至極の24bit/96kHz──FILTER KYODAIが7年ぶりに送りだすアルバムがあまりにも素晴らしい!
Charisma.comやサカモト教授などの楽曲プロデュースやDJ、マスタリング・エンジニアなどマルチに活躍する兄・正晃と4Kデジタル・シネマを中心に映像制作を行う弟・由洋の江夏兄弟からなるユニット、FILTER KYODAI。そんな彼らから7年ぶりの新作が2枚組で届いた(合計36曲、2時間30分という特大ヴォリューム!! )。
エレクトロ、ダンス・ミュージックからなるアッパー・サイドの『BULL』とアンビエントやアコースティックといったチル的要素がメインの『BEAR』には、元アニソンDJ・シンガーのサオリリス(Saolilith)やリミックスに明和電機「経理のヲノさん」として知られるヲノサトル(Pleasure Channel名義)など、ヴァラエティー豊かなゲストが彩りを加える。そんな本作をOTOTOYではどこよりも早く2ヶ月先行配信! マスタリングにSaidera Paradisoの森崎雅人を起用し音にこだわり抜いた2時間30分をぜひハイレゾで体験してほしい。
そして膨大かつ非凡な才能を惜しみもなく放つ彼らにOTOTOYはインタヴューを敢行。彼らが主宰するアーティスト集団〈marimoRECORDS〉やハイレゾ、映像へのこだわりとともに本作の裏側に迫った。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文・構成 : 中村純
FILTER KYODAI / BULL & BEAR [BULL] (24bit/96kHz)
【Track List】
01. TWO VOICE / 02. GENIUS / 03. DATA GLITCH / 04. RIRON-GOTAKU / 05. COMMUNICATION / 06. AKA SHIRO KURO AO / 07. SONG 4 U / 08. HIGH RESOLUTION / 09. DON'T YOU WORRY / 10. DAWN / 11. DOZENS OF DREAMS / 12. AUTOS / 13. JUMP INTO THE WATER
【配信形態】
24bit/96kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC
【価格】
単曲 : 162円(税込) / 1,620円(税込)
FILTER KYODAI / BULL & BEAR [BEAR] (24bit/96kHz)
【Track List】
01. 1970 / 02. GENSO / 03. SALLY GARDEN / 04. WATER IS WIDE / 05. DANNY BOY / 06. BEAUTIFUL CLOUD / 07. BEYOND THE BORDER / 08. EXPRESSIONS / 09. LOVESTRUCK / 10. STAY WITH ME / 11. SEVEN / 12. MAY WE GO / 13. AN ACIENT FLOW / 14. A GIRL IN WHITE / 15. CRESCENT OVER THE MOUNTAIN / 16. DEEP COLORS / 17. MOTHER / 18. PERFECT BLUE / 19. WHISPER TO THE SKY / 20. LAST MOMENT / 21. SOUMEI / 22. EXPERIMENT / 23. PARTING GLASS
【配信形態】
24bit/96kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC
【価格】
単曲 : 108円(税込) / 1620円(税込)
兄に音楽を任せる分、自分は負けないように映像を作る
——FILTER KYODAIはいつから始まったのでしょうか?
江夏由洋(以下、由洋) : 昔はFILTER KYODAIではなく、ebee(enatsu brothers electric entertainment)という名前でした。
江夏正晃(以下、正晃) : 僕がebee#1、由洋がebee#2と名乗っていたんですが、由洋が「俺は2番みたいで嫌だ」って言い出して、名前を2009年に変えたんです(笑)。そこで音楽と映像になくてはならない「FILTER」と「BROTHERS」を日本語にした「KYODAI」をくっつけて「FILTER KYODAI」となったんですね。もともと「FILTER BROTHERS」にしようとしたのですが、外国人からすると「BROTHERS」ってめちゃくちゃダサい感じがして。
由洋 : そんなFILTER KYODAIのなかでふたりが住み分けないとうまくやっていけないなと思ってやったのが3DVJでした。
正晃 : これには問題があって、3DVJをやるとVJがすごすぎてみんな踊んなくなっちゃうんですよ(笑)。

——3D映画が上映されるずっと前ですよね? 映像の最先端を走っていたんですね。
由洋 : でもVJはDJのただのおまけだと感じてしまい辞めました(笑)。
——そんな映像を担当している由洋さんは『BULL』と『BEAR』の楽曲面にはどのように関わっているのでしょうか?
