"ロックンロール"という様式美の最先端
──Ryo Hamamotoの3rdアルバム、ハイレゾ配信
moools(モールス)やハリネコにて卓越したギタープレイで魅せてきた浜本亮が、バンド名義の前作から4年、ソロ名義"Ryo Hamamoto"としては9年ぶりとなる、3枚目のアルバムを完成させた。
今作に収録されたのは声、ギター、ベース、ドラムという最もシンプルなロック・ミュージックのフォーマットで描かれた全9曲。先行7インチ・シングルに収録された「Last Train Home」、「カリブに配属」が異なるミックスにて、さらに濱田岳主演のショート・フィルム『Miss Fortune』のエンディング・テーマとなった「The Photographer」が新録にて収められた。プロデューサー兼ドラムには盟友、神谷洵平(赤い靴、大橋トリオ、Predawn等)が、ベースにはガリバー鈴木(Predawn等)、ミックスおよびマスタリングは原真人(細野晴臣、大森靖子、ザ・なつやすみバンド等)が参加。高純度で紡がれた楽曲をOTOTOYではハイレゾ配信する。
さらに特集では4年ぶりにインタヴューを敢行。ここから彼を知るという方には是非とも前作時のインタヴューもあわせて読んでいただきたい。
Ryo Hamamoto / Third
【Track List】
01. Last Train Home / 終電
02. ティッシュ・ペーパー・チルドレン / Tissue Paper Children
03. ファイア・スターター / The Guilt
04. バーベキュー / BBQ
05. The Photographer / 写真家
06. ウェディング・マサカー / The Wedding Present Massacre
07. トレホの背中 / Like a Trejo
08. Los Arap / ルソラパ
09. カリブに配属 / Fata Morgana
【配信形態 / 価格】
[左]24bit/48kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC
単曲200円(税込) / アルバム 1,800円(税込)
[右]16bit/44.1kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC / mp3
単曲200円(税込) / アルバム 1,800円(税込)
※AAC / mp3のみ単曲 150円(税込) / アルバム 1,350円(税込)
INTERVIEW : Ryo Hamamoto
ロックンロールは帰る場所をもたない人たちのホーム──かつてそう語ったのは、ミュージシャンにして音楽学者のジュリアン・コープだが、彼のそんなことばを素直に受け止めるならば、まさにこれこそがロックンロール。 Ryo Hamamotoのアルバム『Third』を聴いていると、そんなふうに思えてくる。
終電を逃したひとの歌で始まるこの作品は、次々と舞台をスイッチしながら、そこにいる人物の主観的なことばでストーリーが展開されていく。いつか自分がそこから離れることを意識しながら、同時にそんなことはどうでもいいとも感じている、そんな無責任で自由気ままなやつらを描いた9つの歌──すくなくとも僕は『Third』をそんな作品だと捉えている。作り手の浜本からは「ただ単にいい曲を並べただけ」というそっけない答えを返されたけど、別にそんなことは気にしない。というか、それでこそ浜本亮らしいじゃないか。語るべきことはすべてこのなかで語っている。そんなぶっきらぼうな態度も、このひとには似合うってもんだ。
とか言っといてなんだが、浜本亮は非常にフランクな男である。下記のインタヴューでも、今回のアルバムにまつわる非常に興味深い話をいくつも聞かせてくれているので、早速そちらをお楽しみください。そして、それが『Third』という作品を深く掘り下げるきっかけとなってくれたら、これほどうれしいことはない。では、どうぞ。
