2022/02/18 19:00

Analogfish 『SNS』

Analogfishが昨年12月に3年の沈黙を破りリリースした、11枚目となるアルバム『SNS』。佐々木健太郎のエモーショナルなボーカルと、下岡晃の淡々としながらも抜け感のある歌声は健在。今作もシンプルでキレの良いサウンドはそのままに、前作よりも軽快でどこかポップな印象を受ける。それにより、Analogfishの大きな魅力の一つといっても良いストレートでメッセージ性のある歌詞が、より際立ち気持ちよく刺さってくるのだ。 2011年に『失う用意はある?それともほうっておく勇気はあるのかい』で、社会と呼応するような世界を描いた彼ら。そんな彼らが、2021年に『SNS』というタイトルでリリースした本作にも、歌詞のあちこちに今の社会と呼応するメッセージが隠されているはずだ。

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Summer Eye 「人生」

2020年6月30日に解散を発表した元シャムキャッツのヴォーカル&ギター・夏目知幸が始動したソロプロジェクトSummer Eye。そんな彼が2021年12月、満を持してリリースした1stシングル、その名も「人生」。本作は、例えるなら「肉も魚も野菜も豆腐もうどんもラーメンも、そしてスイーツまでいっぺんに食べられる大鍋」である。 軽快なサンバのリズムをプロムラミングし、ギターはボサノヴァのコード進行、バックではさまざまな電子音が鳴り、その上に彼の魅力の一つでもある人懐っこくどこか色気のある歌声がのる。意表を突かれ、クセになり何度もリピートしてしまう本作は、彼の新たな出発にぴったりな一枚だ。また、本作に対し彼は「自分なりの右ストレートを放とうって思って作りました。」とコメントを寄せているのも、ファンは思わず微笑んでしまうポイントなのでは。

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The fin. 『Outer Ego』

英国へと拠点を移した彼らが、拠点変更後の1枚目として2018年にリリースしたアルバム『There』。本アルバムでよりグルーヴ感を増し、音楽性の拡張をありありと見せつけてから早3年。昨年11月、待ちに待った3枚目のアルバム『Outer Ego』がリリースされた。そんな本作の1曲目“Shine”を聴いたとき、「封を切った」という感覚になった。まるで新鮮な空気がこちらへ吹いてくるようで、彼らは変化と拡張を続けているのだと確信したのだ。 彼らの世界を象徴するようなドリーミーな世界観はそのままに、サウンドにはさらに厚みが増し、アンビエント要素も感じさせる。そして2曲目の“Over the Hill”をプレイすると、ガラッと顔を変え、U S・U Kインディポップ色の強い一曲に。さらに9曲目“Outer Ego”はサイケデリックな空気感が漂い、曲ごとに違った一面をみせてくれるアルバムに仕上がっている。さまざまなジャンルの音楽を飲み込み、自分たちのフィルターを通し作品に昇華させてくれる彼らの変化から今後も目が離せない。

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この記事の筆者
那須 凪瑳 (Nagisa)

誕生日は森高千里、加山雄三、武田鉄矢、そして金子みすゞなどと一緒。現在はフリーライター、ときどき編集者としても活動しています。

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.181 CONTRIBUTORS SPECIAL : レコ屋時代、ジャンルも時代も、まあまあバラバラ

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REVIEWS : 040 国内オルタナティヴ×ポップ(2022年2月)──那須凪瑳

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