──マチルダーさんがツアーに参加できたのは6公演ですが、回ってみてどうでしたか?
マチルダー : いろんな人にASPを知ってもらうのが楽しかったです。その地方に行かなかったら会えなかった人もいるわけで、地方に行ってなにかを残していく、その連続が楽しくて活動している実感がありました。
──もちろんASPのことを東京から追ってきてくれる人もいるじゃないですか。でも、コアなASPのファンじゃない人たちもいますよね。そういう人たちに向けてもなにか意識したことはありますか?
マチルダー : ライヴは一体感が大事だからこそ、コアじゃない方からしたら知らない曲とか、知らない踊りとかあると思うので、一人一人と目を合わせて、知らない曲でも楽しんでもらいたいと思いながら臨んでいました。