インタヴュー&文 : 渡辺裕也
写真 : 大橋祐希
モールスでバンドが動く力学をじかに体感できたのは、ものすごく大きかった
──前作『Ryo Hamamoto & The Wetland』をリリースしたあと、浜本さんには“Ryo Hamamoto & The Mockingbirds”と名乗っていた時期がありましたよね。そして今作は完全なソロ名義での作品となったわけですが、まずはこの変遷について教えていただけますか。
まあ、わかりづらいですよね(笑)。でも、僕はバンド名義のほうがちゃんと伝わるんじゃないかなと思ってたんですよ。というのも、最近は一人ですべてを完結させられるアーティストがたくさんいるじゃないですか。でも、僕自身はそういうタイプではないし、それよりは誰かとの化学反応を楽しみたいんですよね。で、リズム隊の構成員が代わったのを機に、「またバンド名も変えたほうがいいな」と思ったんですけど、まわりからは「別にそのバンド名、いらなくね?」と言われてしまって(笑)。
──実際、僕もソロ名義のほうが腑に落ちました(笑)。やっぱり浜本さんって一人が似合うというか、ソロ・シンガー的な佇まいだと思うので。
(笑)。まあ、どうしてもひとりになっちゃう人っていますからね。
──うん、まさにそのタイプだなと。だから、モールスへの参加が不定期になったことにも、なんとなく納得しちゃって。
そうですね。あのバンドの素成分を解析していくと、モールスといえばやっぱりあの3人なわけで、今はそこに立ち返ってみてもいいじゃないかなと思って。それに僕自身、あの3人と一緒に4年ほどがっつりやらせてもらって、バンドが動く力学をじかに体感できたのは、ものすごく大きかったんです。勿論、それは今作にもつながってる。あとはまあ、自分のソロは僕がやらなきゃ誰もやらないわけですから(笑)。当然それは僕にとって、最大の命題ですからね。
──加えて今作は、アートワークも浜本さん自身のポートレートになっていて。このへんもまた、ソロ・シンガーとしての振り切りを感じたのですが。
そうですね。でも、シンガー・ソングライター的という意味では、むしろ前作のほうがそうだったのかも。というのも、今の僕は以前よりも自意識にとらわれていないから、いい意味で今回のアルバムはすごく客観的なんですよね。ただ単にいい曲ができたっていうか。それでいて、どの曲からも僕の人となりというか、アーティスト性みたいなものが立ち上がってくる感じもある。まあ、具体的にそれが何なのかといわれると、自分ではよくわからないんですけど。
大事なのは、「何を歌うか」よりも「それをどう書くか」
──では、まずは4年前のアルバム『Ryo Hamamoto & The Wetland』について、あらためて聞かせてください。いま振り返ってみて、あのアルバムは浜本さんのキャリアにおいて、どんな意味をもつ作品だったと考えますか。
たしか、その当時もきっとこう話してたと思うんだけど、あのときは自分の居場所、あるいは故郷みたいなものができればいいなと思っていたんですよね。サウンドスケープ的にも、そういう風景が見えてくるような作品にしたかった。で、実際にそれを一応やってみたんですけど、結果としては「あれ、こんなもんかな?」みたいな(笑)。
──思っていたほどは満足しなかったということ?
勿論、作品自体はすごくよかったんです。でも、それをつくったことで自分の居場所ができたのかっていうと、別にそうでもなかった。つまり作品は作品であって、それは故郷になんかならないなと(笑)。言ってしまえば、僕は幻想を追い求めていたんですよね。どこかで自分もそこに自覚的だったんだけど、それがよくわかったというか。うん、たしかに良くも悪くもあれで満足はしませんでしたね。
──そうなると、当時と現在では音楽をつくるモチヴェーションもだいぶ変わったのでは?
