生き甲斐がWACKしかなかった
──今回のアルバム『ANAL SEX PENiS』は、モグ・ライアンさんにとってどんなアルバムになりましたか?
モグ・ライアン : 最初からロックでゴリゴリな曲になっていてかっこいいアルバムになりました。私はWACKのロック・アイドルみたいなところに惹かれたので、かっこいい曲を歌えることが嬉しいです。このアルバムを親に聴かせたんですけど「80年90年代のパンク・ロックの感じがする」って言われて私は80年90年代の人ではないので分からないんですけど、ただかっこいいだけじゃなくて聴いていて懐かしいって思うような曲になっているので聴いてもらうのが楽しみです。
──アルバムのなかでどの曲がいちばん好きですか?
モグ・ライアン : “A Song of Punk”が好きです。
──それはなぜ?
モグ・ライアン : エモーショナルなピアノからはじまるのに、サビのところでパンク・ロックになっていて、その真逆な音が組み合わさるところがかっこいいからです。あと、WACKの歌詞でよく「行かなくちゃ」っていうフレーズがあって、“A Song of Punk”の歌詞にも「行かなきゃ」っていうフレーズがあるんですけど、この曲を聴くたび歌うたび本当にWACKに入れたんだなと思って。
──今回“NOW or NEVER”、“GO STRAiGHT”、“TRUST MYSELF”の3曲をモグ・ライアンさんが作詞されていますが、歌詞はすらっと書けましたか?
モグ・ライアン : 曲がバーッと送られてきたから、なにから書いたらいいのか全然分からないし、抽象的な歌詞を書きたいと思っていたんですけど全然書けなくて。こうなったら素直に過去の自分について書くしかないと思って、自分のダメなところをダーッと書いて提出したら選ばれました。
──過去の自分を書いているんですね。
モグ・ライアン : 過去の自分に対してもそうですし、直さなきゃいけないところとか、自分のダメなところを書いて前向きな歌にしました。
──学生時代はどんな子でしたか?
モグ・ライアン : 中高生のときは幽霊みたいに過ごしていました。勉強ができなくて、テスト再テスト再テスト補習っていう毎日で泣きながら学校に行っていて、BiSHさんの曲を聴きながら無理やり通う生活をしていましたね。クラスの子とかじゃなくて先生にいじめられていたんですよ。
──先生から?
モグ・ライアン : 先生をなめている感じがするのか分からないんですけど、私のことがすごいムカつくんですかね。わざと再テストにさせられたりとか、私のほうが1点高いのに再テストとかさせられたこともありましたし、忘れ物していないのにしているって言われたりしました。でも学校の帰りにライヴがあったら、そのライヴが生き甲斐でがんばりました。
──それはBiSHの?
モグ・ライアン : はい。リリイベとか行くためにがんばって学校に行って、生き甲斐がWACKしかなかったです。
──それこそ「ただの空っぽだった」(“NOW or NEVER”の歌詞より)って書いた通りってことですね。
モグ・ライアン : そうですね。空っぽでしたね。親に聴かせたときに「ロックのストレートな曲には、ストレートな歌詞のほうが刺さるよ」って言われたので、ダサくても全部さらけ出したほうがいいなって、かっこつけずに素直に書きました。素直に書きすぎて恥ずかしいですけど、選んでいただいたからには自信を持って歌わなきゃいけないのでがんばっています。
──“GO STRAiGHT”は、どんなことを思って書いたの?
モグ・ライアン : この曲はアニソンぽいなと思って、ジャンプとかのオープニング曲の歌詞ってすごく前向きでストレートだから、ここまで普通に書いていいんだって思いくらいに書きました。
──どんなアニメをよく見ていたんですか?
モグ・ライアン : いちばん好きなのは「魔法少女まどか☆マギカ」です。10年前から好きで、WACKにはまる前まではアニオタをやっていました。
──「真っ直ぐに行け」(“GO STRAiGHT”の歌詞より)という言葉の真意は?
モグ・ライアン : 私がひねくれた性格をしていて曲がっていたらやっていけないので「真っ直ぐに行け」って書きました。
──どういうところがひねくれているんですか?
モグ・ライアン : 人に褒められることがないので、たまに褒められたとき“褒める気ないでしょ”って裏をかいてしまうんですよ。言われたことを素直に受け止められないし、すぐ人の裏をかいて勝手に負の感情になって辛くなるみたいな生活を送ってきたので、これからはそういうのを気にしていたらやっていけないので“やーめよ”っていう歌詞です。
──“TRUST MYSELF”の歌詞に「自分を信頼しよう」って書いてありますけど、いま自分自身を信じていますか?
モグ・ライアン : まだ信じられなくて“こんな私って”と思っていますね。でも、いまは自信あるあるってだましながら過ごしていて、ASPでいろんな経験をして本当に自信を持てるようになりたいです。