2014/02/08 00:00

岡村詩野音楽ライター講座生が暴く――トリプルファイヤー、お前たちは一体何者なんだ

もう君は聴いただろうか? 新作『スキルアップ』を先月1月28日(火)よりOTOTOYで先行配信するとともに、驚くべき反響を呼んだトリプルファイヤー。音楽ライター、岡村詩野にも「東京に久々に現れた愛すべきミュータントたち」と言わしめ、その独特な歌詞センスと、その反面、確かな演奏力で鳴らされるストイックなニュー・ウェーヴ・サウンドに「なんだこいつら!!」となった人も多いだろう。

それにしても一聴しただけでは掴めないやつらである。しかし、だからこそ掴みたくなるのが人間の性というものだ。前回、レビューを執筆した岡村詩野に続き、彼女がオトトイの学校にて開講している「音楽ライター講座」の受講生9人が彼らを、そして本作を言葉にしてくれた。とはいえ、もしかしたら9人のクロスレビューで持ってしても、彼らのことは掴めないかもしれない。君はこいつらをどう思う? 言葉が深める音楽の楽しみ。本作と一緒に味わってほしい。

トリプルファイヤー / スキルアップ
【価格】
mp3 単曲 150円 / まとめ購入 1,300円
WAV 単曲 200円 / まとめ購入 1,600円

【Track List】
1. 面白いパーティー / 2. ちゃんとしないと死ぬ / 3. スキルアップ / 4. Jimi Hendrix Experience / 5. カモン / 6. 本物のキーホルダー / 7. 可能性が無限 / 8. 神様が見ている / 9. ブラッドピット

岡村詩野音楽ライター講座生9人によるクロスレビュー

■Text by 小田原紫野
これは現代の若者の、社会に対する一種のプロテストソングだ。と言ったら少し言い過ぎだろうか。慎重に場の空気を読み、同調圧力に耐え、周囲からは決してはみ出さないように。そのくせ自意識過剰で、やたらと自己愛が強い。そんな彼らの中から出てきた心の声、ささやかな異議申し立て。音を最初聴いてみて、はたと思い浮かんだのがじゃがたらだった… >>続きはこちら

■Text by 梶原綾乃
新手のポエトリー・リーディングである。何が新手って、これといった重要なメッセージが隠れていないこと。パーティの様子を淡々と述べる「面白いパーティ」や、工場の流れ作業の様子も淡々と述べた「スキルアップ」を筆頭に、変に具体的で何一つ核心が掴めないし、歌っている内容は正直どうでもいい。しかしながら耳に残るワード・センスばかり揃… >>続きはこちら

■Text by 北原”きっちぃ”裕一郎
最近ライヴハウスのスケジュールをチェックしていると、彼らの名前をよく目にする。トリプルファイヤー。なんてダサいバンド名だ。そのダサさ故にどんな音楽をやるのか気になっていた。2月4日に発売された彼らの音源「スキルアップ」を聞く機会に恵まれたので、早速聞いてみた。小気味よいギターリフに脱力したボーカル。いつまでも頭に残るメロデ… >>続きはこちら

■Text by 小沼理
きゅーん、きゅーん、きゅーん。幻覚的にループするギターのチョーキングに、いつか週刊誌の裏表紙で見たようなフレーズ。トリプルファイヤーのニューアルバム『スキルアップ』に収録されている「本物のキーホルダー」はこんなふうにはじまる。“電通社員の10人に7人が覗いています”なんて、心の綺麗な人が信じてしまいそうなフレーズを残響感のある… >>続きはこちら

■Text by 佐藤優太
目にも鮮やかなピンクを大胆に配した本作のアートワークで、今にも人間を飲み込もうとする大蛇。それは、偉大過ぎる先達が残した音楽遺産が時おり後輩たちに見せる獰猛な姿のメタファーなのではないだろうか。ゆらゆら帝国、あるいはその影から楽しげに顔をのぞかせるロック・レジェンドたち――特にUS東海岸のクールでニヒルなロックンローラー… ジ… >>続きはこちら

■Text by 島田和彰
まず耳に残ったのはバックトラック。歌が特徴的なのでどうしてもそちらに耳がいってしまいがちだが、山本、大垣、鳥居が奏でるバンドアンサンブルこそが実はこのバンドの核と言えるだろう。バンド構成はギター、ベース、ドラムが1本ずつ。リズム隊が作り出すうねるようなグルーブに緊張感のギターリフが絡まる。展開は最小限で基本は主題となるリフが… >>続きはこちら