それをモチヴェーションというのかはわからないけど、それこそ「自分の居場所を生み出さなきゃいけない」という半ば強迫観念じみたものと比べると、今はもうちょいクリエイティヴになれたのかもしれません。「こういう感じの曲が作りたいな」みたいなことを、もっと楽しめるようになったというか。だから、今回のアルバムに関しては、それがどういう曲になるのかもあまり気にしてなかったし、それこそ勢いで書いてみたりとか、あえて変なテーマを設けてみたりとか、そういう遊びや工夫がたくさんあるので。
──なるほど。つまり、今作には特にコンセプトみたいなものもなかったということですか。というのも、たとえば「雪の坂道」という曲でなんども繰り返される〈Coming Home〉というリリックが象徴していたように、前作には「帰る場所を探している」という感覚が通底していたと思うんです。そして今回のアルバムは、そのホームに帰りそびれたところから作品がスタートしている。そこには前作以降の心象が表れているようにも感じたんですが。
えーっと。その1曲目の「Last Train Home」については…… こういうふうに説明しちゃうのも、なんか野暮なんですけどね。たとえば、お酒を呑んでいたりすると、みんな終電で帰っていくじゃないですか。でも、僕はそういうときにけっこう居残るタイプなんです(笑)。まあ、貧乏性なんですよ。なるべく長居したくなるというか、「もうちょっと粘っていたら、今夜はもっと楽しくなるかもしれないのに」と思っちゃう。だから、「みんな、そんなに早く帰るなよ…」っていう。
──(笑)。それで自分はいつも終電を逃すと。
そうそう(笑)。まず、それがひとつ。あと、〈Coming Home〉って、要は死ぬってことなんですよ。ホームというのは、自分が元いた場所のことでもあって、それってやっぱり天国なんですよ。そういうのを含めて、早く死んじゃうやつら、帰っちゃうやつらに向けて、「もうちょっとだけ粘ってくれ」っていう。多分、「Last Train Home」を書いたときはそういうことを思っていたんじゃないかな…… って、なんか死生観を語っているみたいに思われたらイヤなんだけど(笑)。
──いや、そこはものすごく重要な話だと思います。
でも、あんまり死の匂いがしちゃうのもアレですからね。そこはギリギリのところで止めたつもりなんですけど。それこそゴスペルやブルースなんかで、よく〈ゴーイング・ホーム〉みたいなことを言うじゃないですか。要はあれって、いろんなものを恨まずに生きた人が、天国にいけるってことなんですよね。つまり、死ぬ間際に人生を振り返って、「いろいろおもしろいことがあったな」と思えたら、きっとそのひとは天国に行けるんじゃないかなって。そういうことが頭にあるなかで書いた曲は、確かにいくつかあります。とはいえ、たしかに今回のアルバムに関しては、曲のテーマとかはなんでもよかったんですけど。
──なんでもよかった、というのは?
大事なのは、「何を歌うか」よりも「それをどう書くか」ってことですね。だから、歌の題材はホントなんでもいいんですよ。重要なのは、その題材にどう迫るかってこと。ミュージシャンのやることって、僕はそれだと思うんです。なので、たとえば今回のアルバムでは、イカれた女が新郎新婦を惨殺しちゃうっていう、ちょっとしたショート・ストーリーを書いてみたりもしてて。
──「ウェディング・マサカー」ですね。あの曲はリリックもさることながら、その場のラフなセッションをパッとレコーダーに録ったようなテイクが、すごく印象的で。
たまたまその時に降っていた雨音なんかも、ふつうに拾っちゃってますからね。でもあれ、ちゃんとした環境で録ってるんですよ。ただ、スタジオの使い方がかなり雑というか(笑)。あのときは何を言い出すまでもなく、なぜか洵平くんがピアノにむかっていて、ガリバー鈴木もマンドリンを手にしていたので、そのまま笹倉さんのスタジオにマイクを立てて、ただジャンジャカやったっていう。
神谷洵平くんとはもう、10年ちかい付き合いなんで、この関係性にもそろそろ落とし前をつけたいなと(笑)
──そうそう、今作のレコーディングは笹倉慎介さんの所有するスタジオで行われたんですよね。
はい。笹倉さんの音楽自体は以前からずっと知っていたので、まさかこうして縁があるとは思いもしませんでした。しかも、そのスタジオがまた、すごくいいところなんですよ。米軍ハウスみたいな敷地が入間の一角にあるんですけど、そのなかの一軒家を利用した、カフェ兼スタジオみたいなところで。今回は僕と神谷とガリバー、エンジニアの原さんで、そこに何日か泊まり込みでやらせてもらいました。
──そして今作のプロデューサーが、その神谷洵平さん。彼と浜本さんは、まさに盟友ともいえる間柄ですよね。
そうですね。彼とはもう、10年ちかい付き合いなんで、この関係性にもそろそろ落とし前をつけたいなと(笑)。というか、今作については神谷くんの方から提言してくれたんですよ。「一緒につくろうよ。プロデュースもやるから」って。それで、決起会みたいな感じで一緒にフジロックに行ったり(笑)。
──いいですね(笑)。その決起会から完成にいたるまで、どれくらいの時間がかかったんですか。
