私たちだけじゃなくて、みんなで作るステージ
──ファンにだけ見せられる、自分の一面ってありますか?
小山 : 自分の弱い部分とか本音はファンにしか見せられないから、個人ファンクラブでしか吐けないことはたくさんある。みんなが優しく反応してくれるって分かるから、ひなも素直な気持ちを見せられるんですよね。
一ノ瀬 : 素直なだけだと損をするし、正義だけを歌うとバカにする人たちってたくさんいると思うんですよ。だけどファンの方は、幸せとか希望とか勇気とか「私は本気で思ってるよ」と伝えても、誰もバカにしない。大事だと思うんですよ。純粋に自分が思っていることを発言して、誠実に真面目に受け止めてくれる存在がいるのって。ときには自分が本気で思ってることを家族に伝えてもバカにされるし、友達同士でも恥ずかしいし、仕事でも胡散臭くなっちゃうと思う。だけど、なんのフィルターもなく、ファンのみんなは理解してくれる。それは舁夫さんにしか出せない、自分の心の内側ですね。
塩見 : 私にとって、ファンの方って孤独を埋めてくれる存在なんです。私も周りの人に対して弱音を吐くことはできないけど、ファンに対してだったら吐けるんですよね。
──僕も然りですけど、一般の人たちってファンがいる感覚って分からないと思うんですよ。ファンってどういうものなんですか?
みき : ファンがいるって、最初は不思議な感覚でしたよ。赤の他人なのに、なんで私のことを知ってるの?という感情もあったんです。だけど……言葉にするのは難しいな。だって友達でもないし、家族でもないし、でもお客さんって感じでもないんですよ。もちろん、いることが当たり前でもないし。
小山 : 私にとっては味方。その人たちのために頑張れるし、自分のためにも頑張れる存在です。
──家族や友達も味方じゃないですか。それとは違う意味での味方なんですか?
小山 : 家族に近いかもしれないです。ママにしか言えなかったことをファンには言えるし、味方が増えて強くなれた感じです。
めい : 私、神宿をやる前はすごく尖っていたし、自分には味方がいないと思っていて。私が死んだとしても悲しむ人はいないだろうな、と考えながら生きてきたんです。だけど今、こうしてアイドルをやっていると死ねないなと思う。自分で言うのもなんだけど、私が死んだら悲しむ人がいると思えるから。だからファンの存在は、私が生きる理由になっていますね。
塩見 : 「友達とは違う」って話があったけど、それはそうだなと思うんです。私、友達は狭く深くのタイプだけど、ファンの方とはそうはいかないじゃないですか。メディアではたまたま見られた姿が切り取られちゃうから、本当の自分を理解されるとは限らない。それでも、一生懸命に私のことを理解しようとしてくれる。そういう意味では、味方という言葉はピッタリな感じがします。
──一ノ瀬さんは?
一ノ瀬 : 中学生でテレビに出たりCMに出たりして、見えないところでファンが増えていくのはすごくプレッシャーで重圧が大きかった。一人の時間が欲しいと思ったし、自分の殻に閉じこもっていたいとも思った。そもそも私は、家庭環境が複雑で家族の愛って何なんだろう?と思いながら生きてきたから、そういう意味ではすごく純粋な愛をファンのみんなに教えてもらえて感謝してる。たくさん色んなことを教えてくれたと思ってます。
──「一人の時間が欲しい」「自分の殻に閉じこもりたい」と思っていた気持ちが変わった決定的なきっかけは何なんですか?
一ノ瀬 : ちょくちょくあるんです。例えば、生誕祭ですね。私のことを喜ばせたいと言って、SNSで裏垢を作って内緒でケーキを用意してくれたりとか、みんなからのメッセージを詰めたすごいページ数のアルバムを作ってくれたりとか。……私はろくに誕生日も祝われてこなかったから、誰かに自分の生まれた日を祝ってもらうなんて不思議だなと思いつつ、そこでいっぱい愛を感じた。7年の活動の中で、そういう場面がいっぱいあります。
──最後に、9月26日にぴあアリーナMMで「神宿 7th Anniversary Live:WE ARE KAMIYADO」が開催されますけど、どんなステージにしたいですか。 (この取材は、アリーナ公演の直前に行われました)
みき : 今までの周年ワンマンは、私たちからみんなに「これが神宿です」と一方的に提示してきたライブだったんですけど、今回は「みんなでステージを作ろう」というコンセプトになっていて。舁夫さんから歌ってほしいセトリを募集したり、SNSで「#みんなで作る次の神宿」や「#神宿アリーナ」とハッシュタグをつけて拡散をしてもらったり。あとは、初めてクラウドファンディングをやったんですけど、ライブDVD制作をするための500万円が10日で集まって、今は700万円以上の支援をしてもらえて。それだけ楽しみにしてくれている方が沢山いることが嬉しいし、私たちだけじゃなくて、みんなで作るステージになっています。
めい : ただ楽しむだけじゃなくて、舁夫さんたちって私たちのメッセージを受け取りに来てくれているんだなと思うから、アリーナで私たちの運命も変わるけど、舁夫さんたちの人生も良い方向に変えるきっかけにできたらと思ってます。
塩見 : 自分たちの伝えたい想いをちゃんと持って、それを伝えられるようなライブにしたいと思う。何より7周年記念ワンマンライブだし、お祭りみたいな楽しさもありつつ「今日は来てよかったな」と思えるプラスの感情を持って帰ってもらえるような1日にしたいと思います。
一ノ瀬 : 私は、会場に来た全員の目を見て帰ることを目標にしてます。「ワンマンライブでは、全員のお客さんと目を合わせたい」というのは結成当初からずっと言ってるんです。だけど、当時のインタヴュアーさんに「仮にアリーナとかドームに行ったら、そんなの無理ですね。グループが大きくなったら、その気持ちは絶対に忘れちゃいますよ」と言われたことをずっと覚えていて。じゃあ今はどうなのか?と考えたら、あれから7年が経ったけど、私の気持ちは変わってないです。会場にいる全員と目を合わせて心を通わせられる空間にできたら良いなと思います。
──最後に言い残したことはありますか?
めい : 「舁夫さんたちは味方だ」という話をしたじゃないですか。私たちにとって、みんなが味方であるように私たちがみんなの味方だよ、ということを……このインタヴューに残していくぅ!!(机に拳をドン!)。
一同: …………。
──あれ?みんなも続いて机にドン!ってやるのかと思ったら。
一ノ瀬 : 私たちは青舁夫じゃないので、ノリが分からなかったですね。
──最後めっちゃ冷たい!
編集: 西田健
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PROFILE : 神宿
2014年9月結成。原宿発の5人組アイドル・ユニット。〈UUUM〉所属。メンバーは一ノ瀬みか(赤)、羽島めい(青)、羽島みき(黄)、塩見きら(緑)、小山ひな(ピンク)。グループ名の「神宿」は「神宮前」と「原宿」を合わせたもの。神宿(KMYD)の頭文字 K=KAWAII(可愛い! )M=MAX(全力! )Y=YELL(応援! )D=DREAM(夢! )を届けるために原宿を拠点に活動している。
【INFO】
■神宿 オフィシャルHP:
https://kamiyado.jp/
■神宿 オフィシャルTwitter:
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