■Text by 田中清鈴
最初に聴いたときは裏切られたものの、2度目にはすでにそれが癖になっている。よじれるようなギターリフ、音階を自由に動くベースライン、淡々としたリズムを刻むドラムサウンド。この3者が個々に独立しながらも、奇妙に絡み合い、ハーモニーとも呼べぬハーモニーを繰り広げていく。対照的に、ボーカルの間の抜けた歌い方は、とても「普通」で「自然」… >>続きはこちら

■Text by 千葉飛鳥
よくある話で、男の子が好きな女の子をいじめたくなる、というのがある。素直に好きだとかかわいいねとか言っている自分が恥ずかしくなるのだろう。でも、自分の存在には気付いてほしい。だからついちょっかいを出して泣かせたりしてしまう。トリプルファイヤーというバンドには、そんなちょっと天邪鬼的な要素があると思う。その要素をよく表している、… >>続きはこちら

■Text by 仲本光里
「面白いパーティー」の音楽が進むにつれ私はずっこけた。なんだ、かっこつけるフリだったのかと。エコーをかけすぎたマイクに向かって歌うボーカル。ふわふわしすぎて、一体どういう表情で歌っているのか全く伝わってこない。もはやギターやベースの方がメロディアスだ。「カモン」に至ってはライヴのMCを録音したのではないかと疑うほど淡々としてい… >>続きはこちら

>>岡村詩野によるレヴューはこちら

>>岡村詩野音楽ライター講座とは?

過去作はこちら

トリプルファイヤー / エキサイティングフラッシュ

「パチンコがやめられない」、「つぎやったら殴る」、「おばあちゃん、俺、俺」等ショッキングで、ある意味世相を色濃く反映した詞世界。人間の生活の中での闇を見据えつつ、でもそんな深く掘り下げたりもせず、日常的に思ったことを歌詞にしたような世界観は笑えながらも、各々の心にチクリと刺さってくる。そんな歌とは裏腹に演奏は無駄な音を一切排除した、ストイックなニュー・ウェーヴ・サウンド。トリプルファイヤー、初のスタジオ・レコーディング作!!

>>特集ページはこちら

LIVE INFORMATION

トリプルファイヤー自主企画vol.4「MIND ASSASSIN」 NEW!!
2014年4月28日(月)@渋谷TSUTAYA O-nest
詳細後日発表

うみのて&トリプルファイヤーWレコ発ツアー
2014年2月8日(土)@薬院UTERO
w/うみのて、百蚊

2014年2月9日(日)@熊本NAVARO
w/うみのて、Doit Science、Cynicalsmileisyourfavorite

2014年2月10日(月)@大分AT hall
w/うみのて、gallo、sakanafish、xinsha

THORN&BOYZBOYZBOYZ pre -Rock’NRoll Potato salad VOL.2-
2014年2月15日(土)@東高円寺U.F.O.CLUB
w/THORN、Paranoid void、Jungles!!!、TOKYO HEALTH CLUB、BOYZBOYZBOYZ

トリプルファイヤー『スキルアップ』発売記念ライヴ
2014年2月22日(土)@新宿 dues(ディスクユニオン)
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撃鉄 presents 下北沢パトロール
2014年2月23日(日)@下北沢全4会場
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トリプルファイヤー『スキルアップ』発売記念インストアイベント「スキルアップセミナー」
2014年3月9日(日)@タワーレコード新宿店7Fイベントスペース

来来来チームプレゼンツ「来来来世紀で会おうよ 10 ドンノウ・ワッツ・ノーマル」
2014年3月10日(月)@渋谷TSUTAYA O-nest
w/来来来チーム、オワリカラ

ローソンHMVエンタテインメント x KDDI presents「Exclusive Showcase vol.4」
2014年3月14日(金)@shibuya duo MUSIC EXCHANGE

ookubofactory企画[the Factory 1]
2014年3月19日(水)@下北沢 THREE
w/ookubofactory、the mornings

みんなの戦艦2014
2014年3月21日(金)~23日(日)@六本木スーパーデラックス
>>詳細

Beat Burn ch47【POCALIS×STELEOGRAM×nhhmbase×トリプルファイヤーレコ発
2014年3月29日(土)@水戸SONIC
w/POCALIS、STELEOGRAM、nhhmbase

ぐるぐるTOIRO2014
2014年4月5日(土)、6日(日)@さいたまスーパーアリーナTOIRO
>>詳細

PROFILE

トリプルファイヤー

2006年結成、2010年に現在の編成となる。「高田馬場のJOY DIVISION」「だらしない54-71」などと呼ぶ人もいる。
ソリッドなビートに等身大の歌詞をのせていてかっこいい。人気がある。メンバーはみな性格が良く、友達が多い。

>>OFFICIAL HP

[レヴュー] トリプルファイヤー

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