もう、あれから2年は経ってるのかな。とはいえ、神谷とも「せっかくなら時間をかけて作ろう」と話していたし、そう簡単には進まないだろうとも思っていたので。それこそ彼とは『Leave Some Space』(2007年リリースのファースト・アルバム)の頃からずっと一緒にセッションを試していたり、エレキ・ギターとドラムのデュオ編成でも一緒にライヴをやってきたから、せっかく作ると決めた以上は、ちゃんと納得できる形にしたかったんです。
──神谷さんは、セッション・ドラマーとしてもたくさんの現場で活躍されていますよね。
そう。だから、彼はいろんな現場で着々とプロデュース能力を身につけているんですよ。それこそ僕なんかよりもよっぽど経験を積んでるし、音の作り方もたくさん学習している。だからこそ、僕としても彼に頼りたかったし、やってみたら絶対におもしろくなるのもわかってたから。
──音楽的なバックグラウンドについてはどうでしょう。やっぱり重なる部分もたくさんあるんですか。
そうですね。彼も、いわゆるトラッドなシンガー・ソングライターを好む人なので、そのあたりはすごく趣味が合うし、話も早いんです。同時に、彼はご両親もドラマーだったりして、その影響でフィージョンとかAOR、黒人音楽とかにも強いんですよ。逆に、僕はそこまでブラックに詳しくはないから、彼がそこらへんの感覚を持っていてくれるのは、すごく助かるんです。
──なるほど。では、ベースのガリバー鈴木さんについては?
彼との出会いも、最初は神谷くんつながりだったかな。これもだいぶ古い話なんですけど、神谷とガリバーと、東川亜希子さん(今作のレコーディングにも参加している、神谷が参加するデュオ「赤い靴」のヴォーカリスト)。あと、神谷と一緒に「月球」というユニットをやっていた植田慶介くんと僕で、いちどソングライティング・チームを作ろうという話があって。
──へえ! それは初耳。
まあ、だいぶ前にポシャってますからね(笑)。おもしろいものもいくつか出来たんだけど、いかんせん活動がままならなくて。で、そのときがガリバーとの初対面だったんです。だから、もう彼ともずいぶん長い付き合いですね。で、それがようやく一緒に演奏できたっていう。
すごくクラシックでありながらも現代的な音にしたかった
──ガリバーさんにせよ、神谷さんにせよ、どちらも非常にオーセンティックなセンスを備えた演奏家という印象もありますが。
そうですね。彼らはやっぱりうまいし、経験も豊富ですから。それに僕も、ある程度の技術を求められるような曲を書いちゃうところがあるので。
──それは、学理的な理解力とかも込みで?
そうですね。理屈で曲を解析できる人のほうが、僕としては安心できるし、そのほうが曲のうまみをしっかり表現してもらえるんじゃないかなって。あと、僕の曲ってそこまで特徴的な音を必要としないんですよ。というのも、バンドによってはトレードマークとなるようなサウンドがあったりするじゃないですか。でも、僕の書く曲に関しては、それこそギターとベースとドラムに、多少の鍵盤が加わるくらいですからね。そういう意味で、まさに彼らは僕が曲が欲しているものを持っているプレイヤーなんです。それはエンジニアの原さんにしてもそう。
──そう、今回のアルバムは原真人さんのミックスがものすごくよくて。
原さんは、曲の理解度がものすごく高い方でしたね。もしかすると、今回のアルバムに関しては、僕らがやりたいことと、原さんがやってみたかったことがうまく合致したのかもしれないなって。漠然とした言い方ですけど、すごくクラシックでありながらも現代的な音にしたかった、というか。そういえば、「アラバマ・シェイクスの新しいアルバムは、音像がすごく特徴的だよね」みたいな話もチラッとしてましたね。
──アラバマ・シェイクスのセカンドは、とにかくプロダクションが強烈ですよね。曲自体は非常にオーセンティックなんだけど。
そうそう。きっとあれはいろんなことを想定してやったことが、バッチリ狙い通りにいったんでしょうね。空間の使い方が、ものすごく現代的。で、勿論あれを真似するわけじゃないけど、「多分ああいうことだよね」みたいな感覚は、原さんとも共有していた気がします。特に原さんは「BBQ」を気に入ってくれてたみたいなんですけど、僕のギターの音って、リヴァーブがけっこう特徴的なので、原さんがミックスの段階でディレイをかけながら、ああいう空間を作りあげてくれたのは、すごくよかった。
──今作のハイライトは、まさにその「BBQ」だと思いました。エレキの弾き語りによるサウンドもさることながら、ああいう日本語詞の乗せ方は、あまり聞いたことがなかったです。
あの歌詞に関しては、僕も未知のエリアに踏み出せたような感覚がありましたね。あれが聴き手にどう伝わっているのかわからないけど、決してふざけた曲ではないし。あとは、アルバムの最後に入ってる「カリブに配属」もそう。
──「カリブに配属」は海賊をモチーフとした曲ですよね。つまり、このアルバムは終電を逃すところから始まって、海賊の曲で終わる、という流れになっている。聞き手はきっとこの流れに、なにかしらのストーリーを見出していると思うのですが。
まあ、そういうリアクションはまったく想定していないんですけどね(笑)。結果的にそういう反応してくれる人がいるのだとしたら、僕としても安心できるというか、すごく嬉しいですね。
──では、この海賊というモチーフについては?
