追い込まれても、それが未来の活力になってると信じてやりたい
──BiSと東北の結びつきは、とても強いように感じます。
ティ部 : 〈ARABAKI ROCK FEST.22〉に出演できるよって聞いたときに、すごく嬉しかったんです。もちろん、出演が決まったのも当たり前のことじゃないし、いろんな方の協力もあって手に入れた出場権なんですよ。来年も絶対出てぶちかまそうっていう気持ちでやってきましたし、ツアーもやったことで、東北が大好きになりました。
──東北の好きな場所はどこですか?
ティ部 : 私は、大船渡がすごく好きです。たくさんの人に来てもらえる場所にしようと思って作られてるんだなと感じます。田んぼと海ばっかり見えると、地元に似てるなとも思うし。シンプルに街の作りが好きだし、自然とテンションが上がりましたね。
──東北ツアーが終わり、いまは〈BUiLD our STRENGTH TOUR〉で全国を飛び回っていらっしゃいますが、こちらはどう?
ティ部 : いままで全く行ってこなかったところに行っているんですけど、全公演ソールドアウトしたことがすごく嬉しいですね。いままで、地方公演をやっていたときに「近くの県から来たんですよ」っていう声をずっともらっていて。その人たちのことも覚えていたから、「やっと、あの人たちの地元で会えた! 嬉しい! 」という気持ちが大きかったです。でも、ライヴ自体の完成度や手応えは、まだちょっと足りないですね。
──それは、どういうところがまだ足りないんですか?
ティ部 : MCですね。これはずっと課題。
──ヒダカさんとかめちゃくちゃMC上手いもんね。
ティ部 : すごく上手いですね。お客さんが好きな言葉をわかっているんですよね。自分でも、「はじめて来てくれたお客さんが言われたら嬉しい言葉ってなんだろう?」ってずっと考えてはいるんですけど、自分の感情と、お客さんの感情を考えるとなにを喋ればいいのかわからなくて…。
──MC以外に課題だと感じていることはありますか?
ティ部 : 今回のツアーでは、久しぶりにやる曲が多いんですよ。それをはじめての土地でやると、まだ曲が育ってないんですよね。BiSのライブにそんなに来たことがない方々は特に、どのようにライブを楽しむべきかわからない人も多いと思うんです。お客さんもBiSの全ての曲を聴いてるわけではないじゃないですか。その方々にどう楽しんでもらうか考えるのが難しいです。ライヴは予想外のことが起きるけど、それに対応していかなきゃいけないので、自分たちが嬉しいことだけを考えちゃダメだなと思いました。
──新曲の“Hey boy hey girl”はどんな曲になりましたか?
ティ部 : この曲は、私がBiSに入る前のほうが、歌詞に共感できたような気がします。以前は「いまが楽しければよくない?」って未来を考えずに生きているところがあったんですけど、それがすごく楽しかったんですよよね。でも、いま私たちはBiSとして、いまだけ楽しいじゃダメで、もっと先のことを考えなきゃいけない。未来のために、いまちゃんとしないといけないなと思っています。毎日追い込まれてもいいから、それが未来の活力になってると信じてやりたいんですよ。
──なかなかストイックですね。
ティ部 : マゾなのかもしれないです(笑)。でも、研究員にはいまこの時間を本当に楽しんでほしい。後悔するから「未来のことなんて考えずに、いまを楽しまなきゃダメだよね」と思ってほしい。この曲はライヴで特に相乗効果が生まれる曲だと思います。
──“Hey boy hey girl”のティ部さん的推しポイントを教えてください。
ティ部 : “Hey boy hey girl”は、BiSが大事にしている感情そのままなんですよね。ライヴで共感しあって楽しみたい。楽しいことがあったときに、この曲を聴いてさらに楽しくなってもらいたいと思っています。歌詞は、「明日あるなんて 考えたら輝けないじゃん 今に分かるから 今しかないじゃんね 愛し合おうぜ」のところが好きです。研究員とライヴで愛し合いたいです。