人とのつながりで支えてもらった10年間
──7曲目“ケツイ”ですが、この曲は何を決意した曲でしょう?
真行寺:いちばん最後に歌詞を書いた曲なんですけど、自ら命を絶つ人たちのニュースを見てそれが僕のなかでショッキングだったんですよね。これまで周りのサポートもありつつ支えてもらって今があるなという気づきがあったからこそ、乗り越える解放もあるぜと。乗り越えた先のできあがった解放みたいなものを今回感じることができて、そういう思いを曲にできないかなと書きました。乗り越える解放のことをケツイとしているのかもしれないです。
──続いて“O・TE・A・GE・DA!”はどのようにして作られたんでしょう?
酒井 : 単純にMark Ronsonの“Uptown Funk”みたいな、バチバチの洋楽みたいなものをやりたいというイメージでした。歌詞も最初はもっと皮肉っぽかった。でも、「皮肉が効きすぎているから、もうちょっと明るくしよう」みたいな話をして、こういった楽曲になりましたね。
真行寺 : リアルすぎてもダンス・ミュージックとして乗りづらいとか、バランスは1回みんなで話し合いましたね。
──“Be Bold!”はいつごろの曲ですか?
大山 : これはアルバムレコーディングの直前。
真行寺 : オケがきたとき、久しぶりに“Golden Liar”みたいなのがきたなと。原点回帰しているのかなと思いましたね。
大山 : アルバムに入る大体の曲が見えてきたタイミングだったんですけど、リラックスできる“Switch”みたいな曲ができるようにもなったし、真行寺が歌っていることとかも基本的にメッセージが温かくてそれがいいなと思ったんですけど、ふとアンチテーゼしたくなった。「やんちゃじゃなくなりました」にはなりたくない感があって、スティーヴィー・レイ・ヴォーンみたいに「歳をとってもイキるぜ」みたいなかっこよさを曲にしたいなっていうトラック・メイクだったとは思います。
──アルバムの最後の曲、“アーモンド・アーモンド”は、これはもしかして… タイトルの通り、アーモンドの曲ですか?
真行寺 : そうですね、アーモンドの曲です(笑)。この曲はアーモンドを擬人化して愛でています。最初は女の子とのラヴソングの話だったんですけど、そのままだとおもしろくないよねと相談していた時に、たまたま自粛期間中にパワーサラダというものを頼んで食べている時期がありまして。パワーサラダってアーモンドが別の袋で付いてくるんですよね。なんでこれを入れるんだろうと思いながら、サラダに入れて混ぜて食べたらマジで美味しくて。そこから、コンビニでサラダを買う時も別売のアーモンドをぶっこむっていうのをずっとやっているぐらい。「俺、アーモンド好きだな」って気づいたから、この曲ができました。
──アルバムの最後にアーモンドの曲がくるとは思ってなかったので驚きました(笑)。
真行寺 : オシャレかなと思って(笑)。
大山 : トラック的にはすごくソウルなんですよね。ラヴソング自体は、ソウルというジャンルではド定番なので、真行寺貴秋の恋愛の曲なんだなという風に私たちは聴いていますけど(笑)。
酒井 : 普通だと本当におもしろくないからどうしたもんかなと思っていたけど、おもしろくなりました(笑)。
──ありがとうございます。最後に、これまで活動してきた10年はBRADIOにとってどんな期間でしたか?
酒井:僕は嘘みたいな10年間というか。はじめてのことが多かったんですよね。ライヴハウスで売れないバンドマンをずっとやっていたので、それこそデビューさせてもらってから、いろんな人たちに支えられてやってこれたので、見られない景色もいろいろ見れたし本当に濃厚だったなっていう思いがあって。10歳から20歳までの10年間と比べものにならないぐらい濃いというか。自粛期間にそういうことも考えたんですけど、やっぱり忘れていることが多いなと思って。写真とか見返すと「こんなことあった、あんなことあったな」って、いいことも悪いこともいっぱいあった。簡単ですけど、すごく濃厚な10年だったなって思います。
大山:学生の頃にバンドがやりたくて上京したまま、大人になっている感覚はあります。未だに「良い育ちじゃないマインド」みたいなものは持っているし、よくアニメであるような弱小校が仲間をつくって強豪校に打ちのめされながら登っていくような感じはずっとあって。そういう自分たちの川にどんどん水を追加してくれる人だったりとか、川を太くしてやろうぜっていう人がいっぱいサポートしてくれるのは人徳しかないというか、ラッキーだなと思います。だからこそ我々がやることはファンが喜ぶような音を作ることで、いつもキョロキョロしている感じが未だにあります。それが逆におもしろいかな。この先はわからないんですけど、もしかしたら川を下るのをやめて木に上がろうみたいな時がくるのかもしれないですし。いまは川を選べないなというところまできていて、ここからは違う川に行くみたいな話も想像できないというか。10年渡ってきた川を振り返ってみると、意外と長い距離きているなみたいな感じがありますね。
真行寺:いま思えばこれで良かったなっていう感じはあって。音楽はもちろんそうなんですけど、人との繋がりでこの10年支えてもらったのかなって。もともと別々のバンドにいたメンバーが同じタイミングで解散しちゃって、一緒になったところからはじまって。いまのマネージャーがつくまでは友達がアー写とかライヴの手伝いにきてくれていたし、いまでもジャケットをやってくれている友達もいます。最初の2、3年で関わってくれていた人と今でも一緒にやれている。そういう人たちに支えられてきましたね。音楽はもちろんのこと、人とのつながりで支えてもらった10年間でした。途中いろいろありましたけど、最終的にそういうことを全部肯定できるいまがあるのかなって思います。
編集 : 西田 健
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LIVE INFORMATION
〈Joyful Style Release tour 2021~止められないファンクネスを、今~〉
2021年6月13日@大阪府・なんばHatch
2021年6月19日@東京都・LIVE CUBE SHIBUYA
2021年6月21日@愛知県・Zepp Nagoya
PROFILE:BRADIO
真行寺貴秋(Vo)、大山聡一(G)、酒井亮輔(B)からなるファンキーなバンド BRADIO。
『音楽って素晴らしい』を共有したい。
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