やっぱり海賊ってロマンがあるじゃないですか。それに、なんていうか…みんな海賊だなと(笑)。幸い、僕はいろんな友人知人に恵まれているんですけど、みんながみんな、それぞれにやるべきことをやっていて。もしかしたらそういう様が、この曲になったのかもしれないですね。
──いま自分の置かれている環境や社会からも、少なからず影響を受けているということ?
あまりダイレクトな書き方はしていないけど、当然その影響はあるでしょうね。無意識ではあるけど、今の不穏さとか、そこで生まれた怒りなんかは、やっぱり自分の音楽にも反映されていると思う。ただ、僕は怒りに対して怒りを返したくはないんですよね。そういうネガティヴな感情は、曲という芸術形式に落としこんだときに、はじめて消化、あるいは昇華されるものだと僕は信じているので。それがこのアルバムでも実現できているんだとしたら、僕にとってはそれこそが成功だし、きっとここに入っている曲も成就できるんじゃないかな。
LIVE INFORMATION
Ryo Hamamoto 『Third』 release party
2016年9月15日(木)@渋谷WWW
出演 : Ryo Hamamoto / Predawn (band set) / ROTH BART BARON
open 18:30 / start 19:00
前売り 3,000円 / 当日 3,500円(共にドリンク別)
PROFILE
Ryo Hamamoto
卓越したプレイを聴かせるギタリストとして、mooolsやハリネコへの参加等で高い評価を得る。しかし、そのギターは彼の才能の一部でしかなく、本質は歌を大切にするシンガー・ソングライター。2004年頃からソロでの活動を開始。同年、Padokの渡部牧人とともに制作した9曲入り弾き語りアルバムCD-R『From Now To When』をリリース。2007年にToy's Factory Musicのレーベル、おもちゃ工房からRyo Hamamoto名 での1stアルバム『Leave Some Space』リリース。2009年の8月にmooolsの『Weather Sketch Modified』の「影も形」のレコーディングにリード・ギターで参加。翌2010年moools&Quasiのスプリット・ツアーにギタリストとして帯同。その後のツアーもライヴも継続して参加、WOLF PARADEとのアメリカ・ツアーにも一部帯同、その後正式にメンバーとなる。
2012年3月、前述の渡部、ドラマーの神谷洵平、そしてギタリストおよびエンジニアとして岩谷啓士郎(トクマルシューゴ&ザ・マジック・バンド、LOSTAGE、日暮愛葉 and LOVES!、LEO今井等)が参加したRyo Hamamoto&The Wetland名義でのセルフ・タイトル・アルバムを〈& records〉よりリリース。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文から絶賛のコメントを寄せられたり、音楽評論家の岡村詩野からは「日本のボン・イヴェール」と激賞されるなど、高い評価を得、ARABAKI ROCK FESにも2年連続出演を果たす。2015年11月、アルバムからの先行カットとして、初の7 インチ・シングル「Last Train Home」をリリース。