INTERVIEW : ファーストサマーウイカ
ーーでは、自己紹介からお願いします。
ファーストサマーウイカ(以下、ウイカ) : BiSの太鼓持ち担当。座右の銘は三度の飯よりBiSが好き~! よいしょよいしょのウイぽんぽん★ウイぽんこと、ファーストサマーウイカです。よろしくお願いします。
ーーもう本当に意味わからないんですけど(笑)。太鼓持ち担当ってなんですか?
ウイカ : わたしは個性があまりなくて、相対的になにごともそつなくこなして生きてきたんです。10年ほどやっていたドラムが特技なので、それとかけてグループを持ち上げてメンバーを応援する、アイドルらしからぬポジションでいこうと思ったので“太鼓持ち”を思いつきました。
ーードラムをやっていたときも、まわりを気づかうポジションだったんですか。
ウイカ : まぁ、そうかな。ドラムだからバンドの要として俯瞰して考えていたんです。BiSでも同い年のメンバーが3人いるけど、いちおう最年長だから、俯瞰の目を忘れずに、みんなをプッシュできる存在でいたいと思っています。でも表向きはみんなをおだてて、へこへこしていこうかなって。
ーーウイカっていうのは本名ですか?
ウイカ : そうです。「初夏」でウイカ。本当は、アーリー・サマーだけどみんなが「ファースト・サマーってどう?」と言ってくれたのでそのまま使っています。
ーー出身はどこですか?
ウイカ : 大阪です。一か月前に引っ越してきました。高校を卒業してからずっと関西の小劇場でお芝居をやっていて、OTOTOYでも記事にしていただいた「音楽劇ファンファーレ」に出演した際、東京の友だちができたこともあり、上京したんです。
ーーもともと、演劇に興味があったんですか?
ウイカ : 高校を卒業するとき、バンド以外にやりたいことを考えたら、演劇に出会ったんです。小劇場で経験をつむうちに、東京へ遠征したり、その延長にBiSがありました。なので、BiSは人生で本当に大きな転機でした。
ーードラムを10年てことは中学生のときからやっていたんですね。
ウイカ : 中学校で吹奏楽部に入って、打楽器を担当するうちにドラムがメインになって、高校ではバンドを続けていたんです。基本的には、ロックな曲を演奏していたんですけど、舞台で使う楽曲をバンドで作って録音したり、舞台で歌ううたを自分で歌ったりしていました。
ーーウイカさんは、自分を客観的に見たらどういう人だと思いますか?
ウイカ : 他の人から見たら、やりたいことをずっとやっているように見えると思うんですけど、私は常にブレていたいです。反対されていようが、おもしろいと思ったことには首を突っ込まないといられなくて。だから、ジャンルを問わず、音楽も演劇もやってみたかったんです。
ーーへえ。
ウイカ : わたしは、ミス・オールマイティになろうと思っているんです。なんでも首を突っ込んでやろうと。BiSだと、スーパーサブでいたいんです。センターや主役にはなれなくても、それを支える右腕やポイント・ゲッターとして支えていけるような秘書的なポジションにいれたらいいなと思います。
ーーいろいろなことに首をつっこんでいくと、あるポイントで壁にぶち当たってしまって、中途半端になってしまうことってあると思うんですよ。そういうとき、冷めてしまったりはしない?
ウイカ : もちろんあります。でも22年間しかないから首を突っ込んだ数もちょっとしかない。でも、やってきたことはすべて、細いなにかで繋がっていると思うんです。音楽という部分ではずっと続いていますし。無意識のうちに途切れないようにしているのか、なにかの縁かもしれないけど。才能はないと思うけれど、(音楽は)捨てられないなって。
BiSとしてどう動きどう散るのか
ーーちなみに、BiSとの接点はどこでできたんですか。
ウイカ : 「音楽劇ファンファーレ」がきっかけで知り合った□□□の村田シゲさんのUstream番組にBiSが出ていて。それまでも名前は知っていたんですけど、下ネタを言うし、過激な発言もしちゃうから、「なんだこれは」と興味を持ったんです。東京に出てきて、家具ひとつない部屋でぼーっとケータイを見ていたら、BiSのオーディションをTwitterでみつけて。女優志望で上京してきたけれど、「あぁ、これだ」となんとなく思ったんです。神のお告げというか。
ーー運命的なものを感じたんですね。
当日の朝に履歴書を書いて、写真を撮って初日の最終時間に会場に駆け込んだような感じでした。PVでは見てきたけれど、メンバーさんの普段の性格もわからないような状態で入って。でも、いまこういう状態でここにいるということはなにかがあったんだなって。話していると、共通の友達や知り合いが出てくるので、「また繋げてくれたんだな」と思います。
ーー実際にオーディションを受けて、合格の連絡が来たときはどういう気持ちでしたか?
ウイカ : 「マ、マジか(笑)」と思いました。アイドルという枠組みなので年齢もそうだし、反応も薄いから嫌がられると思っていたんですけど、即戦力というイメージをオーディションで持ってくれたようで。日本昔ばなしの歌をうたったので、とくに技術的なものを見せた訳ではないんですけど、縁があるところには伝わるんだなと思いました。
ーー初ライヴはどうでしたか?
ウイカ : 楽しかったです。私は論理的な考え方をしてしまうタイプなので、テラシマユフさんという人気、実力ともに高いものを持つ方が抜けられる後に新人をぶつけてくる仕組みに対する「やってやろうじゃないか」という気持ちもあるし、いままでは見る側だったのでファン心理もわかると思っていて。だから、自分がどうBiSに介入してゆくのかとても考えています。ファンへの見せ場であるライヴもぎりぎりまで考えていて、うまいへたじゃなくて、どれだけ思いや情熱や時間をかけて来たのかが証明されるんだろうなと思って、フル・セットの18曲を10日くらいでやりきりました。
ーー3人のなかではダンスも歌も際立っていましたね。
ウイカ : ダンスはサキちゃんが場数を踏んでるだけあって、わたしは全然です。わたしは当たり障りないようにやっているから、それがよく出るか悪くでるかは難しいところなんですよね。
ーーこれからやっていくなかで、さっき話にでた壁は絶対出てくると思うんですね。そこでウイカさんがどう乗り越えていくのかがポイントかもしれないですね。
ウイカ : ブレているけれど、チームのなかではみんなの柔らかい部分を包んだり、停滞している部分を押し出したりできる存在であれたらなと思います。このチームがどれだけ続くかわからないけれど、目指すポイントはひとつだから。もしかしたら爆弾をしかけることもあるかもしれないし、除去しなきゃいけないかもしれない。なんなら自分自身が爆弾になるかもしれない。そういうスリリングな楽しみや期待があるんです。いままで役者で“個”として活動してきたけれど、これからは自分にファンがつかなくても、BiSとしてどう動きどう散るのか。「共同体の大きな個」として自分を見ていこうと思います。