正晃 : ネタや歌詞、フレーズを持ってきてくれました。
由洋 : 長い年月積み上げてきた作品なので10年前に録った作品も入っているんですが、最近のは僕はほとんどタッチしてなくて。仕事では完全に音と画と分かれててお互いにリスペクトしているという関係です。
——互いに音楽、映像について素人ではないからこそ、高いレベルで意見を言い合えると?
由洋 : そうですね。また共通の言語を持っているからこそ、長く続けてこられたんじゃないですかね。同じ土俵だと、喧嘩したり技を競い合ってしまってクリエイティブな方向に行かなかったかもしれないですし。僕は兄に音楽を任せちゃった分、負けないように動画を作んなきゃなって、お互いに分担できたからこそ今回の『BULL』と『BEAR』に繋がったんだと思います。
FILTER KYODAIが考える"ポストEDM"
——その『BULL』と『BEAR』はどういった経緯でできたのでしょうか?
由洋 : 1年前に兄が『ブラック』と『ホワイト』という2つのアルバムを作ろうとスタートしたんです。兄はDJのときはハウス色が強いんですが、オーケストラ曲やアンビエントなどのいろんなジャンルを作れることをFILTER KYODAIで打ち出したくて。そして4つ打ちやエレクトリックは彼の軸でもあるのでそれを集めた『ブラック』と、多くの人に聴いてもらいたいという『ホワイト』の2枚を作ろうと。

——なぜ『BULL』と『BEAR』になったのでしょうか?
正晃 : 『ブラック』と『ホワイト』っていう作品はたくさんあるし、レイシズムをイメージするみたいで。そういう意味合いはないので、ほかの言葉を探していくうちに、由洋が経済用語で相場の”上げ”と”下げ”を意味している”BULL”と”BEAR”を提案してくれて。それと『BULL』と『BEAR』ってかわいいじゃないですか?
——『BULL』だとSaolilith、『BEAR』だとNogamingoが際立ってると思いました。
正晃 : ふたりの楽曲はどちらかというと新しいんです。Saolilithとの楽曲は、2014年のポタフェスのときにつくって、SAOLILITH 2 FILTER KYODAIというユニットでリリースする予定だったんですが頓挫してしまって…。これは僕が考えた「ポストEDM」だったんです。
——「ポストEDM」とは?
正晃 : 「EDMは終わった」と言われた昨今、「ポストEDM」は何をしなきゃいけないかって考えたときに、「RIRON-GOTAKU」が僕らのなかでのそれだったんです。「Aメロ、Bメロがあってサビ」という構成ではなく、どこにも戻らず一気に盛り上がってぶっ飛んでいくっていうパーティー・チューンです。
——Nogamingoは、初めて聴きましたが、ぶっ飛びました。
正晃 : これはまさにOTOTOYさん向けですよ!
由洋 : 彼が歌っている「SALLY GARDEN」は2012年に作りました。カメラのオープニング・セレモニーの映像に歌をつけようってなったときに、たまたま兄が作ってたのがこの曲で。
正晃 :「SALLY GARDEN」ってアイルランド民謡なんですが、日本のおじいちゃん世代が好きなんですよ。だからカメラのオープニングでもウケるんじゃないかと思って僕がアレンジしたらYOUTUBEでも反響があって。だけどなぜかハイレゾでなかったので録り直したんです。
——同じくゲストのNami Kobayashiさんとは?
正晃 : この方は上野の東京文化会館ではソロ公演をしたりイタリアでも賞をとったりしている日本の重鎮オペラ歌手の方なんですが、仲がよくて参加してくれました。
——キャサリン・マフィー・ジャクソンさんはどういった方なのでしょう?
