2021/10/04 18:00

XSAI 『deliqate』 

XREとYASAI SHOPのユニットXSAIの1stEP。チルなサウンドにXREの優しい声色との組み合わせが中毒性を生み出す。ウィスパーボイスを交えたフロウと、メロディアスなフックとのギャップが心地いい。完成されたチルサウンドと言ってしまえばそれまでだが、その時の感情で季節感を描写できるアンニュイな情調が癖になる。日常の些細な部分をナチュラルに歌詞に落とし込んでいるのが特徴で、「throbbing」は一見ラブソングのようだが、リアリティの分量が多く含んでおり、時折狂気的なものを感じる。そういうサウンドとリリックのギャップも楽しめた。時代の流れに沿ったチルサウンドとの融合と思いきや、ある意味このサウンドでないと表現できない的確な音楽性を上手く作り上げているように感じた1枚。

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東雪蓮 『Love-in-a-Mist』

耳に馴染む歌声と情緒的な歌詞が、淡いエレクトロニック・サウンドと見事にマッチした東雪蓮の1st EP。シンプルに、聴きやすく、前向きさと不安な気持ちが入り混じったようなメッセージ性の楽曲が、東雪蓮のヴォーカルを際立たせる印象を受けた。身近な誰かに向けたような言葉と、時折幻想的な表現が見え隠れする世界観が全ての楽曲で感じ取れる。機嫌を伺ったり、一緒にいた頃の記憶を振り返ったり、1曲毎にしっかりとストーリーが組み込まれていて、歌詞をなぞっていくことで楽曲の深みが増す。サウンドの一部かと思ってしまうくらい東雪蓮の声がとにかく美しい。

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AMOKA 『TOY BOX』

VTuberにしかできない音楽が存在したとして、最もその定義に近いアーティストと認識しているAMOKA。“VR Music Group”を謳うだけあって、VRChatの世界観をフル活用した音楽ライヴは、唯一無二でありかなりユニークだ。そんなAMOKAが、待望の1stアルバム『TOY BOX』をリリース。VRの可能性を最大限POPに歌いこなした”Welcome to the Virtual Reality World”は、極端な表現ではなく、かなり壮大なテーマからまさに無限の可能性を歌っている。そして、AMOKAの人気曲”不完全存在”は、タイトルからは想像できないほど前向きで、自身と向き合う必要性を感じさせるキャッチーな楽曲。業界でも屈指のハーモニーを奏でるあいぽともいさんのツイン・ヴォーカルも堪能できる贅沢すぎる1枚。

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[連載] ππ来来

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