いまは自分の中で種を蒔いていく期間
──〈REBOOT BiSH〉をやってみてどうでしたか。
チッチ : 正直、反省点が多すぎましたね。
──え?そうなんですか?
チッチ : 感情でいったら100点だけど、ライヴとして見たら全然ダメだなと。俯瞰して見たときに違和感が結構あって、私も他のメンバーもライヴのブランクを体感したんですよね。ライヴの後にBiSHチームのいろんな人にどう思ったか聞いても、「やっぱりもうちょっといけると思う」ってみんな言っていたので。「できた、よかった」だけじゃダメだなと思って、私は結構考えました。でも全員楽しんでいたっていうのはよかったですね。実際にいいところはたくさんあったから、あのライヴがよかったって思っている子はそう思っていていいと思うんですよ。ブランクはここからのツアーとかライヴでスピードを上げて取り戻していくしかないっていうのは伝えたし。
──なるほど。
チッチ : 私はいいことも悪いこともひとりで考える癖があって、それをあんまり共有しないんです。だけどこれからはひとりで考えるんじゃなくて、みんなで考える癖をつけないとダメだなと思って。向かっている方向は一緒でも、ちょっとした焦燥感とかこれはいいっていう沸点みたいなものがバラバラで、せっかくグルーヴが出てきたのにもったいないので、いろんな気持ちを共有しようと思いました。
──再び緊急事態宣言が出たこのタイミングで、チッチさんはどんなことをしていたのでしょうか。
チッチ : 家で作業することが多かったです。BiSHで集まる仕事がないとき、私は何もしていないのが怖いのでちょっと焦るんですよ。もちろん自分の番組とかラジオとかはあるけど、それ以外の時間に何もないとソワソワしちゃって。提出物はたくさんあるのでできる限りやろうと思って、何もない時間を作らないようにしています。あと外に出ることがあんまりできない状況だから、いまはいろんな人の配信ライヴやMVを観て刺激を受けたりとかもしますね。いまは自分の中で種を蒔いていく期間で、それがどういうふうになっていくかは自分の頑張り次第だと思うので、この先どうなりたいかを思い描いて、そのためにいま何をするかっていうのを最近考えています。
──この先どうなりたいんですか?
チッチ : 秘密です(笑)。言っちゃったらおもしろくないから。やりたいなと思うことはたくさんありますけど。
──それぞれソロの仕事が増えていく中で、ちゃんと核になってグループのことを考えている人がいる、というのは心強いですよね。そういう意味でチッチはその核になっているのかなと思います。
チッチ : ずっと考えてはいます。たとえば次のライヴはどういうふうにやっていかなきゃいけないかなとかもそうだし、ソロの仕事が増えたとき、やっぱりバラバラのままだと飛んで行っちゃうので、グループとしてどう引き寄せなきゃいけないとか。私が代表でBiSHとして出なきゃいけないときとかも深く考えて緊張していたりとかするので、そういうふうに思ってもらえているなら嬉しいですね。
──配信シングル「STORY OF DUTY」はどんな曲になりましたか。
チッチ : 『LETTERS』もそうですけど、メッセージ性の強い曲がたくさん世に放たれているじゃないですか。でもそこに、メッセージはあるけど遊び心があって爆弾みたいにボーンって出せたのが良かったと思っていて。私的には「その位の曲をそろそろ聴きたくない?」みたいな気持ちだったんですよね。ちょっと意味が分からない曲が出たな、みたいなのが私たちの新しい動きを作り出している感じもしたから、BiSHらしい部分を見せれてよかったなと思います。