正晃 : 「Songs in the Key of Life」など、スティーヴィー・ワンダーのバックで歌っていた方ですね。あと僕のなかの懐刀はShizuka Hidakaちゃんです。Hanah Springのお姉ちゃんで、めちゃくちゃ歌上手いです。
44.1kHzに落としたときのがっかり感がハイレゾへのモチベーション
——おふたりがお仕事としてやっているmarimoRECORDSについても教えてください。
正晃 : ふたりで音楽を作ってmarimoRECORDSを立ち上げてFILTER KYODAIの1枚目のアルバム『strut strut strut』を2000年5月に作ったんですが、そのときは兄弟ふたりで曲を書いていましたね。2005年にmarimoRECORDSを法人化するにあたって、僕は2003年に脱サラして、由洋はテレビ局で働きながらサポートする形で関わってくれて。
——なるほど。由洋さんはどういった経緯でmarimoRECORDSに関わるようになったのでしょうか?
正晃 : 僕がmarimoRECORDをやっていくうちにお客さんから「映像も作れないの? 」と言われて。それまでは映像は外注してたんですけど、由洋はTBS局員でCGの映像を初めて作ったひとだったので、映像を彼につくってもらったところ、お客さんがすごく喜んでくれて。それからちょこちょこ頼むようになったんですよ。そのうち「兄貴、俺も一緒にやろうかなあ」と言われて。できのいい弟で、会社を立ち上げのときに親と「絶対に弟を誘わない」という約束の元marimoRECORDSを始めたんで、親に「お前誘っただろ! 」と怒られて(笑)。でも結局一緒にやることになったのですが、音楽だけ、映像だけではビジネスにならないので、兄は音楽、弟は映像に専念することにして一緒に始めたんです。
——ひとつのグループのなかに音楽と映像が内包してるんですね。
正晃 : そうなんです。そういうビジネスを始めたらすごく会社として大きくなっていったんですよ。
——今はYOUTUBEが全盛ですしね。
正晃 : おっしゃる通りです。そしてありがたいことに仕事がすごく増えてFILTER KYODAIを忘れちゃったんです(笑)。
——その仕事っていうのは音楽と映像がどのように合わさったものなのでしょうか?
由洋 : CMやメーカーの商品プロモーション、ブルーレイ・コンテンツの制作を行っています。ですが、そういった音の権利ってすごく面倒くさいじゃないですか? 周りのクリエーターはオーディオ・ジャングル(使用権などのロイヤリティが無料の楽曲や効果音を販売しているサイト)なんかで音の素材を買う場合が多いのですが、そうするとプロモーションに合わないしつまんない。だから僕らは「作曲を全部していること」を強みにやっています。兄が年間何百本という曲を作るんで、僕もどんどん映像を作る。だからすごい量の曲が溜まって、これを発表しないともったいないなと思ってつくったのが『BULL』と『BEAR』なんです。ただ全部が仕事で作った曲ではなく、隙間で自分達のために書いた曲もあるんです。
由洋 : 少しずつ時間が空いてるときにリマスタリングやレコーディングをして、クライアントさんに渡してるものの許諾をとったりっていうのを始めたんです。で、今年の年始に初詣に行ったときに「発表しよう」ってなって。
正晃 : 「もう今年にアルバムを出さないと俺らのバリューは上がんねえぞ」と思ってね。
——こんなにすごい音源があるのだから、もっとちゃんと伝わらないといけないですよ。しかもふたりで全てをやっているんですから驚愕です(笑)。
正晃 : ここまで来るのに僕らは苦労もしましたが、毎日CMなんかの音楽を作ってるなかでようやくOTOTOYに「おおええやん! 」って言ってもらえるレベルに行き着いたんです。それを多くのひとに聴いてもらって、本当に音楽を楽しみたいっていうひとに見つけてもらえるようなマーケットができたらいいなと思ってつくったのがmarimoRECORDSなんです。
——正晃さんはハイレゾに興味を持ち出したのはいつごろなんですか?
