tacica 「煌々/ホワイトランド」 ハイレゾ試聴会レポート
今回のハイレゾ試聴会には定員数を大きく上回る応募が集まり、都内外からの参加者も多く見られた。tacicaの新曲をいち早く、良質な試聴環境で聴いてもらおうと開催したこの試聴会には、当選者全員が会場へ足を運び、tacicaへの公開インタヴューやハイレゾ音源の試聴を楽しんだ。本ページでは、このイベントの様子をレポートする。
イベント協力 : 株式会社 メディア・インテグレーション
: 株式会社 エミライ
: 株式会社 小柳出電気商会
「煌々/ホワイトランド」試聴後に使用機材を紹介
文&構成 : 伊達恭平
メンバーの登場前に、会場ではまずハイレゾ音源の「煌々/ホワイトランド」を試聴した。今回使用した機材はOTOTOYのプロデューサーも務める、音楽評論家、オーディオ評論家の高橋健太郎によって選抜されたため、インタヴューへ入る前に高橋健太郎本人より使用機材についての説明が行われた。
高橋 : 普段みなさん音楽を聴くのは、ヘッドフォンとスピーカーとどっちが多いですか? (観覧者がどちらかで手を上げる) 8割くらいがヘッドフォンですね(笑)。なかなか、こういうスピーカーで大きな音を出して聴ける機会ってないと思うんですけど、ハイレゾ音源をスピーカーで聴く喜びっていうのは大きいと思うんですね。
高橋 : 今日は僕が好きなスピーカーを借りてきました。これは〈FOCAL〉というフランスのメーカーの「SM9」というスピーカーです。〈FOCAL〉は一般のオーディオ・ファンのために作っているスピーカーと、レコーディング・スタジオでのモニター用に作っているスピーカーの2つのラインがあります。今日借りてきたのはモニター用のフラッグ・シップ・モデルで1本48万円くらいになります。2本買うと100万円近いですが、でもこれはパワードモニターという、中にアンプも入っていて、これさえあれば音を出せるスピーカーなので、この値段でこの音はかなりお得な感じがします。〈FOCAL〉のスピーカーは10万円くらいのモデルでもかなり解像度のある良い音が聴けるので、〈FOCAL〉のスピーカーをどこかで見かけたらぜひ注目してみてください。
高橋 : 今日のセットはものすごいシンプルで、このパワードスピーカーと 〈MYTEK〉というアメリカのオーディオ・メーカーのBROOKLYN DAC+。この2台くらいしかオーディオの機器はないです。僕は20年くらい前にニューヨークで〈MYTEK〉の工房を見たことがあるんですけれども、小さな一室で毎晩夜中まで実験しながら作ってるような人達です。〈MYTEK〉も最初はプロ用のレコーディング機器を作っていたメーカーなんですが、音がいいということでどんどん評判になって、今はコンシューマー用の高級なDACプリアンプを作っています。
※現在のMYTEKは、事業拡大に伴いアメリカ(ニューヨーク)に本社、ポーランド(ワルシャワ)に生産拠点を置く体制となっており、全体の製品コンセプトや設計方針の決定は今でもアメリカで行っている。
高橋 : ハイレゾというのは普通のCDの16bit / 44.1kHzの音源よりも上のスペックです。今日聴いていただく音源は24bit / 48kHzですね。だから、データの容量はCDの倍くらいあるんですけれども。その音源はこのPCの中に入ってて、USBで出力されます。そのUSB出力のデジタルデータをアナログに替えているのが、この「BROOKLYN DAC+」です。ちょっとマニアックな話をすると、ESS9028 PROという最新DACチップを使っております。あと、この「BROOKLYN DAC+」のおもしろいところは、DACという名が付いていますが、実はアナログレコードも聴けます。フォノ入力がうしろにあって、アナログのプリアンプにもなるんですね。今日の試聴はこの2つの機材だけを使います。あとはケーブルだけですね。
高橋 : 実はこういうオーディオ機材って、それぞれは優れたものでも、ポンと置いただけでは思ったような音って出ないんですね。今日もいろいろ置き方を変えたり、調整して音を追い込んでいるんですが、そこで重要なのが電源ケーブルやラインケーブルといったケーブル類なんです。今日は、製品付属のケーブルではなくて、全部〈オヤイデ電気〉さんというところからお借りしたケーブルを使っています。電源ケーブルは、僕も大好きで使っている『BLACK MAMBA』というケーブルです。これを使うと不思議なくらいに、すべての音がきれいに並んでよく見えるんですよ。電源ケーブルには音が力強く飛び出してくるとか、低音がドーンと太いとかそういう傾向のケーブルもあるんですけども、この『BLACK MAMBA』は誇張することなく、すべての音をちゃんと見せてくれるようなタイプのケーブルです。
高橋 : 今日の音は全体的にはスタジオで音をチェックする時のようなサウンドになってい ます。もっと迫力のある音を聴きたいというのであれば、そういうスピーカーやケーブルを選んだほうがいいかもしれません。今日はみなさんになるべくミュージシャンがスタジオでハイレゾの音源をミックスしたりマスタリングするときに近いような環境で聴いてもらいたいと思って、こういうセットを組んでみました。
tacica登場後、公開インタヴューへ
ハイレゾ音源試聴後は、いよいよtacicaのふたりへの公開インタヴューがスタート。「煌々/ホワイトランド」について大いに語ってもらった。インタヴューが進むなか、「煌々」のMV撮影でメンバーが訪問した、台湾でのオフショット写真も公開。MV撮影中の秘話や台湾での思い出など、MVの視聴を交えつつ語ってくれた。台湾での話を終えた後には、完成しつつも未公開のままだったという『群青』のアナザーMVを公開。今回のイベントで初公開となった貴重な映像を、会場のファンは食い入るように眺めていた。そしてインタヴュー後半には、質問コーナーの時間へ。「台湾以外に行って見たい国は?」「tacicaを勧める際にまず聞いてほしい一枚は?」「お互いを漢字一文字で表すと?」といったさまざまな質問にふたりが答え、会場には笑いが溢れる瞬間も多く見られた。全てのインタヴューが終わったあとには再度「煌々/ホワイトランド」の2曲をハイレゾ試聴し、本イベントは幕を閉じた。tacicaとの濃厚な90分の時間を過ごしたファンは、会場の機材を見学したり、感想を伝え合いながら、会場を後にした。
>>当日の公開インタヴューの内容はこちらから!!<<
参加者からの感想(会場配布のアンケートより一部抜粋)
──スピーカーを通して大音量が心地よかったです! 楽器の音が綺麗でした!
──ヘッドフォンとPC以外でtacicaを聴いたのは初めてで、良かったです。
──大好きなtacicaの曲が、イヤホンで聴く音、ライヴでの音とも違う迫力のある音で聴くことができて良かったです。
──家では聴けないようなハイレゾ機器で音源が聴けて良かった。tacicaの公開インタヴューも貴重な体験でした。
──こんなに良い音で聴けたのは初めてです! すごい迫力でした!
──tacicaのふたりの話がたくさん聞けたのが凄く嬉しかったです。
──とても音が良かったです。ライヴ感があって、家庭用に欲しいなとも思いました。
当日使用した機材の詳細はこちらからチェック!
〈MYTEK〉 Brooklyn DAC+ の詳細はこちらから