この曲がみんなの中でどう育っていくんだろうなって
──年末の紅白はいかがでしたか。
ハシヤスメ : リハーサルをたくさんやらせてもらえたので、安心感がありました。
──みんなに聞いたら「ガチガチでした」って言ってましたけど。
ハシヤスメ : ガチガチでした。でもとにかく紅白当日まで体調面に関してすごく気を使ってた期間だったし、始まってしまったからには時計の針は止まらないわけで、お祭り気分にしないとなって。出番前にメンバーみんなで袖に並んでいたときに「楽しんでますか?」って声をかけてくださった方がいて、アイナかチッチか忘れたんですけど「緊張してます」って言ったら「お祭りなので楽しみましょうね」って言ってくださったんですよ。その一言で、そうだ、いまは12月31日で、「今年1年いろいろあったけど来年も頑張ろう!」っていうのを伝えないといけないエンタメの場所だっていうのにハっと気づいて。緊張してる場合じゃないし、楽しまないといけないし、楽しんで元気や勇気を与えることが使命かもしれないっていうモードに入っちゃって、そこからは結構私は楽しかったですね。
──すごくいい話。
ハシヤスメ : ドキドキしましたし、ありえないくらい口が乾いたりもしたんですけど、やっとBiSHチームと清掃員の夢も叶えられたし、応援してくださってる方が喜んでくれたと思うので、自分としてはいろんな気持ちを抱えながらパフォーマンスできた気がします。楽しかったです。
──1月の代々木公園野外ステージではみんな吹っ切れていた印象を受けましたが、いかがでしたか。
ハシヤスメ : あの日めちゃめちゃ寒かったんですけど、みんな寒い中全力で応援してくださっていたので、気持ちがビシビシに伝わってきて、自然と朗らかになった日だった気がしますね。1人1人の表情が見えて、これから始まる2023年までのBiSHの旅を楽しむぞっていう気持ちが伝わってきて。解散を発表してから初めてちゃんと清掃員の方と向き合った日でもあったので、あの日は「今までありがとう、これからもよろしくね」って気持ちで挑んだ日でした。
──「FiNAL SHiTS」は本当にエモーショナルな曲で。12ヶ月連続リリースの最後じゃなくて1曲目に持ってくるんだ!と思いましたけど、ハシヤスメさんにとってはどんな曲になりましたか。
ハシヤスメ : 「FiNAL SHiTS」が発表されたとき「あぁ、本当に最後なんだな」っていう気持ちにはなったんですけど、この曲がみんなの中でどう育っていくんだろうなっていうのが楽しみでもあって。きっと最後の日も歌うと思うし、そのときにこの解散までの日々がフラッシュバックすると思うんです。最初発表されたときはこんな気持ちだったなとか、2月は「ぴょ」をやったなとか。ファンの人と一緒に育てる曲だと思ってます。
──振り付けもセルフオマージュが入っていて、これまでを振り返るような面もあって。
ハシヤスメ : イントロで手を上にやってピラピラピラピラっていう振りがあるんですけど、MVでは星形の銀テープがめちゃめちゃ降ってくるんです。初の幕張メッセのワンマン〈BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED THE FiNAL “REVOLUTiONS”〉でやった「プロミスザスター」で星形のテープが降ってきて、あのときのテープはすごく嬉しかったけど、今回の「FiNAL SHiTS」のテープはちょっと寂しい気持ちになったんですよね。テープの1つ1つが、初めてCDを発売したときの思い出、BiSHに入ったときの思い出、初ライヴの思い出、とかいろんな思い出を含んで降ってきたような感じがして。そういうことをフラッシュバックしながら踊ってましたね。
──2月の「ぴょ」は「FiNAL SHiTS」とは打って変わって、不思議な曲ですが。
ハシヤスメ : BiSHはかっこいい曲やエモーショナルな曲もありますけど、「ぴょ」は清掃員の方と楽しめる曲だと思っているので、レコーディングも振り入れも楽しかったですね。
──「ぴょ」はダンスも独特で、アイナさんの感性が発揮されていますよね。「SOYや沿や総意や相違や」って歌詞から相撲が出てきたわけでしょ。
ハシヤスメ : アイナのソロ・ライヴも行かせてもらいましたけど、彼女の才能って本当にすごくて。歌の面だったり踊りの面だったり、本当にずっと見れちゃうなって思うけども、BiSHにいるときはソロからは想像できないような振りを考えてきてくれたりするので、底知れぬダンススキルだなと思いますね。
──3月の「愛してると言ってくれ」は、ハシヤスメさんハマってましたね。MVを見てても全然違和感がなかったです。
ハシヤスメ : おお!めちゃめちゃ嬉しいです。ありがとうございます。みんな照れながらも頑張ってたと思うんですけど、私は「あざとい感じでやってください」「ああ!全然できまーす!」って(笑)。BiSHでかわいい曲ってなかったので、見ててちょっと恥ずかしくはなりますけど、みんなやっぱりかわいいな、こんなかわいさもあるんだってMVを見て思いましたね。