正晃 : 2000年ごろです。コンピューターでオーディオを扱えるか扱えないかというギリギリのその時期に、オーディオ・インターフェースが登場しました。そしてメーカーがこぞって24bit/96kHzを謳いだしたんですが、RMEのオーディオ・インターフェース96/8 24ADAで24bit/96kHzを聴いたときに「コンピューターってもしかしてADAT(S-VHSテープを利用した8chのデジタル・マルチ・トラック・レコーダー。米アレシス社が1991年に販売開始)を超えた? 」ってびっくりしちゃったんですよ。でもそのときは24bit/96kHzって頑張っても3、4トラックしか扱えなかったんですよね。それからしばらくしてある程度のPCのスペックが上がって24bit/96kHzで曲をつくってみたんです。で、最終的に44.1kHzに落としたことがあったのですが、落とした瞬間にその変わりようにがっかりしちゃったんです。だから自分のスタジオを作るときは「もう絶対ハイレゾ仕様にしよう」と思い、2007年には96kHzで録れる卓を買ったんです。あのときのがっかり感がハイレゾへのモチベーションですね。いまは全て24bit/96kHzで録音しています。
——このアルバムで聴こえる音へのこだわりの部分はどこでしょう?
正晃 : 『BULL』の1曲目の「TWO VOICE」をオーバーハイム・シンセサイザーのトゥー・ボイスだけで作っていることですね。アナログ・シンセサイザーなのでキャプチャをするときに無限に上下の音が出るんでいいんですよ。これはエレクトロでもまだいけるんじゃないかって思って。だからアルバムのほぼ全ての曲になにかしらアナログやハードウェアのシンセを入れてるんです。
まだ集大成の“集”、“大”と”成”はまだなんです
——『BULL』と『BEAR』の音の良さには、ほんとびっくりしました。
正晃 : そう言っていただけて本当にありがたくて。死ぬほど音質について悩みまくりました。音圧とのバランスやダイナミクスのバランス…。
——これだけハイレゾ以外で聴くべきじゃない音楽って珍しいなと思いましたよ(笑)。
正晃 : いまは音楽が消費財になってしまっていますが、「ハイレゾは楽しいね」となるきっかけになればいいなと思います。たくさんのジャンルの楽曲も入っているので。
——由洋さんはいつごろから4Kに注目されてたんですか?
由洋 : 僕がmarimoRECORDSを始めるときにふつうのビデオではなく、エッジの効いた技術力を前に出したいと思ってたときに出会ったのがREDっていう史上初の4Kカメラで。もともと4Kをやりたかったというよりは会社として面白いことやろうとしたときにたまたま出会った技術が4Kだったんです。
正晃 : あと由洋はDSLR(デジタル一眼レフ)にも手を出しているんですよ。
由洋 : あるとき動画も撮れるデジタル一眼レフ・カメラ「Canon EOS 5D Mark」のレヴューを書くことになって、そのカメラで動画を撮りに行ったんですよ。で、帰ってきて撮ったものを見たら驚いて(笑)。サンプリング周波数は44.1kHzで固定されているので動画はあくまでもおまけの機能だったんですが、まだ誰もみたことのない大判センサーで撮れたシネマ・ライクなデジタルの映像だったんです! それを兄にみせたら2台買うことになって(笑)。そんなこんなで記事を書く上で使い方とか仕組みとか勉強していくうちにDSLRに詳しくなっていったんです。時代の流れが後押ししてくれましたね。
——でもおふたりは最先端にこだわるというわけではないんですね?
正晃 : よくあるプラグイン(ここの場合はDAW上のソフト・シンセやエフェクター)やビンテージ・アナログ・シンセサイザーもすごく使います。いいものが録れるならなんでも使いたい。
由洋 : ずっとテレビ局で働いていたのでMA(マルチ・オーディオ、映像用の音声編集作業)の理想の形が自分のなかにあったのですが、自分たちのスタジオをつくるときに金銭的にテープ・デッキを買えなくて。だから、ファイルベースにしようと思ったのですが、2007年当時はMAできるファイルベースなんてなくて。しかもHD(ハイデフィニション、1080i、720p、1080pなど高精細度ビデオ)でファイルベースの映像を出すためのシステムを組みたくて、ふたりでパソコンでいろいろとやったらなんとHDで出たんですよ。
正晃 : だから何百本もここでMAしましたね。
由洋 : 当時は「どこにデッキあんの? どこで映像出してんの? 」ってよく言われましたが、僕らって「いかにお金をかけずに面白いことするか」ということがとにかく好きなんですよ。
正晃 : そんなことやってるからFILTER KYODAIで活動できないんだよ(笑)。
由洋 : 僕はカメラ持ってばんばん取りに行くし、兄は企業の曲やオーケストラ曲なんかを作っていたので、自分たちの作業はなかなかできなかったんです。楽しかったんですけど(笑)。
——でもそれがあっての今作は、集大成の作品ではないのですか?
