2016/02/12 19:32

オリジナル・アルバムとしては前作『明滅と反響』より実に5年振りとなる本作。新ヴォーカリスト高柳あゆ子をフィーチャーし、バンド史上初の本格的なマルチ・トラック・レコーディングによる、yumbo入門編として決定的な一枚。

1. みだれた絵 / 2. 色の無い暮らし / 3. 何かが始まった / 4. ある日以降、その他 / 5. 水が欲しい / 6. 空に住む / 7. わたしたちの勝利 / 8. 次のパイナップル / 9. サーフィン / 10. あなたの時間 / 11. がっかりしちゃう / 12. さみしい / 13. 来たれ、死よ / 14. シブヤくん / 15. これが現実だ

変色していく淡い世界

yumboは男2名女4名、計6名の編成で仙台を中心に活動している。テニスコーツ主宰のmajikickからオリジナル・アルバムを2枚リリースし、今回の7e.p.からりリースされた『これが現実だ』は、前作から5年振りの3枚目のアルバムとなる。

去年の春、yumboのなかなか行われることのない東京でのライブをとても鮮明に記憶している。ステージ上にたくさんの楽器が置かれ、セッティング時から興奮は増すばかり。メンバーが音を鳴らした瞬間、一気にyumboワールドに引きずり込まれてしまった。穏やかでほわほわと優しい、色で例えたらうっすらと淡いオレンジのyumboワールド。その色が、虹のように徐々に変色していく1時間くらいのステージに、全く飽きることはなく、終わっても余韻が消えることはなかった。その時のライブのMCで、彼女達は「アルバムをリリースします」と言った。月日は経ち、ようやく2011年1月に待望のアルバム『これが現実だ』を手元に持つ事が出来た。

1曲目は「みだれた絵」。ボーカル高柳あゆ子の優しくまっすぐな歌声からゆっくりと始まる、『これが現実だ』は、6人のバンド・メンバーに加えて、なんと15名ものゲスト・プレイヤーが参加。彼らが演奏する様々な楽器は、楽曲を更にカラフルにし、まるで小さい頃に読んでいた絵本のような淡い世界だ。次から次へと曲を進めるたびに、飛び出す楽器と展開にわくわくしていた。それは、飛び出す絵本を捲るような感覚に近い。アルバムの表題にもなっている「これが現実だ」で本作は締められる。現実がこんな夢のような国ならばねぇ…。

今は、1月。現実はとても寒い。けれどもyumboを聞いて、心が満たされ、温かくなった。これも現実だ。yumboの音楽は、現実を変える力を持つ。あたたかくて優しいyumboワールドにふれて、今年1年は、なんだか良い年になりそうだ。(text by 小林美香子)

yumbo『これが現実だ』 release tour

2011年4月1日(金)@渋谷 7th FLOOR (03-3462-4466)
http://7th-floor.net/
w/テニスコーツ、岸野雄一トリオ(岸野雄一・岡村みどり・宮崎貴士)
open 6:30pm / start 7:00pm
2,500円(前売)/ 3,000円(当日)

4月2日(土)@名古屋 K.D JAPON(052-251-0324)
http://www2.odn.ne.jp/kdjapon/
w/わすれろ草
open 6:30pm / start 7:00pm
2,500円(前売)/ 3,000円(当日)
チケット予約 : 会場(kdjapon@gmail.com)

4月3日(日)@京都 UrBANGUILD(075-212-1125)
http://www.urbanguild.net/
w/わすれろ草
open 6:30pm / start 7:00pm
2,500円(前売)/ 3,000円(当日)
チケット予約 : 会場

全公演2月5日受付開始
総合問い合わせ: 7e.p. (info@7ep.net)

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[レヴュー] yumbo

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