2010/04/29 00:00

一番最初にを見たのはいつだっただろう…。

強烈に印象に残っているのは、1999年12月23日に、京大西部講堂で行われた、渡辺良のgreen records主催のSCIENCE FICTIONというイベントに行ったとき。SCIENCE FICTIONは、竹村ノブカズやレイハラカミも出演していて、当時の京都のエレクトロニカとオルタナティヴをクロス・オーヴァーした画期的なイベントであり、僕がBOROFESTAというフェスティバルを開催するきっかけにもなった。最も若手であったは、キャパ1000人という西部講堂で、先輩のバンドに負けず劣らず、永遠と響くギター・ノイズを奏で続けた。また、2000年7月1日に同じく西部講堂で行われたFrypan Rock Festival Vol.4での映像とコラボレートした幻想的なライブ・ショウも印象的で、とにかく西部講堂がよく似合うバンドであった。

1993年の秋に結成されたは、ギターとボーカルを担当するNONと、ノイズ・ギターを担当するOkazawaが西部講堂前の空き地ライブに出演していた時、そこにたまたま通りがかった、のちに、羅針盤やDMBQ等でもプレイするChinaが2人のライブを目撃、そのまま加入したことにより不動のメンバーとしてスタートする。

green recordsから1998年にリリースした1st album 『DOZENS OF GREAT VIEWS』は、今では入手困難な名盤。当時は関西のシューゲイザーを代表するバンドとして、関東のルミナスオレンジ等と共に語られたが、彼女達は、シューゲイザーというよりは、ノイ!等のクラウト・ロック勢に強くインスパイアされているように感じる。アンダーグラウンドの重要レーベルTAG RAGのコンピ『RAGGLE TAGGLE 2』に、ONOFFや等と共に収録されているように、音楽好きからの評価も非常に高かったバンドである。

本作『』は、『DOZENS OF GREAT VIEWS』発売後の、2000年から2002年に作られた、彼らの新たなスタイルが確立された時期の貴重なスタジオ録音である。マスタリングを担当したサウンド・エンジニアで音楽評論家でもあるが「何故これほどの音源が、8年間もリリースされずに埋まっていたのだ!」と驚愕する程の、全く古びていない楽曲群とサウンド・クオリティだ。繰り返されるギターは、前作よりもさらにゆっくりと刻まれ、Okazawaのノイズ・ギターは、激しさに溺れることなく優しく包み続ける。Chinaのドラムは、最小の音数で、ゆっくりとしっかりと、曲に鼓動を刻み込む。深夜の3時に原稿を書きながら聴く『』ほど贅沢な時間はないかもしれない。

、そしてChainaは、ややFLUID等の2000年頃に京都でバンドを始めたものの憧れであった。『』を聴けば、彼女達を見に惜しげもなく十三ファンダンゴやベアーズに通ったことを思い出す。もちろんロックの聖地、京大西部講堂のことも。Chinaが亡くなってから5年が過ぎたけれど、音楽は残り続けるから、この素晴らしいバンドを伝え続けたいと思う。祝! Jesus Fever 2nd album『leminiscate 1』!!!(JJ (Limited Express (has gone?)))

→ 「U.F.O TV」のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 4/29〜5/6)

日本が誇るオルタナティブ・ミュージック

New Moon 1st Contact / convex level
CONVEX LEVELとして渡辺と前川が高校時代に音楽活動を開始。当初は電子音楽ユニットであった。その後同じく高校の同級生のドラマー中道が加わり渡辺、前川の二人も弦楽器に持ち替えスリー・ピース・バンドとなる。以降二十数年に渡って同じメンバーでライブ活動を続けている。息のあった演奏力と高度な音楽性で一部の音楽ファンの間で根強い人気を保っている。また録音、ミックスやマスタリングをすべてメンバーが行い、ギターの渡辺は90年代に関西の数々のインディー・オルタナティヴ・バンドのプロデュースを手がけた。今はなきgreen recordsの主催者でもある。ベースの前川は山本精一率いる羅針盤に参加するなど幅広い音楽活動を展開している。2009年暮れに突如ニュー・アルバム(4th album)『New Moon 1st Contact』を自主発売。オフィシャル・ページでは曲目違いのフリー・ダウンロード・バージョンも配信中。

Question / KIRIHITO
日本が密かに(大々的にでもいいんですけど)世界に誇る、竹久圏&早川俊介のジャンクでテクノなファンキー・パンキー・ハイパー・ポップ・デュオ、KIRIHITO、なんと9年ぶり、激待望のニュー・アルバム完成! ビャウビャウビャウビャウ・・・ズンドコズンドコズンドコズンドコ・・・ピャ・・・・・・この音はいったい何?! 未知のサウンドとグルーヴがここにあります。

Live in Osaka / 少年ナイフ
世界中に多くのファンを持つ少年ナイフ。その結成25周年を記念した初のライブ・アルバム! 2005年12月17日の大阪ファンダンゴにおける『Space X'mas』でのライブを収録したもので、今や入手不可能なシングル/ソノシート・オンリーの曲を中心に、代表曲、『genki Shock!』からの楽曲もしっかり網羅したベスト&レア・トラック集的な内容。そしてボーナス・トラックには2005年10月に急折した西浦真奈= チャイナがドラムを叩く、2004年の『712 Day Party』のライブ音源を収録しています。

PROFILE

JESUS FEVER
Okazawa (guitar)1970生れ
NON (guitar, vocal)1970生れ
China 1971(drums)生れ
1993年、NONとOkazawaが在籍した前身グループが解散し、京大西部講堂前の空き地ライブに2人で出演していたそこにたまたま通りがかったChinaが2人のライブを目撃し、そのまま加入。Jesus Feverが誕生した。初期のサウンドは女性Voガレージ・ギター・ポップといったところだが、最初から一貫してベースはなかった。確か、その頃の音源をまとめたカセット・テープが1タイトル存在すると思う。その後Okazawaは1本のギターから、2つの全く違った音作りをしてそれぞれ別のアンプに出し、あたかも2つの楽器を同時に弾いているようなスタイルを生み出す。1998年にCD『dozens of great views』発表。日本各地での精力的なライブ活動を開始する。このころからバンド・サウンドはさらに空間的に、NONのギター、Chinaのドラムもシンプルかつ1音1音の意味が大きくなって行く。今回8年の歳月を経て発売される『lemniscate 1』は彼らが最も頻繁にライブ活動を行っていた2000〜2002頃、彼らの新たな(そして最後の)スタイルが確立された時期の貴重なスタジオ録音である。2004年4月のライブを最後にJesus Feverは活動を停止。

China
古巣のJesus Feverの他に、羅針盤、少年ナイフ、DMBQ、drillman、droop、M.S.A.Y.A. ・・・などなど、ホントに数多くのバンドのドラマーとして活躍し、あのおおらかなプレイ・スタイルが数多くのミュージシャンやファンに影響を与えた。Chinaは2005年11月4日DMBQ米国ツアー中に自動車事故に遭い帰らぬ人となった。

[レヴュー] JESUS FEVER

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