正晃 : まだ集大成の“集”なんですよ! まだまだたくさん楽曲があるので“大”と”成”はまだなんですよ。
——それは楽しみです! でも本当に作品のクオリティはすごいのでもっと広まるべきだと思います。
正晃 : ありがとうございます。こう言ってくれる方と出会うのが僕の目標だったんです。僕自身が売れてお金持ちになりたいとは思ってなくて、「曲もいいけど、音良いっすね〜」って言われる方が幸せで。「音楽離れの時代が来ている」と言われていますが、ハイレゾをわかって聴いてくれるひとたちと、音を一生懸命作ってるひとが評価されるようなマーケットが、小さくてもいいのでできたらいいですね。
RECOMMEND
Hanah Spring / Handmade Soul
『BEAR』のM10、16、22を歌うShizuka Hidakaの妹であるネオソウル・シンガー、Hanah Springの1stアルバム。HANAHより名義を変えリリースされた渾身の本作にKan Sano、Sokusai、吉田智、FUYUなど国内屈指のミュージシャンが集結。そしてKing Of Diggin'ことMUROが楽曲プロデュースを務め、さらには全13曲のうち2曲を提供したのはなんと、マイケル・ジャクソンやミニー・リパートンへの楽曲提供やソロ・ワークでも有名なリオン・ウェア。豪華共演陣に支えられたどこまでも伸びる彼女のホイッスル・ヴォイスをぜひ姉、Shizuka Hidakaの歌声を収めた『BEAR』とともに。
電子音楽家としてジャンルレスに活動するヲノサトルのスタジオ録音フル・アルバム。シンセサイザーやコンピュータを駆使した最先端の音響でありながら、どこか懐かしく甘いラテンやラウンジやフュージョンの空気を漂わせた、唯一無二のインストゥルメンタル・ミュージック。「ノスタルジックなメロディ」(音楽評論家・小沼純一)「極上のBGM」(東京スカパラダイスオーケストラ・ 川上つよし)「パノラマ的音楽体験」(音楽家・サエキけんぞう)酸いも甘いも嗅ぎ分けた、ポップでおセンチな作品」(エンジニア・Dub Master X)などと早くも各界から絶賛の声が上がる本作、ぜひ高音質で体験していただきたい。
「HIGH RESOLUTION FESTIVAL at SPIRAL」の初日となる2016年3月11日に、サウンド&レコーディング・マガジン編集部プロデュースのもと行われた蓮沼執太の公開録音、〈Spiral Ambient〉。スパイラルホールの中央に設置されたバイノーラルマイクによって、音楽だけではなく、当日の現場の空気感や気配までもがパッケージ化された作品となった。ぜひヘッドホンを使ってお楽しみください。
PROFILE
FILTER KYODAI & marimoRECORDS

FILTER KYODAIである江夏兄弟は、新旧アナログ、デジタルシンセサイザーを駆使したBULLサイドで見られるようなアッパーなライブを各所で展開。並行して音楽・映像の制作会社である株式会社マリモレコーズを運営。兄は音楽プロデューサー・作曲家であり Charisma.com、小比類巻かほる、サカモト教授など幅広いジャンルでプロデュース活動を展開。CMやテレビ番組の楽曲も多数制作。弟は映像作家としてCMやSony、FUJIFILM、Canon、マンダムをはじめとする多数のクライアントのプロモーション制作を数多く行っている。兄の正晃はトラック制作からマスタリングまで様々な制作にかかわる一方で、弟の由洋は4Kデジタルシネマを中心とした映像制作を担う。両者とも執筆や講演活動も多数行い、兄は関西学院大学の非常勤講師、弟は立教大学の兼任講師なども務めている。
マリモレコーズは、デジタルワークフローを駆使した次世代の制作環境でグローバル、かつ効率的な新しい手法を常に取り入れている アーティスト集団。今回のアルバム楽曲は日々の制作の中で培われたノウハウがギッシリと詰まっていると言っていいだろう。